
先達に学ぶ
先達に学ぶ ー第11回 ICCからの学びー

こんにちは。起業ノウハウ「はじめてのスタートアップ組織づくり」を担当します、DIMENSIONの中山航介と申します。DIMENSIONでは創業初期のシード・アーリースタートアップへ積極的に出資・支援しております。はじめて会社を創業する場合、”そもそも組織づくりって結局何を考えるの?”と悩む方が多いかと思います。本稿では基本的な組織論の考え方や事例をご紹介しながら、皆さんそれぞれにあった組織づくりのヒントをご提供できればと思っています。
事業から組織を考える ⇒第1回
組織内コミュニケーション、組織文化 ⇒第2回
ミッション、ビジョンの策定 ⇒第3回
ミッション、ビジョンの浸透 ⇒今回
採用:候補者との対話、面接のキホン、転職エージェントとの対話
育成:1on1運用、評価のありかた、管理職の参画&登用タイミング、人事の参画タイミング
前回では、ミッション・ビジョンの策定についていくつか事例をもとにご説明しました。一方、“作ったは良いが、どうやって社内に広めるのかよく分からない”という声も聞きます。そもそも作ったばかりのミッション・ビジョンを社内で使う、もしくは共通指標にすることは“ハードルが高いこと”だという認識からスタートしたほうが良いかもしれません。今回はミッション・ビジョン策定後の浸透施策について、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
“ミッション・ビジョンの浸透“と書くと、難しそうに感じますが(実際、簡単ではないのですが)、
”組織への浸透“とはどういう状態かを俯瞰してみると考えやすいかもしれません。
ある事柄が組織内で広まるには何段階かステップがあります。そのため、下記のように分解してみるとイメージが湧きやすいかもしれません。
X、Y、Zの3軸に分けるとすれば、
となり、直方体の大きさ = 浸透度とも言えるかもしれません。
策定したばかりにおいては、Z軸:時間軸は伸ばしにくいので、
を頑張って伸ばそう、という話になると思います。
(前提として)1人ひとりが腹落ち、共感しないと、ミッション・ビジョンとしては機能しないという話は前回取り上げていますが、そのうえで、浸透にあたっては“使われる頻度”が大事と見ています。
というのも、スタートアップ企業はその性質上、新人が入社してから卒業するまでの期間が大企業対比で短く、組織に占める新人の割合も高いので(=新人構成比・高)、あまり使われない、言葉にされないミッション・ビジョンは、半年~1年後には“なんだそれは、知らない”という状態になってしまいます。
古参の方だけが使っていても、新人に受け入れられなければ前項の①共通言語化にはなり得ず、これでは “死語”になってしまいます(伝統的な企業の社訓において、新入社員からすると「?」となってしまうものがあるのは、これが一因かもしれません)。
脱線しますが、新入社員から見て、“ピンとこない”ミッション・ビジョンになってきたら、それが寿命であり、定期的に事業戦略とともに見直すことをお薦めします。
ということで、新人も古参の方も、お互いコミュニケーションの中で毎日使う、頻度が大事、というお話をさせて頂きました。
頻度を増やすにあたっては、普段の業務開始~終了までのオペレーションに、いかに自然と組み込むかが大事だと見ています。ミッション・ビジョンを体現するために、バリューを入れ込んでもいいと思います。以下は各社具体例を一部取り上げたものです。
今回までの3連載でミッション・ビジョンの役割・策定・浸透についてお伝えしました。次回は採用活動のイロハについて書いて参りたいと思います。第1回、第2回、第3回の記事も参考にしてみてください。
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