「チャレンジではなく“ナイストライ”」株式会社FinT 大槻 祐依社長が行動指針に込めた想い(第3話)

SNSを起点にブランディング、マーケティング、プロモーションの戦略設計、企画立案~実行までを一気通貫で行うほか、自社で運営する「きょうのわたし、愛しいわたし」をコンセプトにZ世代の女性へ、最新の「かわいい」トレンドを発信するメディア『Sucle』のSNS総フォロワーは100万人を超える、株式会社FinT。現在の事業拠点は日本とベトナム、2024年度中にASEAN地域で2カ国進出予定。同社代表取締役 大槻 祐依氏に起業家の素養、組織づくりなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの古家 広大が聞いた。(全4話)

失敗しても「ナイストライ」と言い合う

ーースタートアップでは組織拡大について「30人、50人、100人の壁」とよく言われますよね。御社では何を重視して採用し、ここまで事業を成長させてきたのでしょうか。

採用のポイントについては、「謙虚さ」と「素直さ」を重視しています。

また、私たちはチャレンジ精神を大切にしていて、「ナイストライ」という行動指針を持っています。

マーケティングというのは、どれだけ挑戦を重ね、失敗と成功を積み上げることができるかが大切だと考えています。

採用面接では、その人がチャレンジしたいタイプなのかどうかを理解するために、困難をどのように経験し、それをどのように乗り越えたのかといった経験を聞くことが多いです。

 

ーー仕事で成果を出したいと働いている中で、失敗を恐れずにチャレンジするというのに抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。失敗を肯定できる雰囲気を作るための施策はありますか。

まさにそれが「ナイストライ」という言葉に表れている部分だと考えています。

私は、失敗の先に成功があるということを全社会や入社式などでメンバーへ伝えています。

「トライすることが大事」「失敗したとしても皆んなでナイストライと言おう」というメッセージを込め、“チャレンジ”ではなく“ナイストライ”という言葉を行動指針として掲げました。

ご質問に「30人、50人、100人の壁」とありましたが、私の場合、特定の壁ではなく、様々な壁があったと感じています。

人数が増えるにつれて、パーパスやカルチャー浸透、採用するべき人物など、様々な課題が浮き彫りになりました。また、権限移譲を進める中で、社内のコミュニケーションの全てを把握することが出来なくなっていきました。

それらを乗り越えるために絶対に大切にすべき軸を決定することとなり、パーパスを見直したり、行動指針を変更してきました。

自由な環境を作っていたからこそ、メンバーごとに色々な捉え方があったんだなと私自身反省しましたし、パーパスなどを変更していったことは大事だったと感じています。

 

ーーパーパスや行動指針はこれまでに何度変えられましたか。

創業当初はパーパスは無く、しばらくして初めて作成した後に一度だけ変更しました。また、今後も要所要所で見直しをしていきたいと考えています。

最初の作成は、人数が増えるにつれて、組織として向かっている方向性がわからなくなってきたため作成しました。

メンバーから「どの方向に進めばいいのかわからない」という声が上がったわけではないのですが、根本的にはその問題につながると感じたのでパーパスで定めることにしました。

その後、もっとグローバルに挑戦する方向に進むべきだと思うようになったり、日本をより良くしたいという気持ちが強まったりと視座が変わっていく中で、パーパスをより明確に表現するため、見直しを行いました。

「若い力を信じる」FinTの組織作り

ーー経験豊富なミドルシニア層の採用を進めながら事業を拡大するスタートアップ企業も多いと思いますが、一方で御社は若い人が主体の組織だと感じました。若い人が主体でも事業成長できる組織をつくるためのポイントがあれば教えていただけますか。

弊社に若い方が多いのは「若いから良い」という考え方をメインに持っているからではありません。「新しいものを受け入れ、積極的に変化を進める、チャレンジする精神が良い」と考えていて、このそういった素質を求めているからこそ、結果的に若い人たちが多いのだと思います。

会社として大切にしていることは、ナイストライができる環境を提供すること、裁量権を渡し積極的にお任せしていくことです。

優秀なメンバーが多く、裁量権を持って働けることがFinTの魅力だと言ってくれる若手社員も多いです。

一方で経験豊富な40代の方もメンバーにいて、お互いにリスペクトしあいながら働いています。

私たちの業界は特定のスキルを必要とするわけではないからこそ、若い力を信じていますし、新しい視点を持つこと、素直に学ぶこと、チャレンジすることを大切にしています。

 

ーーそういった若手の力を信じるという考え方は創業当初からあったのか、それとも途中から「若いメンバーであってもトライする気持ちがあれば成長できるのではないか」と気づき会社のカルチャーを変えていったのか、どちらでしょうか。

私は後者だと思います。

年齢を意識していたわけではなく、自分自身も若い年齢からスタートしたので、周りを巻き込んでいく中で同世代の人々が多かったんです。そこから任せていき、積極的に動いてくれる若手のメンバーが集まる組織になっていきました。

 

 

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古家 広大

古家 広大

早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。

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