
#起業家の素養
「すべての経済活動を、デジタル化する。」というミッションを掲げ、複数事業・プロダクトを同時並行的に展開する「コンパウンド・スタートアップ」としての挑戦を続けている株式会社LayerX。同社代表取締役CEO 福島 良典氏に、起業家の素養や、組織づくりのポイントなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの古家 広大が聞いた。(全4話)
ーー順調なスタートアップの場合、投資家から多くの出資オファーを受けることがあると思いますが、どの投資家から出資を受けるか検討する際には、何を重視して選定するのが良いでしょうか。
私たちは、選べる立場ではありませんでした。むしろ多くの投資家に出資を断られています。
ですので、必死に様々な投資家を回り、条件面やビジョンを含めて「これならいける」「この事業計画ならいける」と合意してくれた投資家に出資していただくという考えでした。
そのため、「自分たちのビジョンに共感してくれる投資家を選ぶ」ことをお勧めしたいですね。
また、誤解のないように申し上げたいのですが、もし多くの投資家からオファーを受けている状態であった場合、それは値付けを間違えているのではないかと思います。
私の個人的な考えですが、起業家としては基本的には資金調達の値付けを間違えるべきではないです。そして、適切なフェアバリューのレンジの中で、合意できる最大の価格で調達すべきだと考えています。
もちろん投資家の方々は、そのレンジの下限で調達した方が良いと主張するはずです。
この考えを実行すると、「すべての投資家が投資したい」となる状況は起こらないと思います。その中で投資家と起業家の間で考えが折り合うところを見つければ良いと思います。
もちろん、考えとして早期に資金調達を完了して事業に集中する、あるいは次のラウンドに向けて余裕を持って様々なオプションを確保できるよう、あえて低めの値付けにするというケースもあります。この場合でも「正しく値付けができている」「フェアバリューのレンジがどの範囲にあるかを把握している」ということが大事なことには変わりありません。
ーー御社の今後のチャレンジとその思いに至ったプロセスをお聞かせください。
まず今この瞬間において最も重要なテーマは何だと思いますか?
その答えは、AI一択だと思うんです。
私たちのようなBtoBソフトウェア企業では、先ほどの面接へのAI活用なども含め、様々な場面でAIを活用できる可能性があり、新しい働き方を今まさに構築できる段階にあります。
ただ、誰もその最適解は見出せていない状況だと思うんです。
そのため、約1年前からnoteで「AIとセールスはこのように協働していく」「LayerXのセールス組織はこういうビジョンを目指す」といった内容を発信しています。その他にもまだ公開はしていませんが、社内ではAI活用に関する様々なアイデアがすでに実装されています。
AI活用はプロダクトへの応用も大事ですが、働き方のスタイル変革も同じくらい大事です。まだ誰も答えを見出せていない中で、私たちは最初にその形を提示できる会社でありたいと考えています。
プロダクトについて言えば、Ai Workforceは世界でも類を見ない優れたプロダクトですし、バクラクもAIとSaaSの融合の新しい形を作り上げています。
働き方の面でも、面接でのAI活用や、営業の評価、次のアクションの予測にAIを活用するといった取り組みを進めています。
これらはアイデアとしては皆が「できそうだ」と思っているものの、具体的に試している会社はまだ多くはないと思います。どの部分を人に任せ、どの判断をAIに委ねれば成果が上がるのか、実際に試さないことにはノウハウは溜まっていきません。
だからこそ、私たちが挑戦する必要があるのです。
世の中には「○○型」と呼ばれる企業モデルがありますよね。セールス組織で言えば、キーエンス型やリクルート型といった営業組織のロールモデルがあると思います。将来はAIを活用したこの営業スタイルは「LayerX型」であると呼ばれるような営業組織のロールモデルを確立したい。
開発組織では、GoogleやAmazonがよく参照されますが、私たちも「LayerX型の開発」「LayerX型の面接」「LayerX型の採用戦略」といった、独自のモデルを誰よりも先に作り上げたいと考えています。
今後のチャレンジをより抽象的に考えると、「世の中の変曲点において、まだ誰も見出していないことに挑戦する」というのがLayerXの特徴だと思います。
例えばAi Workforceを始めた時期は、ほとんどの人が「生成AI=チャットボット」だと考えている中で、私たちはワークフローツールの開発に着手しました。
正直、その時点では理解されませんでした。「生成AIならチャットボットを作る」「チャットボットをRAGで拡張する」という応用例が主流でした。
しかし私たちは、チャットボットは単なるUIの一形態であり、生成AIの真の価値は「世界モデルで世界を深く理解し、複数の課題に適応できる柔軟性」にあるという仮説のもと、ワークフローツールを開発していたのです。
これは歴史の変曲点や技術の変曲点において、自分たちなりに考え、誰も見出していない解を明らかにしたいという思いの表れです。
バクラクを始めたときも、SaaSにAIをネイティブに埋め込み、業務そのものを無くすという発想は主流ではありませんでした。コンパウンドスタートアップとして、複数のプロダクトを展開し、様々な領域やドメインを横断しながらプロダクトを提供していくようなスタートアップも当たり前ではなかった。
しかし今では、それが正解だとわかり、多くの企業が実践しています。
このように、時代の変曲点を捉えた挑戦を続けていきたいですね。
ーー今後御社からどんなサービスが生まれるのか、とても楽しみです。
少なくとも私たちはLayerXをSaaS企業だとは考えていません。
技術と歴史の変曲点において、社会をより良くし、世の中の課題を解決し続ける企業として歩んでいきたいと考えています。
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古家 広大
早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。
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