
#ファイナンス
学生でも分かる資金調達・資本政策のポイントー第12回 エクイティ調達④ 出資スキームの種類・トレンドー

本コラムを担当している下平です。DIMENSIONチームでは高校生~大学生のみなさんにも積極的に出資をしていますが、若い皆さんにとって、株式、融資、資本政策等の用語は、とっつきにくく分かりづらいことが多いのではないでしょうか。本稿では、複数回にわたって、以下のような資本政策、資金調達の基本的な知識や考え方についてお伝えします。
若い方でも理解が進むように、基本的な用語の定義やお薦めの書籍についても紹介しながら、お伝えしていきます。
本稿では、今までの連載の復習も踏まえて、調達の動き方についてまとめていきたいと思います。
ステップは大きく4つのステップに分かれます。今回はステップ1と2について説明します。
全体像
・STEP1:事業計画の策定
・STEP2:エクイティファイナンスの計画
・STEP3:リード投資家の選定
・STEP4:フォロー投資家の決定とクロージング
スタートアップは、資金調達を推進する前提として事業計画を作ります。計画は仮説、成長ストーリーであり、検証を重ねていくなかで更新されていくものですが、調達時に発射台となる計画を作る必要があります。
計画を考えるうえで具体的には以下の要素について検討し計画を立てる必要があります。
事業計画はどうしても振れ幅があるものなので、ベースシナリオを作成しながら楽観ケースと悲観ケースを同時に作成するとよいでしょう。
計画の策定において特に重要なのが、キャッシュフローの計画です。毎月のキャッシュアウトの金額を「バーンレート」、現在の残キャッシュとバーンレートを踏まえて、資金がゼロになるまでの期間を「ランウェイ」と言いますが、最低でも向こう1年半~2年以上のランウェイを確保するための必要な資金額を算出し、資金調達を行う必要があります。想定よりも事業推進がうまくいかない悲観ケースにおいても一定期間、事業継続できる必要な調達金額のラインを見極める必要があります。
必要な資金を全て株式で調達すると創業者の持株比率の希釈化が大きいため、銀行からの借入と株式発行による調達、それぞれでどの程度調達するか、できるか検討をします。
事業計画を適切に策定した後、今回のエクイティファイナンスの資金調達ラウンドをどのように設計するか検討、計画をします。具体的には以下の点について策定を行います。
事業計画と整合するファイナンスの計画を作り、その計画を投資家が分かりやすい形で資料にまとめる必要があります。いわゆるピッチブックと呼ばれる資料で、投資家にエクイティ―ストーリーを説明する資料となります。ピッチブックでは以下の点について説明をする必要があります。
VCの投資判断としては、創業期ほどチームや顧客課題、プロダクトの方向性や市場性が重視され、ミドル~レイターステージに移行すればするほど、業績や競争優位性、黒字化、上場の蓋然性が重視されるようになっていきます。
いかがでしたでしょうか。今回は、調達の動き方の実際につい事業計画の策定と今回ラウンドのエクイティ調達の計画の立て方について説明をしました。次回はリード投資家、そしてフォロー投資家の選定について解説をします。
DIMENSIONではシード、アーリ―ステージを中心に積極出資中なのでお気軽にご相談ください。
学生でも分かる資金調達・資本政策のポイント
第1回、第2回、第3回、第4回、第5回、第6回、第7回、第8回、第9回、第10回、第11回、第12回、第13回、第14回も参考にしてみてください。
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