#インタビュー
月間200万人が利用する買取価格比較サイト「ヒカカク!」を始めとしたサービスで急成長中のジラフ。学生起業家として同社を立ち上げた麻生輝明氏と、創業初期メンバーの柴田雅人氏にこれまでを振り返っていただき、若手起業家ならではのベンチャー論を語っていただいた。(全3話)※本記事は2017年5月に実施したインタビュー内容を基に編集しております。
資金調達とは自分の野心に共感してもらうこと
――今までの資金調達を振り返って感想を教えてください。
(麻生)相対取引に近い形で、理念・事業に共感してもらえた方々に投資してもらえたのが何より良かったです。過去には、プロダクトが固まってない中で出資を意思決定してもらう難しいラウンドがあったので、本当に感謝しています。
とはいっても最初はどういう会社に話を持ち掛けるべきか分かっていませんでした。金融系VCに持ち掛けると「リード投資家が決まり次第、また来てください」というスタンスだったり、そもそもアーリーステージへの投資をやっていないVCが多いことが調達の中で分かってきました。
また、投資家を回っていると一部の方からは「もっと大きい事業やりなよ」や「目立つ事業をやろうよ」といったことを言われたこともあったのですが、そう言われたときこそ「何のためにこの事業をやるのか」自分の言葉で落とし込んで、次の投資家には分かってもらえるようにするんだという気持ちで動いていました。
実際ミーティング後に進展が無かったりすると、「このやり取りは本当に意味あるのかな」という不安を感じることもしばしばありました。そういったなかで投資稟議の進捗をこまめに報告してくれる投資家の方はやり取りしていて安心感がありましたね。DIさんもレスが速い印象でした(笑)。
――ありがとうございます。やはり投資家・経営者双方が誠実な対応をしないと、最終的にはうまくいかないのかなと思います。
(麻生)大前提として、担当者同士で人間関係が良好というのは大事かもしれませんね。困ったときにいつでも相談できる信頼関係が実は重要だと感じています。
――一方、投資家を選ぶ際の留意点はありますか?
(麻生)私たちは投資家にこういう期待を持ってますというのは事前にお伝えしていて、特に本業のノウハウを共有して欲しいというのはお願いしています。広告、マーケティング、SEO、上場までの経験をもとにしたメンタリングなどもサポート頂いています。
仲間からお金を「託されている」という重みが盤石さを生む
――今でこそ資金調達には慣れていらっしゃると思いますが、創業初期の資金調達はどのように進めたのでしょうか?
(麻生)元々、木暮圭佑くんという友人がVCで働いており、彼から投資の受け方などアドバイスしてもらっていました。そのうちに、彼自身が独立してVC(現 TLM/ジェネラル・パートナー)を始めるということで、その出資先第1号としてオファーをもらったのが最初の資金調達ですね。
彼が独立して初めて出資した会社ということもあって、社会的には「TLM(木暮) = ジラフ(麻生)」のように見られるので、「僕が結果を出せないと彼にも迷惑をかけてしまう」という一心同体みたいな関係だったんです。
おかげで「ちゃんと成功するためにできる努力は絶対しなきゃ」という気持ちが強くなりましたね。こうやって仲間から託されたお金に対する重みを創業期から感じていたことが今の成長に繋がっている気がします。
資金調達には色々な形があると思いますが、自分の場合は「もらったお金を大事に使わなきゃ」という気持ちが土壇場で踏ん張る力に繋がったのかなと思います。
――最近ではフリークアウト社長の佐藤裕介さん、ポケラボ創業者の佐々木俊介さんなど著名な方から出資を受けられていますね。
(麻生)フリークアウトの佐藤さんとは、ツイッター経由でのやり取りがきっかけでした。六本木のカフェで朝ご飯を食べながら資金調達の相談をし、その場で「出しますよ」という形で投資して貰えることになったんですよ。佐藤さんは中古自転車買取・EC事業をファーストキャリアで積まれるなど買取領域に詳しい方なので、是非応援して頂きたいと思い、お声掛けしました。
ポケラボ創業者の佐々木(現ジラフ執行役員)とは、実はビジネスマッチングアプリで知り合いました。彼は、当時経営していたポケラボをグリーに売却後、しばらくして自身でトレーディングカードのフリマアプリを運営していました。互いにリユース業界に強い興味を寄せていたので議論が深まり、私はCtoB、佐々木はCtoC領域で取り組んでいたので、一緒にやろうということになりました。その後、資金調達タイミングで、個人で出資してもらい、経営にも参画してもらったという経緯です。
――なるほど、ありがとうございます。また、麻生さんのように20代のうちから起業・資金調達を行う良さについて教えてください。
(麻生)若手のうちから挑戦する利点は、逆のケースを考えると分かりやすいと思います。年齢が経つにつれて、生活コストが上昇し調達ハードルが上がる傾向にあります。会社員として給与が年々上がっていき、家族がいれば前職に準ずる収入が必要で、そのためには「●●万円調達する必要があって、アーリーの時点でバリュエーション●億円必要で。。」と徐々に調達ハードルが上がりやすいわけです。その点でリスクが少ない若手のうちに起業して良かったなと思います。
>第3話「業界最大級の”買取価格比較サイト”を展開する24歳社長が語る『起業家に必要な3要素』」に続く
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DIMENSION 編集長
「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。
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