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#起業家の素養
先達に学ぶ -第19回 伸びる企業の定石-
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皆様、こんにちは。
国内ベンチャー投資ファンド・DIMENSION(ディメンション)の代表取締役の宮宗(みやそう)と申します。私共の起業家向けメディアDIMENSION NOTE(ディメンション ノート)に目を通して頂き、ありがとうございます。
私自身2002年からスタートアップへの出資・支援を行うようになり、累計9社の上場/MBOに携わってきました。また19年間で様々な起業家や経営者と仕事をしてきましたが、経営はある事を行えば必ず成果が出るという単純なものではありません。一方、自分よりステージが上で上手く経営推進・事業拡大されている企業や起業家・経営者の方からの「学び」、そしてその「具現化」を継続していれば、成果出しの確度は高められると、数多くの起業家を見てきた専門家として確信しています。
2021年4月から、私共DIMENSIONメンバーが定期配信を始めた「起業ノウハウ」では、下記を中心に、取り上げていきます。
今回は、上場されている起業家の方々にインタビューをさせて頂き抽出した「上場後の継続成長」のエッセンスをご紹介します。インタビューは2014年に行ったのですが、そこで得た示唆は、今も有効だと感じています。
私自身、2006年から起業家との勉強会(=メンバー17名中、10名が上場)を主催しているのですが、その会のメンバーから次の3つの要望をもらいました。
それをキッカケに、2014年に様々な業界・事業ステージ・ビジネスモデルを志向している上場社長にインタビューを行いました。その結果、継続成長できている企業や株式市場から時価総額1,000億円以上の高い評価を得ている企業には、次の共通点がある事に気づきました。
上記の一例として、眼鏡ブランド「JINS」を手がけるジンズホールディングス代表取締役CEOの田中仁氏の取り組みをご紹介します。
ジンズホールディングスは、直近の時価総額1,863億円(2021年5月21日時点)、売上603億円、営業利益56億円(2020年8月時点)と着実に事業を伸ばし、巨大成長市場の中国でも162店(2020年6月時点)を出店するなど大きな成果を上げられている1社です。
そんなジンズホールディングスも、2006年大証ヘラクレス上場後は2年連続赤字を計上。リーマン・ショックも起こり時価総額も数十億円に低迷するなど、大変苦戦されていました。
2008年12月、ジンズホールディングスの田中社長はファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正さんにお会いになり、経営相談したところ
と詰問され、その場でうまく答えられず、
という柳井さんの痛烈な言葉に、大きく考えさせられたそうです。
柳井さんの言葉を受け、心を入れ替え、仕事に全力投球することを田中社長は決意。ご自身で熟考を重ねつつ、経営陣との合宿などを通じて、「志」や「ビジネスモデル」再定義し、商品や組織構造の抜本改革を実施。テストマーケティングで感触を得た商品「JINS PC(現JINS SCREEN)」をいち早く市場に投入します。大量仕込み、大量出店、初のTVCM、新価格の設定などもありJINS PCは大ヒット。4年後に眼鏡販売本数・日本一を達成し、現在の快進撃に繋がりました。
この田中社長の決意と取り組みは、上記スライドの「上場後の継続成長:要旨 時価総額1,000億円に到達した企業のTop/経営陣には、共通点がある」2)の「大胆な施策の実行」になります。会社の存亡をかけ、田中社長を先頭に、勇気が必要なことに全力で取り組み続けたからこそ、今の国内No1の地位を築けたのだと確信しています。
DIMENSIONは、「真摯に経営に向き合う起業家」への出資・支援に取り組むことで、より良いスタートアップが生まれる環境づくりに注力していきます。次回も、事業を大きくされた起業家のエピソードをご紹介します。
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