「世界のトップ企業を創る。」株式会社GA technologies 樋口 龍社長の “起業家に重要な3つの素養”とは(第1話)

「世界のトップ企業を創る。」というビジョンと共に、不動産業界にテクノロジーを取り入れ、イノベーションをもたらしてきた株式会社GA technologies。2018年の上場当時以来2度目の対談となる今回は、同社 代表取締役 社長執行役員 CEO 樋口 龍氏に、起業家に必要な素養や事業拡大とM&Aのポイント、今後の展望について、DIMENSIONビジネスプロデューサーの古家 広大が聞いた。(全4話)

諦めずにやり続けてきたからこそ今がある

ーー樋口社長にとって、起業家に重要な素養を3つ挙げるとしたら何でしょうか。

私が起業家にとって重要だと考える素養は、「高い志」「グリット(やり抜く力)」「素直さ」の3つです。

1つ目の「高い志」は、仲間集めに直結しています。

企業経営において、優秀な人材の獲得は不可欠です。優秀な人材とは、自律的に高い成果を出すことができる方、つまりどの企業からも求められる存在です。

数ある選択肢の中で彼らが会社選びの決め手とするのは、その会社が目指す「大きな夢や目標」があるかどうかだと考えています。

人には一人では超えられない壁が必ずありますが、高い志を持つ仲間が集うことで、その限界を超えることができる。

「この環境であれば、個々の力の総和以上の影響力を社会に与え、世の中を変えていける」と感じられることが重要であり、そのためには「高い志」を持ち続けることが非常に重要です。

2つ目の「グリット」については、私自身の学生時代の経験が原体験です。

私は18年間サッカーに打ち込んでいました。練習のひとつとして、小学校低学年の頃から毎朝6時に欠かさずマラソンを続けていました。

この継続により、中学1年生のときには陸上部員ではないにも関わらず品川区の1500m走大会に出場。見事優勝し、その後の都大会でも3位という好成績を収めることができました。

これは、サッカーのために続けた毎朝のマラソンが、思わぬ形で身を結んだ瞬間であり、成功体験として強く心に残っています。

18年間も続ければ、当然うまくいかないことは山ほどあります。しかし、継続してやり抜くことで得られるものは何物にも代えがたいものです。

仕事においても、成功することの方が少ないのは当然のことです。だからこそ、当社の『GA VALUES』には「GRIT」(やり抜く力)を掲げています。

起業当初、私は経験も実績も乏しく、数多くの失敗を重ねました。それでも挫けずにやり続けられたからこそ、今のサービスや組織があると考えています。

優秀な方ほど失敗経験が少ない傾向にありますが、どんなに優秀でも途中で諦めてしまっては価値を生み出せません。だからこそ、「グリット」は起業家に欠かせない要素の一つだと考えています。

 

樋口 龍 /1982年生まれ
幼い頃より世界的なサッカー選手を目指し、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成選手として所属。24歳でビジネスの世界へ転向し、2013年に株式会社GA technologiesを設立。2018年に東京証券取引所マザーズ(現グロース)に上場。AI不動産投資「RENOSY」の開発・運営、不動産業界向けBtoBプラットフォーム「ITANDI」の開発・運営など、不動産業界の革新に取り組む。

 

3つ目の「素直さ」について、まずなぜ「素直さ」が必要かというと、組織に長くいるほど周りからの指摘は減っていき、放っておけば「裸の王様」になってしまうからです。

そうなることを防ぐために、常に自分の間違いを認められる素直さ、そして周りのアドバイスを受け入れる姿勢が重要です。

そもそも「素直さ」について、私は4つの要素があると考えています。

  1.  相手の話を真摯に「傾聴」すること。
  2.  聞いた内容を正確に「理解」すること。
  3.  理解したことを「実行」すること。
  4.  成果が出るまで、粘り強く「継続」すること。


実は、多くの人が1や2の段階で止まってしまっています。しかし私は「素直さ」は単に話を聞くだけでなく、理解した内容を活かし、粘り強く行動し続けて初めて成立するものだと考えます。

私自身、24歳で仕事を始めた頃は、「先輩のアドバイスを文句も言わずに聞いているから自分は素直だ」と思い込んでいました。しかし実際には、行動に移せていなかったり、少しの失敗で諦めてしまうことが多かったのです。

経営においては、「人のアドバイスを受け入れる素直さ」と「行動し続ける素直さ」の両方が不可欠だと痛感しています。

 

「裸の王様」にならないため、あえて耳の痛い声を取り入れる

ーー「裸の王様」にならないために、具体的にどういった工夫をされているのでしょうか。

まず重視しているのは、社外取締役の存在です。

特に弊社では、久夛良木健氏(元ソニー・インタラクティブエンタテインメント会長)に社外取締役として参画いただいています。

久夛良木氏には、2017年の参画以降、今でも変わらず忖度ない意見を述べていただいており、この点は非常に重要だと考えています。

時には耳が痛いコメントもいただきますが、こうした率直な意見を言ってくださる存在を拒否せず、むしろそばに置くこと。これが弊社の工夫の一つです。

もう一点は、リーダーが如何にプライドに固執しないかという点です。

「部下は上司を3日で知り、上司は部下を3年で知る」という言葉があります。

部下に自分の欠点がバレていない、と考えているリーダーが多いように感じますが、部下は3日もあれば上司を見抜きます。一方、上司が部下の本質を知るのには3年かかると言われており、これは部下は基本的に本音を隠すからです。

つまり、リーダーが自身のプライドゆえに失敗を隠したり謝罪を避けたとき、周囲には必ず伝わっています。

だからこそ、失敗は素直に認め、謝罪する。このように、「プライドに固執しない」よう、自分自身を客観視し、律することを心がけています。

 

ーー久夛良木さんのような苦言を呈してくれる存在は、どのタイミングで迎えるべきだと思われますか。

当社のパーパス・ミッションは「テクノロジー×イノベーションで驚きと感動を生み、世界を前進させる」こと、そしてビジョンは「世界のトップ企業を創る」ことです。この目標を達成するためには、世界を舞台とした経験を持つ方からのアドバイスが不可欠です。

そのため、プレイステーションをゼロから立ち上げ、世界的なサービスへと成長させた久夛良木氏に参画をお願いしました。

経営体制を強化するタイミングについては、自分たちが目指す姿へ最短距離で導いてくれる人物がいるのであれば、ステージを問わず早い段階で迎え入れるべきだと考えています。

 

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古家 広大

古家 広大

早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。

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