女性向けSNSメディア『Sucle』運営の株式会社FinT。大槻 祐依社長が語る「起業家に必要な3素養」とは(第1話)

SNSを起点にブランディング、マーケティング、プロモーションの戦略設計、企画立案~実行までを一気通貫で行うほか、自社で運営する「きょうのわたし、愛しいわたし」をコンセプトにZ世代の女性へ、最新の「かわいい」トレンドを発信するメディア『Sucle』のSNS総フォロワーは100万人を超える、株式会社FinT。現在の事業拠点は日本とベトナム、2024年度中にASEAN地域で2カ国進出予定。同社代表取締役 大槻 祐依氏に起業家の素養、組織づくりなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの古家 広大が聞いた。(全4話)

強みを活かす・視座を上げる・謙虚さと素直さ

ーー大槻社長にとって、起業家として重要な素養は何でしょうか。

1つ目は、強みを活かすことです。

弊社は、「みんなの強みを活かして、日本を世界を前向きに」というパーパスを掲げています。

情報が溢れている今の時代、どの起業家が何をしているのか、どのように成功しているのかを簡単に知ることができます。

ですが勝ち方を知りやすいからこそ、自分の強みは何か、それをどのように発揮するかを考えることが重要だと思います。

私自身も、自分の強みを活かして行動していますし、チームメンバーにも同じことを期待しています。

 

大槻 祐依/1995年生まれ
株式会社FinT代表取締役。1995年生まれ。早稲田文化構想学部卒。大学在学中に、FinTを創業。大手企業300社以上のSNS起点マーケティング、ASEAN進出支援を事業とする。Forbes Asia 30U30 2024選出。ASEAN JAPAN Generation Z Leaders Community日本代表(経産省主催)として、日ASEANに関する岸田首相への政策提言を担当した。

 

2つ目は、視座を上げることです。

これは、学びながら“主語を大きく”していけるかどうかだと思っています。

私が最初に起業したとき、「FinanceにhinTを」という意味で社名を株式会社FinTにしました。

当時の目標は「世の中を良くしたい」という漠然としたものでしたが、事業を進めていく中でより具体的に「日本をどうやって良くしていくか」ということについて、強く当事者意識を持って考えるようになりました。

そしてその後、「日本を前向きに」というパーパスを掲げ、そのためには「日本の力を活かして世界を前向きにしていこう」と主語が変化していきました。

このように主語を大きくしていくことで、私自身も大きく成長することができました。ですから、起業家にとって、主語を大きくし、視座を上げることが極めて重要だと感じています。

3つ目は、謙虚さと素直さです。

これらは私たちの行動指針の一部であり、社内でも日頃から学びの重要性を強調しています。素直であることは、新しいことを学び続けるために大切だからです。

例えば、私たちよりも大きな会社を築いている起業家の方とお話させていただく際、彼らよりずっと歳が下の私たちから学ぼうとされていることによく気づきます。そのように他の起業家から学ぼうとする経営者が成功していると感じています。

だからこそ、私自身も常に学び続け、謙虚に自己反省し、素直にフィードバックを受け止めることを心がけています。

お客様や従業員の方など、さまざまな人々から学ぶ必要があると感じています。

 

ーー仮に一人一つ強みを持っていても、創業時のメンバーが少ない際には、それだけでは組織運営が難しく、必要な部分が足りないという状況が生じることもあると思います。そこで、御社では創業の頃、そうした状況をどのように克服し、事業を拡大してきたのでしょうか。

新たに入社したメンバーの強みによって、会社の向かう方向が変わることはあると思います。それが会社にとってプラスである場合には、その方向へとにかく全力で進むべきだと考えています。

ただし、最初から強みを生かすことだけにフォーカスすれば良いというわけではありません。会社を成長させ、社会のために役立つ会社を創るためにパーパスを掲げていますから、そのパーパスに沿って全力で取り組むことで、自然と強みが発揮されるのだと考えています。

周囲のメンバーから指摘され、自身の強みに気付き、磨いていくことが重要だと思います。

 

学生起業であることの「強み」

ーー早稲田大学で起業家養成講座の講義を受講したことをきっかけに留学やインターンを経験し、その後2017年に起業したという記事を拝見しました。大槻社長が学生起業で困難だった点や、それをどう乗り越えたかについて教えてください。

実は、学生だからこそ難しいと感じたことはあまりありませんでした。むしろ、早く起業して挑戦し、失敗を経験できたことは、自分にとって非常に有益だったと感じています。

もちろん、就職後に自分の強みを見つけて活かし、経験を積んでから起業してチームを持つことも重要です。しかし、学生起業は何もない状態から始められる点で大きなメリットがあります。学生起業と社会人を経ての起業にはそれぞれにメリットと難しさが存在すると思っています。

逆に、学生起業だからこそ、何もない状態から考えられる部分を強みにできると良いと思います。

 

ーー起業では資金調達や外部との連携で事業を拡大する必要があると思いますが、特に“学生だからこその難しさ”などはあまり感じませんでしたか。

むしろ多くのチャンスを頂けたと感じています。

学生だからこそ、様々な人から学びを得ながら進めることができました。

現在は、資金調達においてでも、事業におけるアドバイスを求める際にでも様々なVCや起業家の方とSNSでつながることができる時代ですので、若いからこそ行動力が発揮できる部分もあると思います。

学生起業家だからこそ、様々な人に素直にアプローチして、多くのヒントを得ることができた。それが強みだったと感じています。

 

 

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古家 広大

古家 広大

早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。

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