先達に学ぶ
起業家のためのLinkedIn活用術 第2話 効果的なコンテンツ戦略
はじめに
皆さま、こんにちは。独立系国内ベンチャー投資ファンド DIMENSIONの巻口です。
本コラムでは、スタートアップ創業者や起業準備中の方々向けに、ビジネス特化型SNS「LinkedIn(リンクトイン)」の活用方法についてお伝えしていきます。
私が2,000名以上のLinkedInフォロワーを持つようになった今日に至るまで、試行錯誤を経て見出した知見やノウハウを基に、LinkedInならではのプロフィール作成や交流の仕方などといった基礎的な情報から、自己ブランディングにつながるような応用テクニックまで、幅広い情報を数回に分けてお話しさせていただく予定です。
第1話では、LinkedInの基本的な使い方から入り、用途に見合ったプロフィール作成のポイントについて解説しました。
使い方次第では、皆さんのブランドを築くための強力なツールになり得ることもご理解いただけたのではないしょうか。
今回は、LinkedInを活用するうえで、特に重要な「コンテンツ戦略」について、お話していきます。
前回同様、私のLinkedInプロフィールを参考例としてシェアさせていただきます。実際にどのように投稿をしているのかなど、本コラムと照らし合わせながらご覧いただければと思います。
Kenji Makiguchi | LinkedIn
コンテンツ配信はストーリーテリング
LinkedInはX (旧Twitter) のように高頻度で投稿する必要性はない一方で、一つ一つの投稿に対するウェイトがより重いと感じています。
そのためにも、質の高いコンテンツをいかに効果的に配信するかが重要になってきます。
私がここで言うコンテンツとは、単なる事実の羅列ではなく、感情や経験、そしてそこから得た学びを織り交ぜて仕立てたストーリーです。
言い方を変えれば、コンテンツ配信者として求められているスキルは「ストーリーテリング」とも言えるでしょう。
自社紹介投稿を書く際には、創業の背景やビジョンにまつわるエピソード、自分自身の成長や経験が現在のビジネスにどう影響を与えているのかを振り返るストーリーを盛り込み、単なる事業説明で終わらず読み手を引き付けられるようなコンテンツ作成を常に意識してみてください。
効率性を意識したコンテンツ発信
とはいえ、皆さんの時間は有限です。コンテンツにいくらこだわりたくても、内容作成に何時間も大量投下することはおすすめしません。
コンテンツの質を保ちながらも、効率的に発信する方法を見つけることが必要です。内容を簡潔にすることはできますが、それだけでは根本的な時間削減にはなりません。
一定頻度以上の投稿ペースを維持しながらも、かける時間は最小限にしたいのが正直なところです。
そんな忙しい日々の中でコンテンツのアイデアとなるような、私自身が実践している具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 定期的な投稿スケジュールの設定: まずは習慣作りです。週に2〜3回の頻度で投稿するスケジュールを組み、それに基づいて投稿をしてみてください。一定のリズムを持つことで、様々な人の目に留まる機会が増えるのはもちろんながら、何よりも自分自身への意識づけに有効です。私は週の初めと終わりに1投稿ずつするよう心掛けています。
2. ひらめきの即時キャプチャ: 日々の業務や経験から何かコンテンツ案を得た際には、すぐにメモを取る習慣を持ちましょう。こうしたメモが後の投稿アイデアとなり、無理してコンテンツを生む必要性を最低限に抑えることができます。
3. コンテンツのシリーズ化:何か特定テーマに基づいた数回に渡るシリーズ系を企画することで投稿コンテンツを確保することも有用です。最初の交通整備に一定時間を費やす必要はありますが、事前準備さえ徹底すればあとは定番コンテンツ化するのを待つだけです。
私はこのような小さな取り組みをLinkedInのコンテンツ戦略に取り込むことで、ここ数カ月は安定したコンテンツ発信を維持できています。
もちろん、投稿することに対して負担を感じ、マイナスな感情を抱いてしまっては本末転倒ですし、どうしても投稿ができない場合もあるかと思います。少しずつで良いので、ご自身のやり方にこれらを織り交ぜながら試してみてください。
きっと効果は表れるはずです。
コメントをすることも戦略のうち
ここまで、LinkedInでの投稿を中心にした一方通行のコミュニケーション方法についてお話ししてきましたが、SNSという特性上、双方向のコミュニケーションも駆使するとより効果的です。
具体的には、自分の投稿についたコメントに対する反応や、他ユーザーの投稿へのコメントなどがありますが、ここで大切なのは「自ら」積極的な交流を行うことです。
対面では初対面の人に声をかけるのは勇気がいりますが、LinkedInでは知らない人の投稿にコメントすること=新しいユーザーにあなたの存在を知ってもらうチャンスです。
業界トレンドに関するディスカッションに積極的に参加し、参考になったと思う投稿に対しては、投稿者を知らなくてもコメントを残してあげてください。
議論の延長線上ではあるものの、皆さんの持つ独自な視点や専門知識はコンテンツであり、これを「コメント」という形式で残すのも立派な戦略なのです。
また、自分の投稿に寄せられたコメントにはすばやく反応しましょう。双方向のやり取りを重視し、積極的に関与することで、より広いネットワークとのつながりを深められます。
さいごに
皆さんは、LinkedInの「Top Voice」と呼ばれる称号をご存知でしょうか。
これは、LinkedIn上で特に影響力のあるコンテンツを発信しているユーザーに与えられる称号で、日本人のユーザーでもこの称号保有する方は年々増えてきています。
Key Opinion Leader (KOL) になるには、前提として大手企業の重要役職に就いている、もしくはこれまで相当のキャリアを積んできた方が大半を占めているので、全員この称号を手に入れるわけではありませんし、本コラムの目的は皆さんをそのようなポジションに導くためのものでもありません。
ただ、現に「Top Voice」と呼ばれる方々のLinkedInの使い方は参考になる部分も多いはずなので、是非お時間がある際にプロフィールを訪問してみて、自分の日頃のコンテンツ戦略との違いや共通点など、見比べてみるのも良いかもしれません。
いかがでしたでしょうか。今回は私自身が行っている具体的な取り組みも入れながら、様々な形でのコンテンツ戦略の在り方についてお話してきました。
繰り返しますが、重要なのはLinkedInでの活動を一貫して続けることです。毎日投稿する必要はありませんが、例えば週に1~2回程度の質の高い投稿から始めてみてください。
また、自分の投稿へのコメントに対する返信や他の投稿へのコメントも心掛け、他のユーザーとの対話も大切にしてください。
次回はついに上級編に入っていきます。どうぞお楽しみに!
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