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「実現力」こそが経営者にとって最も大切な素養 日本M&Aセンター 三宅卓社長(第1話)

日本発「世界No.1のM&A総合企業」を目指す株式会社日本M&Aセンターホールディングス。創業30年を迎えた2021年には世界で初めて成約件数でギネス世界記録™を獲得し、さらに成長を加速させている。同社を創業時から牽引する代表取締役社長 三宅卓氏に、経営者にとって重要な素養や、成功するM&AのポイントなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの伊藤紀行が聞いた(全4話)

経営者に最も必要なのは「実現力」

ーー経営者にとって重要な要素を3つ挙げるとすると何でしょうか。

1つめは「世の中の課題を認識する力」。

世の中のあるべき姿に対して実現できていないこと。そのギャップ=課題を解決することがビジネスになると同時に社会貢献にもなります。

2つめは「事業のビジョンを描く力」。

事業を通してどんな世界を実現するのか。ビジョンを描くことが事業成長には不可欠です。

3つめは「実現力」。

課題を認識できても「実現力」が足りないなら、評論家になればいい。

ビジョンを描くことはできても「実現力」が足りないなら、コンサルタントになればいい。

事業家にとって一番大切なのはこの3つめの「実現力」だと考えています。

三宅卓/1952年生まれ
神戸市生まれ。大阪工業大学工学部経営工学科卒。日本オリベッティに入社し、金融機関向け「融資支援」や「国際業務」のシステムの企画・販売を担当。1991年に日本M&Aセンターの設立に参画。以来、中小企業M&Aの第一人者として同社を牽引し2008年に代表取締役社長に就任。著書に「M&Aを成功に導くPMI」(プレジデント社刊)など。

ーーなぜそれらが大切だと思われたのでしょうか?

私は33歳の時に企業内ベンチャーとして「銀行の金融システム事業」を立ち上げた経験があります。

当時は融資の審査業務が人の手作業や勘に頼った形で行われており、時間はかかるし精度にもばらつきがある、という課題がありました。

その課題を解決するための融資審査システム、今で言う「自己査定システム」を作りました。OCR入力や自動判定機能を取り入れ、審査業務の自動化・高精度化を実現したのです。

不良債権の発生を防ぎ、同時に省人化も実現したことでシステムは大ヒット。全国でトップシェアのシステムとなり、今でもなお半分近くの金融機関で使われています。

世の中の課題を認識し、解決するためのシステムを構想し、実現した。これが私にとって最初の成功体験となりました。

 

異能を掛け合わせよ

ーー「実現力」を高めるためのポイントがあればお聞かせください。

異なる強みを持ったプロフェッショナルと組むことが大切です。

例えば先ほどの金融システム事業を立ち上げたのは私含め3人だったのですが、その3人ともがいまや全員上場企業の経営者です。

私は営業のプロフェッショナル。金融機関に行き、問題点が何で、それを解決するためにはこうしたらいいとシステムを売り込むことができます。

3人のうちの1人、松岡さん(松岡仁史/株式会社情報企画 代表取締役会長)はアーサーアンダーセン公認会計士共同事務所(現アクセンチュア)出身で、高精度かつ使いやすいシステムを作る天才。

システムというのは精度を上げれば上げるほど使いづらくなり、逆に使いやすくするほど精度が下がるというトレードオフとの戦いがあるものですが、その絶妙なバランスを判断できるプロフェッショナルです。

もう1人の北山さん(北山雅一/株式会社キャピタル・アセット・プランニング 代表取締役社長)は問題の本質を抉り出すプロフェッショナル。

この異なる能力を持った3人が組んだことによって、本質的な問題解決ができて、高精度かつ使いやすいシステムを、力強く売り込んで普及させていくことができました。

 

ーーつまり異なる強みを持つ人材を集めることが大切であると。

私は70年生きてきて、先ほどの経営者の3つの素養が全て完璧に揃っている人を1人も知りません。だからこそ異なる強みを持った人材と組むことが大切なのです。

例えば今、神戸大学で行われている「理系と文系の融合」という取り組みを私は応援しています。

文系の人は、温暖化を抑制するためにはカーボンフリーにしなければならない、そのために電気自動車を普及させよう、と言います。でも彼らはモーター1つ、自力で作れやしない。ましてやリチウムイオン電池を作るなんて神業だと思っているのではないでしょうか。

一方で理系の人は、最高のリチウムイオン電池が作れるかもしれない。でもその使い道としては携帯電話の小型化くらいしか思いつかない。その技術が地球を救うというストーリーが描けないのです。

完璧な人なんていないからこそ、強みの異なるパートナーと組んで事業を作っていくことが非常に大切だと思います。

※インタビュー記事は2022年5月17日現在の内容です

 

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著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

DIMENSION Business Broducer:早稲田大学政治経済学部卒業、グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA, 英語)修了。楽天に勤務後、EdTechベンチャーの東京オフィス立ち上げに参画。法人向け事業の急成長に貢献。その後グロービスにて英語MBAプログラム Japan Accountのリーダーとして、個人向けマーケティングと事業開発を担当。国内のスタートアップへの投資・上場支援を行い、志高い起業家への経営支援を通じて日本経済の活性化に取り組む。週末を中心にビジネススクールで思考領域の講師も務める。

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