
先達に学ぶ
先達に学ぶ ー第11回 ICCからの学びー

こんにちは。本コラムを担当します、DIMENSIONの中山と申します。DIMENSIONでは創業初期のシード・アーリースタートアップへ積極的に出資・支援しております。はじめて会社を創業する場合、”そもそも組織づくりって結局何を考えるの?”と悩む方が多いかと思います。本稿では基本的な組織論の考え方や事例をご紹介しながら、皆さんそれぞれにあった組織づくりのヒントをご提供できればと思っています。
前回では、“採用=候補者へ自社の魅力を売り込む「営業活動」だ”と述べました。また、自社を知ってもらえるか、面談に来てもらえるか、職場として選んでもらえるかは、全てマーケティングや営業活動であり、各社の採用人事が営業エースであるケースが多い背景も触れました。
今回は採用候補者のどんな点を把握しながら自社への惹きつけを図るのか「面談時の基本的なポイント」を中心に考えます。
各社ならではのユニークな視点を各社の採用人事ご担当者が発信されているので、他社事例を学ぶ上でも、SNS、ブログなどをチェックしてみてください。
面談の目的に立ち返ると、面談時の基本的なポイントは、次の3つです。
<面談時の基本的なポイント>
①自社を詳しく知ってもらう
②採用候補者を詳しく知る
③自社と採用候補者の求めているものが合致するか、寄り添う余地があるか検証する
①については前回ご説明したので、②について記載します。
②を分解すると、よく聞く順としては次のようになることが多いです。
また、初めて採用活動に携わる方向けに念のため書きますが、以下の内容は職業安定法上、候補者の方に聞いてはいけませんので頭に入れておいてください。
出生地、家族、住宅、生活環境、宗教、支持政党、生活信条、思想
一般的な採用面接では特に、来歴、スキルを中心に聞かれるかと思いますが、採用のミスマッチを防ぐために追加で把握したい点として、
性格・気質
を挙げたいと思います。
というのも、人間の気質、能力は大きく
の2つに分かれますが、取返しのつかない採用ミスマッチは、後者の変わりにくいものに起因しがちだからです。
そもそも、学習して変わる/得られる能力については、現時点の良し悪しだけで合否を判断する必要はありません。新卒採用が未経験の学生を雇用するように、必ずしも即戦力ポジションでなければ、学習意欲/能力のほうが大事、というわけです。
ところが、性格・気質などは20代以降、新しい環境に入ってもあまり変わらないケースがほとんどで、この点が職場と合わないとなかなかお互いに辛い思いをします。これが、候補者の性格・気質を把握してほしいと申し上げた理由です。
リファラル採用の効果が大きいのは、従業員の友人・知人は比較的、こういった気質が似ている人を集められるため、結果的に採用ミスマッチが小さいのではと見ています。
採用候補者の性格、気質を理解することに努める話を書きましたが、一方で「面接は緊張するものだし、なかなか候補者の方がオープンに話してくれるとは限らない」と思われるケースもあると思います。
そこで熱心にやってほしいのは、カジュアル「面談」です。「面接」と聞くと、身構えてしまう方が多いですし、転職意向がない方は来てくれません。しかし「カジュアル面談」という形で、ランチやお茶などをしながらリラックスして話せる場を設ければ、自社と採用候補者のお互いを深く知るということに徹することができるわけです。
面談時はあくまで、自社のことを知ってもらいながら、話が盛り上がる中で、採用候補者の来歴やどんな環境で働きたいのか、気質の部分を含めて聞けたら上出来だと思います。
後日、入社コミットいただくために、真面目な場で「面接」をセットするのも良いかと思いますし、入社してほしい旨を直接伝えるのも良いかと思います。
また採用候補者は、“どんな会社に入れば希望するキャリアを築けるか””やりたいことを実現できるか”といった自身の物差しで複数の企業や採用ポジションを比較し、選択しています。労働市場内で魅力的な人であるほどその選択肢が増える傾向にあります。
そこで、次回は採用候補者を集めるうえで重要な「エージェントとの対話について」話したいと思います。第1回、第2回、第3回、第4回、第5回の記事も参考にしてみてください。
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