#起業
起業家のためのLinkedIn活用術 第1話 基礎知識
はじめに
皆さま、こんにちは。独立系国内ベンチャー投資ファンド DIMENSIONの巻口と申します。
本コラムでは、スタートアップ創業者や起業準備中の方々向けに、ビジネス特化型SNS「LinkedIn(リンクトイン)」の活用方法についてお伝えしていきます。
私が約2,000名のLinkedInフォロワーを持つようになった今日に至るまで、試行錯誤を経て見出した知見やノウハウを基に、LinkedInならではのプロフィール作成や交流の仕方などといった基礎的な情報から、自己ブランディングにつながるような応用テクニックまで、幅広い情報を数回に分けてお話しさせていただく予定です。
これからLinkedInを始めたい方、より効果的に活用したい方に、他では得られないスタートアップ特化の実践的な情報をお届けしていきます!
私のLinkedInプロフィールを参考例としてシェアさせていただきます。実際にどのようにプロフィールを構築し、ネットワーキングを行っているのか、ぜひご覧いただければと思います。
LinkedIn – ただの転職ツールだと思っていませんか?
簡単にいうと、LinkedInはビジネスパーソンに特化したSNSです。
ユーザーは自身のプロフィールを作成し、職歴やスキルを公開することができ、他のユーザーとつながり、業界の最新情報を共有したり、キャリアに関する機会を探したりすることが可能です。
また、企業も採用活動や情報発信にLinkedInを積極的に活用しており、世界中のビジネスプロフェッショナルが利用する、オンライン上の名刺交換や情報交換の場として機能しています。
LinkedInといえば、これまで日本では主に外資系企業への転職ツールとしてのイメージが強く、国内スタートアップ界隈においての利活用があまり進んでいませんでした。
しかし、利用ユーザー数の増加とあわせて世間一般に定着しつつある今、他SNSとあわせてLinkedInを併用する起業家や投資家も増えてきていると実感しています。
LinkedIn – ビジネス展開の新たな舞台
ビジネスの世界がますますグローバル化する中、LinkedInはその進化を後押しする重要なプラットフォームとして台頭してきました。
海外ではビジネスパーソンの間で既に広く普及しており、国際的なネットワーキングや情報交換の場として欠かせない存在となっています。
特にグローバルな展開を視野に入れる起業家にとっては、LinkedInでのプレゼンス確立が事業成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。
しかしながら、日本国内ではまだFacebookやXといった他のSNSが主流であり、LinkedInの真価が十分に理解されていない状況です。
この認識の差は、LinkedInを効果的に活用する日本の起業家にとって、競争優位性を生み出す機会となる可能性があります。
特に、国際展開を目指す企業や、グローバルな人材とのネットワーキングを重視する起業家にとっては、早期にLinkedInの戦略的活用に取り組むことで、大きなアドバンテージを得られるでしょう。
印象に残るプロフィール構築法
LinkedInのプロフィールは、あなたのビジネス上の「顔」となります。潜在的な共同創業者や従業員、ビジネスパートナー、そして投資家など、多くの利害関係者に向けて、あなたのビジョン、スキル、経験、将来の可能性などを効果的に伝える重要な場所となりますので、以下の項目を丁寧に書き上げてみましょう。
■プロフィール写真と背景写真
写真はあなたの第一印象を大きく左右します。プロフィール写真にはプロフェッショナルながらも、個性や事業の特徴を引き立てるような写真を選び、背景写真には企業ロゴやサービスのイメージを取り入れてみると効果的です。
■ヘッドラインとサマリー
あなたのキャッチコピーともいえるヘッドラインは極めて簡潔に。
30-50文字程度で、役割と専門性を端的に示したうえであなたの核心を捉えるよう意識してみてください。
サマリーは最初の2-3行で訪問者の興味を引くような文章構成にすることがオススメです。
全体でも200-300文字程度に抑え、解決したい課題や目指す未来像などについて書いてみてください。読み手の時間は限られていますので、簡潔で魅力的な表現を!
ちなみに、私の場合は職業柄、国内外で多くの方々と繋がっておきたいため、サマリーはあえて英語で一行に留めています。
■経歴・スキル・実績欄
ここではあなたの強みとなる実績を簡潔に示し、過去の起業経験や重要なプロジェクトの意義、学んだ教訓に焦点を当てましょう。
成功事例や挑戦を記載することで専門知識とリーダーシップを示すこともできます。
目的志向のネットワーキング
プロフィールが完成したら、いよいよネットワーキングの開始です。
スタートアップ界隈では人脈が成功の鍵を握ることも多いため、LinkedInでのネットワーキングを戦略的に行うことで、ビジネスチャンスを今以上に増やせるはずです。
ここで最も重要なのは、明確な目的意識を持つことです。目的が明確であればこそ、効果的なネットワーキング戦略を立てれて、そこから得られる価値を最大化できるからです。このアプローチについては、後ほど詳しく解説していきます。
■ユーザーの検索方法
LinkedInの強みは、起業家やスタートアップ関係者にとって非常に有用で高度な検索機能を有していることです。
他のSNSと比べ、ビジネスに直結する詳細な条件設定が可能でして、以下のような検索フィルターを活用することができます。
・ 業界 :自社の領域や、進出を検討している分野の調査
・ 職種 :共同創業者、アドバイザー、エンジニアなどの必要な人材のソーシング
・ 企業規模 :ターゲットとする顧客層や競合の分析
・ 地域 :ローカルマーケットでの展開や、海外進出の際の調査
・ 会社名 :特定の企業の意思決定者や、競合他社の動向モニタリング
・ 学歴 :同窓生ネットワークの活用や、特定のスキルセットを持つ人材の発掘
さらに、過去の職歴や所属していた会社名からも検索可能で、類似のスタートアップ経験者や、大手企業出身者など、特定のバックグラウンドを持つ人材を見つけるのに役立ちます。
このような検索機能を活用することで、潜在的な投資家を探す際にはVCや関連する業界でのフィルターを活用し、戦略的パートナーシップを模索する場合は補完的なスキルや経験を持つ人材を検索することなどが可能となるのです。
最初は様々な検索条件を試してみて、自分のビジネスニーズに最適な組み合わせを見つけていくのが良いでしょう。
効果的な検索戦略を立てることで、スタートアップの成長に不可欠な人脈構築や事業機会の発見につながります。
■ユーザー同士の交流方法
興味のある人物を見つけたら、「つながる」か「フォロー」するかを選択することになりますが、この二つには重要な違いがあります。
「フォロー」は、投資家や業界のリーダーの動向を追跡したい場合に適しており、彼らの投稿やアクティビティをチェックし、市場トレンドや新しい機会を把握するのに役立ちます。
一方、より積極的な関係構築を目指す場合は「つながる」ことを選びましょう。
共同創業者や初期メンバー候補、潜在的な投資家、戦略的パートナーなど、直接コミュニケーションを取りたい相手には「つながる」リクエストを送ってみてください。ただ、このリクエストを送る際は、あなたの起業アイデアや相手の経験から学びたい具体的な点について、簡単なメッセージを添えるのも良いかもしれません。
■心構え
LinkedInを活用した効果的な人脈作りの核心は、明確な目的意識です。
シード期であれば、共同創業者や初期メンバーの探索に。
製品開発期であれば、業界専門家や技術アドバイザーとのつながり構築に。
市場参入期であれば、潜在的な顧客や協業先の開拓に。
そしてスケールアップ期であれば、我々のような投資家との関係構築に。
皆さんの置かれている状況やニーズに応じて、適切なターゲットを設定し、戦略的にネットワークを構築することを心掛けてみてください。
また、LinkedInでのネットワーキングは即効性のあるものではないことを理解しておく必要があります。
有意義な関係構築には時間がかかるため、短期的な利益だけでなく、長期的な視点を持って粘り強く取り組むことが大切です。
私は、この目的を基点とした戦略的なアプローチが、LinkedInを通じたネットワーキングをスタートアップの成長における重要な成功要因に変えていくと信じています。
目的を明確にし、一貫性を持って取り組むことで、ビジネスチャンスを最大化し、スタートアップの飛躍的な成長につながる可能性を高めることができるはずです。
おわりに
日本のスタートアップ界隈での存在感はまだ限定的なLinkedInですが、海外進出を目指すスタートアップはもちろんのこと、起業初期の方やこれから起業を考える方にとっても、有益な機能を多く備えたプラットフォームですので、上記書き出したポイントを参考にしながら、ご自身のLinkedIn上でのプレゼンス向上に役立てて頂ければと思います。
今回はLinkedInの基礎的な説明となりましたので、次回以降はコンテンツ戦略を基点としたLinkedIn上のご自身のブランドの構築方法について、実例を用いながらお伝えする予定です。乞うご期待を!
もしまだLinkedInを持っていない方がいらっしゃれば、以下よりアカウントを作成してみてください!
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