そこまでやる!? 最強営業マン日本M&Aセンター三宅卓社長の営業術とは(第2話)

日本発「世界No.1のM&A総合企業」を目指す株式会社日本M&Aセンターホールディングス。創業30年を迎えた2021年には世界で初めて成約件数でギネス世界記録™を獲得し、さらに成長を加速させている。同社を創業時から牽引する代表取締役社長 三宅卓氏に、経営者にとって重要な素養や、成功するM&Aのポイントなどについて聞いた(全4話)

パートナーの「人生の目標」は何か?

ーーテック系のベンチャー企業では「営業力」が往往にして軽視されがちです。営業について意識されているポイントがあればお聞かせください。

テクノロジー領域のサービスを展開する会社だとしても、デジタルだけで成功した会社はほぼありません。

例えば「楽天」も、最初は商店を駆けずり回って一軒一軒口説いていき、セミナーをやり、ようやく出店してもらう。そんな泥臭い積み重ねがあって今の彼らがあるわけです。

つまり「良いシステム」と「泥臭い営業」。基本的にはこの両方が揃ったときに初めて勝ち駒になるのであって、今の若い起業家に欠けがちなのは「泥臭い営業」でしょう。

ではその営業をどのようにすれば良いかということですが、これはひとえに「相手のメリットをどれだけ作れるか」に尽きると思います。

例えば取引先の地方銀行で課長をやっている人がいたとします。彼の「人生の目標」は何でしょうか?

 

ーー「人生の目標」ですか。

大きく2つ考えられます。「地元に貢献したい」「同期の中でトップの出世をしたい」。つまり相手のメリットを作るためには、この2つにどれだけ貢献できるかが鍵になります。

ここで多くのベンチャー経営者は「地元に貢献したい」という目標に対しての価値だけを伝えがちです。「我々のサービスを使えば、地元の企業が喜びます」と。

たしかにそれは正しいのですが、それだけでは足りません。

サービスを導入したら失敗するかもしれません。失敗が一度でもあれば減点方式の金融機関では出世できませんから、課長はきっと失敗するのが怖いでしょう。

その恐怖心を超えてでも導入していただくためには「成功したら確実に出世できる」フォローをしてあげることが大切になってきます。

 

10年間、泥臭く営業し続けられるか

ーー例えばどのようにしてフォローしていくのでしょうか?

例えば日本M&Aセンターの創業当初は、地方銀行の担当者と一緒に案件を成約した際に、その銀行の頭取に感謝状を持って行ったりもしていました。

当時は頭取と直接会えるような会社ではありませんでしたが、「感謝状を持っていきたい」と言えば会ってくれるものです(笑)。そして頭取は1人では出てきませんから、No.2の専務などが同席します。

そんな場で私はこう言います。

「全国に地銀64行あれど、このM&Aを一緒に成約させた山田さん、彼は全地銀マンの中でも3本の指に入ります。この実現力、コーディネート力は素晴らしいですよ。こんな地銀マン、私は久々に見ました!」

そうすると、頭取は同席している専務に聞きます。

「おい、ほんまか?」と。

こんなことを言われては、専務は知らなくても「三宅さんのおっしゃる通りです」と言うしかありませんよね(笑)。

これで頭取と専務に名前を覚えてもらえた担当者の評価は決まりです。私と一緒に案件をやったことで2階級特進した人もいるほどです。

 

ーーそんなことをしてもらったら、その担当者にとっては一生忘れられませんね。

それだけでは終わりません。さらにその人を出世させるためにはどうすればいいでしょうか。

今度は「部下をうちに出向させてください。全て教えますから」とお願いします。そして半年間彼の部下に出向に来てもらい、すべてのノウハウを懇切丁寧に教えるのです。

もちろん地方銀行出身者は東京に家はありませんから、毎晩一緒に飯を食って酒を飲むことになります。

 

そうやって半年間一緒に毎日を過ごすと、同じ釜の飯を食った「戦友」になってくれます。彼らが銀行に帰っていって、出世した人の部下になるわけなのでさらに成果が出せるでしょう。

こういう泥臭いことを3年、5年、10年のスパンで続けていけるかどうか。これが営業であり、最終的には大きな差になっていく部分なのです。

※インタビュー記事は2022年5月17日現在の内容です

 

 

 

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DIMENSION 編集長

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「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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