#起業
投資家目線での資金調達のリアル 第2回 VCとの面談
はじめに
皆さま、こんにちは。
国内ベンチャー投資ファンド・DIMENSION(ディメンション)のビジネスプロデューサー 古家(ふるや)と申します。
この度は、我々の起業家向けメディア「DIMENSION NOTE」に訪れていただき、ありがとうございます。
検索をすれば大抵のことは知ることができる時代ですが、その最先端をつくるスタートアップ業界の現場事情はなかなか知れないもの。かく言う私も、キャピタリストになる前にスタートアップやVC業界を調べたつもりでしたが、転職してみて1割も知れていなかったことに気づきました。
本コラムでは、投資家目線での考えを交えつつ、リアルな資金調達の解説をします。
特に、初めての起業や資金調達をされる起業家にも分かりやすい内容としているので、こちらを読んで資金調達の成功へ1歩前進していただければと思います。
※ ファンドやキャピタリストごとにスタンスや方針は異なります。よって、この内容がどのVCに対しても必ず当てはまるわけではないことはご容赦ください。
第1回では、資金調達をいつから始めるか、VCとどのように出会うかを解説させていただきました。
今回は、実際にどんな面談が行われているのか、どんなことを準備・理解しておくとよいかを解説しますので、知識の足しにして有意義な面談にしていただければ幸いです。
面談の進め方
資金調達時期の起業家は、通常の業務に加えて投資家回りを行うため非常に多忙です。
そのため、初回面談のほとんどはビデオ通話で行われています。(DIMENSIONでは出資検討の中で相互理解のため、対面での面談も必ず実施します。)
私の場合、双方の理解度によりますが30分~1時間お時間をいただいており、面談の進行は概ね以下の時間配分で行っております。(面談1時間の例)
・アイスブレイク+ファンドの説明:5~10分
・起業家による事業説明:10~20分
・質疑応答、クロージング:30~40分
次に面談時に抑えておくべきポイントについて2点、ご説明します。
一緒に事業を伴走できるVCかどうかを見極める
まず1つ目のポイントは、面談は起業家にとって、事業成長のパートナーになってほしいVC/人か見極める機会であることです。
第1回で「出資=結婚!?」と表現しましたが、これは起業家においても言えることです。出資を受けると、目の前の投資家がIPOやExitまでの長い期間、株主として常に近くにいる存在となります。
面談に不慣れな頃や、資金調達に苦戦している時には、VCから事業を審査されているように感じてしまうかもしれませんが、起業家も「このVCから出資を受けるべきか」を判断する貴重な機会です。
キャピタリストやファンド経営陣の経歴や知識、性格や考え方を確認しましょう。
質疑応答に向けた準備を徹底的に行う
2つ目のポイントは質疑応答の時間と質が最も重要であり、その質疑応答に向けた準備が2つあるということです。
準備1)最大でも20分で説明できるよう、VCが知りたい情報のみをまとめましょう。
事業の拡張性をアピールするためにTAMの説明に注力してしまっている資料(VCが知りたいのはSOM)や、プロダクト愛が溢れるあまりプロダクトの細部説明にこだわりすぎた資料を稀にお見掛けします。
ピッチには不要だけれどもデューデリジェンスに必要な資料であれば、参考スライドとして末尾に載せておく方法もあります。ピッチ資料の書き方は説明する記事も多いので割愛しますが、枝葉の内容は切って、根幹となる情報が端的にまとめられていることがポイントです。
準備2)面談前にピッチ資料をVCへ送付しておきましょう。
面談で初めて聞く内容か、事前に概要を理解したうえで聞く内容かでは、理解の度合いは大きく異なります。また、事業説明にかける時間が短縮されて質疑の時間を十分確保できる他、事前に準備した質問ができるので一層理解が深まります。
面談前は基本的にNDA(秘密保持契約)を締結していないので、資料は簡易版でも問題はありません。
もちろん、キャピタリスト毎で面談のスタイルが異なるとは思いますが、これらの点を心得ておくことは重要だと思います。
重要な点を挙げればキリがありませんが、以上が私が普段起業家と面談させていただく中で頻繁に感じるポイントです。もし読者の中で心当たりがある方がいらっしゃれば、事業の魅力を一層伝えるためにも心掛けてみてください。
次回も資金調達に関連する記事を発信させていただきます。
また、本シリーズでは、読者のご関心のある内容をお伝えできればと思いますので、もし何かテーマのリクエストがあればこちらまでお気軽にご連絡ください。
Sns DIMENSIONのSNS
E-MAIL MAGAZINE 起業家の皆様のお役に立つ情報を定期配信中、ぜひご登録ください!*は必須項目です。
This site is protected by reCAPTCHA
and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.