世界初「総合型スキルマーケット」を目指すココナラの展望 ココナラ 南章行会長(第6話)

「知識・スキル・経験」といった得意を売り買いする日本最大級のスキルマーケット「ココナラ」。2012年のサービスリリース以来、順調に成長をし続け、ユーザー数190万人(2020年11月時点)を超えるなど、知識・スキル・経験を売買できる国内最大級のマーケットプレイスに成長している。同サービスを牽引する株式会社ココナラ 代表取締役会長 南章行(みなみあきゆき)氏に起業家としての素養、事業立ち上げなどについて聞いた。(全6話)

目指すは「サービス版Amazon」

ーーココナラの今後のチャレンジについてお聞かせください。

個人の知識・スキル・経験を可視化し、必要とする全ての人に結びつけ、個人をエンパワーメントするプラットフォームを提供する。

ココナラはミッションドリブンの会社なので、このミッションの実現に向かってシンプルに事業領域を広げていくことが今後の展望です。

その一例として直近の話をすると、「ココナラブログ」というサービスを今年からリリースしました。「ココナラ」が1対1の関係性においてスキルをカスタマイズして提供するプラットフォームだったのに対して、「ココナラブログ」はコンテンツを不特定多数の人に対して販売するプラットフォームです。

我々のチャレンジはあらゆる人が自分の強みや経験、価値に気づき、それを活かして活躍できるようにしていくことです。いろんな形でその手段を用意し、愚直に改善を繰り返していくことが今後の展望ですね。

 

ーー事業から組織にいたるまで、すべてミッションドリブンを貫かれていますね。

それが無くなったら、ココナラではなくなる。そう言い切れるほど、すべてのサービスやアクションの根底にはミッションがあります。

一方で、ビジネス視点での事業戦略は、当然ながら別で持っています。それが「サービス版Amazon」を目指すということ。

総合型スキルマーケットは未だ世界のどこにもありません。その第一号になることがビジネス視点での大きな戦略です。

 

ーーなぜ「総合型スキルマーケット」はこれまで生まれてこなかったのでしょうか?

サービスをオンラインで売り買いしようとしても変数が多すぎてマッチングしない、というのが一番の理由です。もちろん多くのスタートアップが世界中でチャレンジしていますが、未だにブレイクスルーに至っていません。

我々はマッチングを成立させるために、オンラインに限定することで時間と場所の概念を捨て、創業当初は価格の概念まで捨て、変数をシンプルに絞り切ることでサービスを拡張してきました。そうやって十分にスケールさせた上で価格、そして場所の概念も徐々に解放し始めています。

創業当初から「サービス版Amazon」という広大な青写真は描いていましたし、戦略通りにステップを積み重ねてきました。

「困ったことがあればココナラに行けば必ず解決する」というような安心感を買う側の人にも与えられるよう、着実に戦略を実行しています。

 

すべては「自分を深く知る」ことから

ーーあらためて、南さんが起業されたきっかけについてお聞かせください。

私は「起業したい」と思ったことが無いんですよ。むしろしたくなかった。

父親が事業経営をやっていて苦労しているのを見ていたので、私はそういう人をサポートしたいという思いで銀行・投資ファンドで企業再生のキャリアを選んできました。

ただ転機となったのは、NPOを2つ立ち上げたことです。別に起業したかったわけではないのですが、「面白いからやりたい!」という感じで立ち上げてみると、それがすごく楽しくて。加えて、世の中の課題に対する感度が非常に上がりました。

そして自分のやりたいことのスケールが大きくなるにつれて、タイミングと経験などが偶然マッチして、起業という方法にたどり着きました。あくまで「ミッションドリブン」で会社を作りましたし、その方が私に向いていたのだと思います。

逆に「良い会社を作りたい!」「何か社会にインパクトを出したい!」という人は、「バリュードリブン」で始めた方がいい。それが価値観に合っているからです。

繰り返しになりますが「自分への深い理解」からすべてはスタートするのです。

 

ーーありがとうございます。では最後に、読者である起業家予備軍、若手起業家のみなさんへメッセージをお願いいたします。

起業したい人、起業ではなく経営者になりたい人、あるいは「とにかく自分の人生を満たされたものにしたい!」と思って働いている人はすごく多いと思います。

キャリアで成功するためにすごく大事なことは「自分自身を深く知る」ことから始まると思っています。

自分が本当にどんなモチベーションで生きているのか、どんな社会を作りたいのか。「こんなこと出来たらかっこいいな」「こういう生活したいな」とかいうことではなく、「自分自身にとっての本当の幸せって何だろう」「一番グッとくることはなんだろう」ということだけを見続けてください。

そうすれば自然とそれが起業に繋がる人は繋がるし、ビジネス設計のベースにもなるし、幸せな働き方も自然と見えてくるのかなと思ってます。

起業も経営もビジネスパーソンとして生きることも、自分自身が幸せに生きるための一つの手段でしかありません。なのであまり形に捉われることなく、とにかく「自分自身の深い部分」を見つめることを大事にしてください。

一方で、ただ見つめるだけでは見つからないこともあります。そんな時は、とにかく目の前にある「グッとくること」を本気でやってみてください。そうすれば「自分自身を深く知る」きっかけになると思います。

皆さん頑張っていただけたらと思いますし、もしまだ「本当にやりたいこと」が見つかってないということであれば、是非ココナラに来ていただいて一緒に働きましょう。そんな皆さんをお待ちしています。

 

 

 

>第5話マイクロマネジメントを必要としない組織の作り方 ココナラ 南章行会長

 

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DIMENSION 編集長

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「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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