はじめてのスタートアップ組織づくりー第9回 人事評価の設計ー

連載を予定している内容

こんにちは。本コラムを担当します、DIMENSIONの中山と申します。DIMENSIONでは創業初期のシード・アーリースタートアップへ積極的に出資・支援しております。はじめて会社を創業する場合、”そもそも組織づくりって結局何を考えるの?”と悩む方が多いかと思います。本稿では基本的な組織論の考え方や事例をご紹介しながら、皆さんそれぞれにあった組織づくりのヒントをご提供できればと思っています。

  • 事業から組織を考える 第1回
  • 組織内コミュニケーション、組織文化 第2回
  • ミッション、ビジョンの策定 第3回
  • ミッション、ビジョンの浸透 第4回
  • 採用:採用活動のキホン、候補者との対話 第5回
  • 採用:面接のキホン第6回
  • 採用:転職エージェントとの対話第7回
  • 育成:新規メンバーの受け入れ⇒第8回
  • 組織:人事評価の設計 ⇒今回
  • 組織:組織設計、管理職&人事配置

 

創業初期の評価設計の考え方

前回では、新規メンバーを迎える際の受け入れポイントなど、入社後の組織観点をお伝えしました。今回から、事業フェーズ別の評価設計のあり方について、基本的なポイントをまとめていきます(各社の採用人事ご担当者、エージェントの方も発信されているので、他社事例を学ぶ上でも、SNS、ブログなどをチェックされると良いかと思います)。

 

「御社の人事評価はどうなっていますか?」

と、新規メンバーを受け入れる際のオファー面談時に質問される経営者の方も多いかと思います。“ 正直、人事評価の設計まで手が回っていない。いずれ設計する予定だが、今は難しい ”、という方も多いのではないでしょうか?

 

人事評価の設計の方法について、事業フェーズ別に見ていきたいと思います。

たとえば

  • 創業1~2年目:
    (会社の状態)
    会社が出来たばかり、製品/サービスを開発している段階で
    どんな人が活躍するのか、活躍してもらう必要があるのかが流動的な状態。

    (人事評価の設計のあり方)
    この段階で人事評価の設計をするのは難しいため、最低限の評価方針を暫定的に設定する。
    評価方針は随時見直すことを事前にメンバーに伝え、流動的だからといって評価方針無しで動くことは避ける(=暫定的であってもメンバーが大まかな方向性を知って働けるので安心する)

 

  • 創業3年目以降:
    ※3年目が人事評価の設計をはじめるの目安。活躍してほしい人物像が特定できているなら、設計は早いほど良い
    (会社の状態)
    徐々にメンバーが増えてくる、古参/新規社員の両方が出てくるので、納得のいく評価ルールを作る必要がある状態

    (人事評価の設計のあり方)
    ・自社のミッション/ビジョン/経営戦略/事業計画に基づいて、自社として理想的な人物像、仕事のパフォーマンスを定義すること
    ・理想的な人物像、パフォーマンスが出来ているかを測る、評価項目を定めること
    ・評価項目が職種/部署によって偏りがあれば、全社共有の項目/部署単体の項目を分ける
    などが挙げられます。

 

なるべく、自社の創業フェーズに合った他社企業の人事評価制度を参考にしてみると良いので、ブログやSNSでの発信記事を併せて読んでもらえればと思います。

 

設計後、どう運用するのか?

創業期の人事評価の設計は一苦労ですが、評価設計をした後の運用こそが大事になってきます。運用負荷が高すぎる評価設計であれば随時見直しましょう。

運用を考えるにあたっては

  • いつ:評価頻度
  • 誰が:評価者
  • 何を:評価項目(前述)
  • どうやって:評価する際のデータ、指標
    をセットで考える必要があります。

 

たとえば

  • いつ:評価頻度→1Qごと / 半期ごと / 年1回
  • 誰が:評価者→社長が見るパターン / 対象者の上長が見る+社長レビュー
  • 何を:評価項目(前述)
  • どうやって:評価する際のデータ、指標→実際には評価しえない項目がないか確認

 

のように組み立てていくイメージです。特に組織規模が大きくなると、社長個人で見るのは負担が大きいので、組織の中間層・管理職がいつ、どのように評価を行うのか、仕組み化する必要があります。

 

評価の納得感を持ってもらう=1on1活用

ここまでは会社側から見た人事評価の設計の方法を見てきましたが、評価される社員側から見て、どう納得感を持ってもらうかについても触れたいと思います。社員から見ると、会社からの評価と自己評価に大きな乖離があれば不満を持ち、退職に繋がりやすくなります。日頃から会社として期待していること、注力してほしいことを評価時期を問わず、伝えておくことが大事になります。

前章で触れた1on1を活かしながら、

  • どんな仕事をやっているか
  • どんな達成ができたか
  • どんな課題感を抱えているか
  • 会社として期待している役割、業務内容
    などを普段から伝えていくことで、社員も取り組むべき方向性が分かり、評価の納得感を持つことができます。

 

評価設計/運用方法は定期的に見直す

お伝えしている通り、創業期の会社において、最初から完璧な評価設計ができるわけではありません。実際に自社で設計/運用してみて、社員から見た評価の納得感、部署間に評価の偏りがないか、運用時の評価者に無理な負荷がないか、確認しながら変えてみてください。

是非、自社にあった評価設計/運用方法をトライしてもらえればと思います。他の連載記事第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回第8回も参考にしてみてください。

 

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