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広告の枠を超え、さまざまなクリエイティブで世間の注目を浴び続けている The Breakthrough Company GO。2020年にはベンチャーキャピタル事業「The Breakthrough Partners GO FUND」(GO FUND)も設立し、その事業領域を急拡大させている。今回はPRのスペシャリストでありクリエイティブディレクターでもある代表取締役 三浦崇宏(みうらたかひろ)氏に、起業家としての素養、事業拡大の秘訣などについて、DIMENSIONの伊藤紀行が聞いた(全6話)
ーー先ほど(第1話リンク)「何かを勝手に原体験として発見できる視点」の大切さをお伺いしました。その視点を磨くための秘訣があればお聞かせください。
「素直さ」と「野心」のバランスが大切です。
私はもともと「野心」ドリブンの人間でした。大学時代にもイベントのプロデューサーとして割と大規模なイベントを運営したりしていたので、それなりの収入もあったんです。
でももっと世の中を動かすようなこと、社会に対して大きな価値提供ができる仕事がしたいという「野心」を持って大手広告代理店である博報堂に入りました。
そんな気持ちで入社したにも関わらず、入社早々、配属希望だったクリエイティブ部門に行かせてもらえなかったという理由でいじけていたんです。
先輩方も、生意気な私のことを想ってあえてキツくあたってくれていたのですが、私は柔道で全国クラスの選手だったこともあって「こいつら路上で肩ぶつかったらペコペコ頭下げるのに、なんで俺に偉そうに言ってくるんだ」くらいに思っていて(笑)。そんなやつが成長するわけないですよね。今思えば本当に恥ずかしいです。
そうして「野心」だけの生意気な態度をとっているうちに、会社ですっかり干されてしまいました。仕事が無くて、仕方なく論文を書いたり、スタートアップのコンサルティングを勝手にやったりしていましたね。
ーーそんな状況をどのようにして乗り越えたのでしょうか?
一定の小さな成果は出していたものの、同期たちが大きい規模の仕事に関わっているのを見て、ふと気づいたんです。「俺は何をやってるんだろう」、と。
そして当時の上司に、「生意気を言ってすみませんでした、心を入れ替えるので仕事をさせてください」と泣きながら詫びて、職場に戻してもらいました。そこからは「素直さ」を持って人の話を聞くようになり、結果的に大きな仕事で結果を出せるようにもなりました。
「巨人の肩に乗る」という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。
自分が持っていない知識や技術を先人達はお持ちなのであって、それが自分の持っているものと違うからといって否定していたら成長するチャンスを失います。「素直」に周りの人の話を聞くことが必要なのです。
ーー「野心」に振りすぎず、とはいえ「素直さ」にも振りすぎず、とバランスさせるのは難しそうです。
私は「野心」と「素直さ」は両立できると思っています。
例えば、最初の3年間は必ず相手の言うことを聞き、学んだうえで次から自分の感性や技術とクロスさせる。あるいは言われたことの8割は必ず先輩方の言った通りにやり、残り2割で自分なりの考え方を試す。
過去の私も含め、「白か黒か」みたいになってしまっている人が多いですが、「野心」と「素直さ」をタイミングに応じて自分の中で絶妙にバランスさせていくことが成長する上で非常に重要なのだと思います。
ーー「野心」と「素直さ」のバランスは、経営者としてご活躍される今も意識されていますか?
今の自分の経営スタイルにも完全に引き継がれていますね。
例えば先輩経営者や会社の仲間から様々なアドバイスや意見をいただくとき、一旦「素直」に聞くという意識は常にあります。その上で、しっかり考えた上で「いただいた意見を無視する」と意思決定をする時もある。
意見を聞かずに無視するのと、聞いた上で熟考して無視するのでは、相手の反応も、自分の腹のくくり方も全く違ってきます。
そして一番違うのは「失敗した後の起き上がり速度」。
意見を聞かなかったせいで「本当に自分が悪いんだろうか」と疑問を持ちながら倒れるのと、選択肢があったことを理解した上で「あのとき熟考したから悔いはない、次は改めよう」と倒れるのでは、全く次の一歩が変わってくるのです。
なので、私は人から意見をいただいたらまずは「素直に」聞き、間違ったとしても悔いがないレベルまで考え、その上で意思決定するように心がけています。
ーー三浦さんご自身も大企業で失敗したからこそ、その感覚を身をもって理解されているのですね。
早いうちに大きな失敗をしたことのある人が、結果的に選択を間違えなくなる可能性が高いと思います。
なぜかというと一度失敗して意識を改めた人は、自分の中に独自のものさしを持って「自分の選択に納得」することができるからです。
失敗したことがないのに「野心」と「素直さ」のバランスをとれている人がいたとしても、それは自分の中で完全に腹落ちしていない可能性があります。自分の選択に対して心底納得していないから、行動に再現性が無い。
「大きな失敗をしたことがある人」は強い。なので若い方は、早いうちからどんどん大きな挑戦をしていただきたいですね。
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著者 伊藤紀行
DIMENSION Business Producer:早稲田大学政治経済学部卒業。楽天、EdTechスタートアップを経て、株式会社ドリームインキュベータにて国内のスタートアップへの出資・分析、上場に向けた経営支援等に従事。FinTech(金融 x IT)、D2C、メタバース、ドローンなど幅広い事業領域の企業への出資と並行して 、出資先の経営陣への経営支援を実施。 21年、株式会社ドリームインキュベータからのDIMENSIONファンドMBOに参画。 志高い起業家へのキャピタリストとしての支援を通じ、日本経済の活性化に取り組む。 出資支援先であるFinTechスタートアップ、株式会社400Fの社外取締役。ビジネススクールにて、「ベンチャー戦略プラン二ング」「ビジネス・アナリティクス」等も担当
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