#インタビュー
広告配信データ、Web・アプリ上での回遊データ、顧客情報などを集約し、LTVを可視化する独自プラットフォームを構築している、株式会社Macbee Planet。LTVマーケティングのリーディングカンパニーとしての地位を確立した同社は、今後「すべてのマーケティングを成果報酬に」を掲げ、更なる飛躍を目指している。同社代表取締役社長 千葉 知裕氏に経営者の素養、M&A成功の秘訣などについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの加藤 裕朗が聞いた。(全4話)
業界特化型アプローチとM&A
ーー後発企業としてどのように独自のポジショニングを確立されたのかについてお聞かせください。
当社は2015年に設立され、Webマーケティングの業界内ではかなりの後発企業でした。どの領域に進むにしても先発企業がいる状況の中で、我々は独自の戦略を展開しました。
前代表の小嶋は、マス向け広告代理店での経験から、認知度向上が必ずしも売上や利益に直結しないという課題を認識していました。そこで、当社は「成果報酬型」のビジネスモデルの構築に注力しました。
この成果報酬型のビジネスモデルは、確実な結果を出さなければ報酬を得られない仕組みです。
そのため、ビジネスモデルの構築にあたっては、業界特化型のアプローチを採用しました。
具体的には、幅広く全分野を対応するのではなく、金融業界と美容業界など「来店型ビジネス」に特化することで、これらの分野で一定の成果を上げることができました。
ーー業界特化について、金融業界と美容業界を選択された背景には、創業メンバーのバックグラウンドが影響していたのでしょうか。
そうですね。創業者の小嶋と、もう一人の創業メンバーである松本が、それぞれ美容業界と金融業界での経験を有していました。
彼らの専門知識と経験を活かし、これらの業界に焦点を当てたビジネスモデルを構築しました。
ーー御社の戦略には、業界特化型アプローチだけでなくM&Aの活用も含まれているようですね。2021年のAlpha社のM&Aも重要な転換点だったのではないでしょうか。
おっしゃる通りです。
当社は業界特化型アプローチが奏功し、上場することができましたが、更なる成長のためにはテクノロジーの力が不可欠だと考えました。
そこで、2021年にAlpha社をM&Aしました。
Alpha社は広告やマーケティングに精通した5〜10人規模のエンジニア集団でした。彼らの技術と当社の業界特化型マーケティングの融合が当社の着実な成長の原動力になったと考えています。
ーーつまり御社は業界特化やコンサルティング力に加え、テクノロジー企業のM&Aを通じて自社の強みをより強固なものにすることで、独自のポジショニングを築いてきたということですね。
その通りです。
「コンサルティング力で必ず結果を出す」という絶対の自信の裏側で、テクノロジーによって結果を支えていく、というような構造になっています。
インターネット広告市場の拡大と成果報酬型への転換
ーー「成果報酬型」市場の拡大についてお聞かせください。
これまでインターネット広告市場の課金体系は、固定報酬や手数料ビジネスが主流でした。
しかし、ChatGPTの出現やCookie規制に代表されるように、費用対効果を重視し、リスクを抑えたマーケティングへのクライアントニーズが急速に高まっています。
このような状況下で、市場シェアはクリック課金や手数料ビジネスから、リスクの低い成果報酬型へと徐々にシフトしています。
2020年のインターネット広告市場は約10%が成果報酬型だと言われています。
2030年には、インターネット広告市場全体の拡大に伴い、成果報酬型の割合が1.5倍から2倍程度に増加すると予測されています。
さらに将来的には、成果報酬型とその他の形態がほぼ同等の割合になるという試算もあります。
そのため、私たちは拡大を続ける成果報酬型の市場に積極的に参入し、さらにリーダーとして成果報酬型へしっかりと市場を転換していくことを掲げて事業展開を行っています。
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加藤 裕朗
関西大学卒業後、山陰合同銀行に入行。本店営業部にて、中小企業向け法人営業を経験後、みずほ銀行中国アドバイザリー部(上海)へ出向し、約2年間中国投資アドバイザリー業務に従事。その後、姫路支店での上場・中堅企業向け法人営業を経て、2024年DIMENSIONに出向。新規投資先の発掘・投資先企業のバリューアップ業務を担当。趣味は、サッカー、相撲観戦、キャンプ、釣り。
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