#起業家の素養
「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」というミッションを掲げ、アスリートを始めとした多くの人々のチャレンジをサポートする株式会社TENTIAL。2025年2月に東証グロース市場に上場した同社 代表取締役CEO 中西 裕太郎氏に、起業家に必要な素養や商品展開のポイント、上場時の株価形成などについて、DIMENSIONビジネスプロデューサーの古家 広大が聞いた。(全4話)
ーー2025年2月の上場時、オファリングレシオ(売り出し比率)が45%と非常に高かったのが印象的でした。あえて高い比率にされた背景や、IRで意識されたポイントを教えてください。
上場時、当社の資本政策においてVC(ベンチャーキャピタル)の持分が過半数を占めていました。
一般的にVC比率が高いと、上場後に株式の売却が警戒され、株価が伸び悩む傾向があります。そのため、私たちは初回の売り出しでVCに可能な限り多くの株式を売却してもらうことを最大のテーマとし、「VCに全株売却いただく」ことも視野に入れて交渉に臨みました。
これまでの日本のスタートアップの事例では、上場が事実上の「出口」となり、その後の成長が続かず、結果として株価形成が難しくなるケースが少なくありません。そうした背景から、スタートアップに対する市場のディスカウントは理解していました。
一方、当社は高い成長率を実現していました。それを踏まえ、既存株主と「ディスカウントやプレミアムを考慮して、現在の評価は妥当なのか」という議論を重ね、結果的に時価総額は当時の水準で着地することになりました。
このように、価格面での調整をVCと徹底的にすり合わせたことで、最終的にVC全体の約70%の株式を売り出していただくことができました。
現在のVC比率は10%以下となり、投資家の皆様の懸念となりにくい水準まで低下しています。
今振り返っても、上場初期にVCの皆様に株式を売却いただいたことは、長期的な株価形成において大きなメリットがあったと考えています。
また、VCによる株式の売却先を当社がコントロールできないため、まとまった株数が意図しない相手に流出するリスクもゼロではありませんでした。今回の対応により、こうした懸念を事前に払拭できた点も重要な成果だと考えています。

ーーVCへの売り出し交渉は、全社へ一律に実施されたのでしょうか。
全てのVCに対し、一律で全ての株式を売り出していただくよう交渉しました。
最終ラウンドの時価総額はPreで約40億円で、そこから2年弱で上場し、上場時の公開価格で3倍以上のリターンを出す水準に達していました。そのため、最低限は投資家の皆様の期待に応えられたこともあり、売却に関する相談を進めていきました。
今回は一定の利益を確定できるタイミングであったことに加え、BtoC市場の競争激化という背景もあり、最終的には各社に納得して意思決定いただけたと考えています。
もしリターンが限定的であれば、VC側が上場時に売却する理由がなくなってしまいます。
結果として、これまで私たちを支えてくださった既存の投資家の皆様全員がしっかりと利益を確定できるIPOとなり、関係者全体にとってバランスの取れた形を実現できたのではないかと捉えています。
また、上場時の株価設定においては、無理に高値をつけることを避けようと考えていました。これは、その後の株価形成で苦戦し、市場からの信頼を損なうリスクを回避するためです。
私たちは、創業期の資金調達以来、「低い評価からスタートし、実績を積み上げることで期待値を上げていく」という一貫した姿勢を貫いています。
現在の株価についても、過度に低い水準は望ましくありませんが、実態以上の高すぎる期待値を持たせることも避け、常に企業のフェアバリュー(適正価値)に基づいた株価形成を意識しています。
この方針により、不測の事態が発生したとしても株価の極端な変動を防ぎ、市場との長期的な信頼関係を構築できると考えています。

ーーTENTIALの今後の展望と、その想いに至った背景についてお伺いできますでしょうか。
「世界の人たちから信頼されるブランドになる」ことを目標としています。
私たちの周りには沢山のアスリートがいらっしゃいますが、彼らは当たり前のように世界を舞台に戦い、結果を出しています。
そんな挑戦を続ける方々の健康を支えるブランドとして、私たち自身が誰よりも挑戦し続け、世界の中でしっかりと選ばれる存在を目指すべきだと考えています。
日本だけではなく、世界中でチャレンジしている方々に愛用いただけるブランドにしていきたい。それが私たちの大きな願いです。
ものづくりにおいても、組織のあり方においても、常に挑戦者でありたい。
そのために、まずは日本国内で圧倒的な結果を出し、確固たる土台を築く。その先に、グローバルという大きな舞台を見据えています。

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古家 広大
早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。
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