「根拠のない自信」が全てを解決する div 真子就有社長(第1話)

卒業生9000人超、満足度98%を誇り、プログラミング教育の市場を牽引するテクノロジースクール「TECH::CAMP」。同サービスを提供する株式会社divの代表取締役・真子就有氏は、成長ベンチャー・じげん社の内定者アルバイト時代に起業を決意。その後、世に出したサービスの2度にわたる事業撤退を乗り越え、今のサービスにたどり着いた波瀾万丈な経歴の持ち主。今回は真子氏に、起業家として重要な素養や、テクノロジースクールの未来などを聞いた。(全5回)

誰よりもユニークなものを作ることに命をかけていた少年時代

――起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとしたら何でしょう?

まずは「根拠のない自信」が一番だと思います。特に理由がなくても、自信をもってやれるかということです。

次に「本質主義」。これは問題の本質をとらえる力です。

そして最後に必要なのは「人に喜んでもらうのが好きだということ」。正確に言うと、「人に喜んでもらった経験があること」かもしれませんが。

 

真子 就有/1989年福岡生まれ。青山学院大学在学中からエンジニアとして複数のITベンチャーに勤務。株式会社じげんの内定者時代に起業を決意し、在学中に起業。「人々の生産性向上に貢献したい」という想いのもと、2014年10月に短期集中プログラミングスクールTECH::CAMPを立ちあげ、3年半で9000人以上の卒業生を輩出。現在ではプログラミング教育の枠を超え、総合テクノロジースクールへと進化。株式会社div・代表取締役として同社を牽引。

 

――まず「根拠のない自信」からですが、なぜそれが大事なのでしょうか?

事業を起こすというのは、前例のない新しいことをやろうとしているということなので、正解がありません。正解が無い中で物事を進めていこうとすると、基本的にはネガティブな出来事がたくさん起こります。そうした時に「根拠のない自信」があれば、「ネガティブなことばかりだけど、信じて進み続けよう」と走り続けられるわけです。

 

――真子さんご自身は「根拠のない自信」を昔からお持ちだったんでしょうか?

ありましたね。(笑)「根拠のない自信」が人生のすべての問題を解決してくれると思っています。

何故その自信が身についたかと考えてみると、私の場合は親の影響が大きいです。やりたいことを尊重してくれましたし、アイデアや創意工夫を頭ごなしに否定されることはありませんでした。「信じたことがあるんだったらそれをやってみなさい」という姿勢でした。

「根拠のない自信」を作るのは、成功体験に他なりません。特に、幼少期から10代にかけての成功体験の積み重ねが重要だと感じています。

私の場合、小学生の頃の工作でも、誰よりもユニークなものを作ることに命をかけてましたし、前の晩に徹夜して作って図工の時間に完成品を持っていく、みたいなこともやっていました。(笑)とにかく目立ちたがりというか、「一番凄いの作ったね!」と言われたくて頑張る子どもでした。

創意工夫を全面的に肯定される環境で育ち、数多くの成功体験を幼い頃から積めたことが、今の「根拠のない自信」に繋がっていると感じます。

 

――その自信が打ち砕かれそうになった瞬間はありますか?

それが打ち砕かれないんですよ。(笑)

今後も、人生どんな状況にあろうと、自分に無力感を感じることはないと思います。窮地に追い込まれてもすぐ気持ち良くなってしまう。生命の危機を感じるところまでいったらわかりませんが、少なくとも崩れるのが社会的な評価のレベルだったら自信はびくともしないと思います。

 

――2つ目の素養として「本質をとらえる力」を挙げていらっしゃいましたが、これはどういうことでしょうか?

表層的な問題や常識に囚われて、本当に解くべき問題を見落とさないことを大切にしています。例えば社内であれば「この問題の本質はなんだろう」と常に問いかけるようにしています。

起業家は、人々がまだ気付いていない問題に取り組まなければいけません。学校のテストと違って解くべき問題は誰も教えてくれません。

また、「本質をとらえる力」とは、「常識を疑う力」と言い換えることができます。

例えば、TECH::CAMPを始める前、プログラミングを身につけるのは数年以上かかる大変なものだとイメージされていました。学生の頃、プロのエンジニアに相談しても、苦労して覚えるのが当たり前だと言われました。

しかし、私は実体験から、この問題の本質はプログラミングの難しさではなく、「1人で悩んでいる時間の長さ」にあると考えました。この「1人で悩んでいる時間の長さ」を最小化することができれば学習効率は劇的に向上すると確信し、後にTECH::CAMPを立ち上げることができたのです。

 

――何故そのような力が身についたのでしょうか?

それは、私が頑固な性格だったからかもしれません。

特に自分が関心があることに関しては完璧に理解しないと気がすまない性格でした。中学時代は、個別指導の塾に通っていたのですが、納得できない問題が1問でもあると、すべての授業の時間を使って先生に質問攻めしていたことを覚えています。納得するまで意見を曲げないと、人との論争が増え、理詰めが必要となります。そうすると「本質的には何が問題なのか」を常に考えるようになります。

本質を見極める「本質主義」で自分の向かうべき方向を決め、「根拠のない自信」を推進力とする。これらの素養は起業家にとって必要不可欠だと思います。

良い会社とは「人を自立させる会社」

――3つ目の素養として挙げられた「人に喜んでもらうのが好きだということ」についてはいかがでしょうか?

これには起業する人に対しての私の願望も入っています。

私は「お金儲け」と「人の幸せへの貢献度」というのは必ずしも比例していないと感じています。人を喜ばせなくても人の依存心や承認欲求を促せば、儲けることも出来るからです。しかし、良い会社、人を幸せにする会社というのは、「人を他者依存から脱却させ、自立させる会社」だと考えています。

『7つの習慣』という本の中にも「依存状態から自立を経て、相互依存を目指すべきだ」という話があります。まさにその通りで、人の人生を変え、幸福にするためには、その人に成功体験を積んでもらって精神的に自立させ、他社貢献によって幸せを感じられるようにするしかありません。

そう考えた時、起業家自身に「人に喜んでもらうのが好き」「他者貢献が第一」という素養がないと、どんなにお金を儲けていても、いい会社、人を幸せにする会社にはならないんじゃないかなと思っています。

これはここ1、2年くらいで言語化できるようになった考え方です。

私自身、振り返ってみると、プログラミングをはじめとしたテクノロジー技術を教えるTECH::CAMP事業立ち上げの時も、「他者貢献によって幸せを感じる人を増やしたい」という想いは自然とあったように思います。

 

 

>第2話「2度の失敗を乗り越えて生まれた事業作りの「3つの掟」」に続く

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DIMENSION 編集長

DIMENSION 編集長

「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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