
#M&A
「Change People, Change Business, Change Japan.」というミッションを掲げ、デジタル人材の育成支援や業務プロセスの革新及びデジタル化などを担うNEW-IT トランスフォーメーション事業とDXによる地方創生の推進をミッションとするパブリテック事業の2つの事業を柱とする株式会社チェンジホールディングス。同社代表取締役兼執行役員社長 福留大士氏に起業家や経営者に必要な素養や、今後の事業展開についてDIMENSIONビジネスプロデューサーの巻口 賢司が聞いた。(全4話)
ーー御社の経営方針について伺いたいと思います。2022年にSBIホールディングスと資本業務提携を発表されていますが、契約締結までのプロセス、意識されたポイント、そして提携によって見えてきた成果について教えてください。
私たちはもともと、SBI証券に主幹事として上場をサポートしていただきました。当時の時価総額は約37億円でしたが、上場し、ここまで成長できたのはSBIの支援があったからだと感じています。
その背景もあり、髙村社長に提案をし、北尾さん(SBIホールディングス株式会社 代表取締役会長 兼 社長)にもご賛同いただいたことで、創業メンバーの株式をSBIに引き受けていただきました。
SBIグループは我々とは二桁も三桁も桁が違う規模のビジネスを展開しているので、リソースのレベルが圧倒的です。人材、資金、ネットワークなどのリソースをお借りしながら、私たちもさらに成長しています。
戦略を立てるところまでは我々起業家の力でできても、実行段階においてはネットワークや人材、資金などボトルネックが見えてくることがが多々あります。
そういったボトルネックを取り外していく手段として、資本業務提携は我々にとって大きな前進だと感じています。
ーー最初にお話いただいた「トラストバンク」も売上規模が大きい企業でしたし、今回のSBIも“桁違い”という言葉が印象的でした。そうした相手に対して、御社の価値や強みをどのように伝え、シナジーをどう描かれたのでしょうか?
私はどんな相手でも“足りないピース”は必ず存在すると考えています。
トラストバンクの場合は、ITプラットフォームはあるものの、テクノロジーの理解が足りていない部分や、人材や組織基盤の構築にあたって資金力が足りないといった課題があり、私たちのグループにジョインすることで解決できると考えました。
SBIに関しては、足りないものは少ないと感じつつも、金融機関であるため基本的には金融がコアビジネスです。
金融を軸にしながらも、ITやメディアを活用して新しいサービスを作り出していく中で、たとえば自治体との取引や、地方創生という観点では私たちのような企業が補完できることがあると考えています。
つまり、M&Aや資本業務提携は“相互補完”です。相手の足りないピースを私たちが埋め、逆に私たちの足りない部分を相手が補ってくれる。その関係性をつくり出すことが何より重要だと考えています。
ーー御社は「Change Japan」というミッションを掲げ、日本国内に目を向けたビジネスに注力されています。海外ではなく、「日本を変える」ために取り組みを続けられている理由をお聞かせください。
実は、2003年に起業してからずっと、「Change Japan」の大本命は、日本のサービスを海外に輸出していくことだと考えていました。
そのため、2007年から2014年くらいまではずっと海外ビジネスを行っていて、私も1年の半分くらいは海外にいる生活を送っていました。
ただ、2011年の東日本大震災をきっかけに、日本国内に目を向けるようになりました。
あらためて国内の状況を見てみると、人口減少に加えて震災等で被害を受け、各地域を活性化する仕掛けが明らかに足りていない。
「日本の物やサービスを外に出す」ことはもちろん意味のある仕事ではありますが、商社をはじめ、既に様々なプレイヤーが手掛けています。
そこで、「自分が何とかしたい」という想いが強くなり、直近10年は日本に軸足を置き、地域に目を向けたビジネスに取り組んでいます。
また、「ふるさと納税」など、地方活性化の仕組みには海外に生かせるものも多くあると考えています。
都市に人口が集中し、地方が衰退している状況は、日本だけの課題ではありません。そのため、「ふるさと納税を海外に輸出していく」ようなビジネスを視野に入れつつ、海外事例を学ぶ機会は積極的に作るようにしています。
ーー最後に、今後の展望と、そこに至った思いをお聞かせください。
これからのチャレンジは、「地方創生×DX」という軸をさらに進化させることです。現在は自治体、地域金融機関、地域を代表する企業の三者を巻き込んで、ふるさと納税をはじめとした地方創生を手がけていますが、それだけでは十分ではないと感じています。
これからは、地域の医療関係者、教育関係者、メディアといった、地域の有力プレーヤーを深いレベルで巻き込んでいきたいと考えています。
私たちが地方創生の“ハブ”となり、各主要プレーヤーを繋ぎながら、地方のお金や人材の不足といった課題を解決していきたいのです。
地域には既に優れたリソースやプレーヤーが存在していますが、それぞれが個別に活動している印象があります。みんながバラバラに自分たちがやれる範囲内で活動しているので、まだまだ結果に繋がっていません。
だからこそ、私たちはそのハブになり、バラバラになっているエネルギーを結集し、“型づくり”をしていく。プラットフォームとして地方創生の“答え”を提示することで、この事業を広げていきたいと考えています。
ーー実際にこれから上場を目指す後輩起業家に向けてメッセージをお願いします。
これから上場を目指す起業家の皆さんこそが、20年後、30年後、まさに次の日本社会の主役となる存在です。
あらゆる産業や社会の課題に対して、新しい価値を創造し、不都合や様々な負の解決策を提示できるのが起業家の力であり、使命だと考えています。
”前の世代の起業家”たちがつくった枠組みや秩序を、上手く作り直していく。自分たちのビジョンを信じて、一緒に未来を変えていけたら嬉しいです。
>前のページ 第3話「9社のM&Aから見えてきた“成長”と“相性”の見極め 株式会社チェンジホールディングス 福留 大士社長」
>チェンジホールディングスの公式HPはこちら
巻口 賢司
早稲田大学政治経済学部卒業後、日本マイクロソフトに法人営業として入社。国内の大手企業におけるデジタル化の促進に携わる。その後、ウォルト・ディズニー・カンパニーにて、スタジオ部門での映画の配給・マーケティングからコーポレート戦略部での新規事業開発など、幅広い業務に従事。2023年、DIMENSIONにビジネスプロデューサーとして参画。日台ハーフ・日英バイリンガルというバックグラウンドを活かし、グローバルな目線でのスタートアップ支援を志す。
#M&A
#ビジョン
#ブランディング
#ファイナンス
#人事・組織
#起業家の素養
#M&A
#起業家の素養
#ビジョン
#ビジョン
#インタビュー
#インタビュー
This site is protected by reCAPTCHA
and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.