「映像から未来をつくる」というビジョンを掲げ、家から街までをデータ化し、インフラとなるべく、あらゆる⼈やモノの意思決定に役に⽴つプラットフォームを目指すセーフィー株式会社。クラウドカメラ市場において圧倒的国内Topシェアを誇り、2021年に東証マザーズ(現:東証グロース)へIPOも果たした。同社代表取締役社長CEOである佐渡島 隆平氏に、事業戦略や組織づくり、将来展望などについてDIMENSIONビジネスプロデューサー黄がお伺いした。(全4話)
ステージごとに組織を作り変える
ーー3名で共同創業されたかと思います。複数名の創業者間での意思決定・役割分担で意識されていたことや、意見の相違が発生した際の向き合い方などお聞かせください。
実は大学時代に起業した会社で共同創業にまつわる失敗体験があります。
当時は3人で100万円ずつ出しあって有限会社という形で会社を作りました。でも意見が割れたときに、意思決定者が明確でないと収集がつかなくなる、ということがあったんです。
なのでセーフィーを創業するときは3人で話しあい、最終意思決定者は社長であること、意思決定者を先に決めた上で出資割合を決めるということをしました。
私たちの場合、エンジニアリングをする2人とそれ以外を全てやる私、という役割分担でしたので結果的に私が意思決定者を担いました。
ただ私の考えとして、いいプロダクトを作ってこそ、いいイノベーションが起きてくると考えているので、彼ら2人の意見はできるだけ尊重して経営してきました。例えば、初期の人材採用に関しては3人が合意しないと採用しないといった具合です。
当然、価値観が3人で異なるので初期の採用は苦労はしたのですが、それだけいいエンジニアが初期に揃いました。ハードウェアの中に入る組み込みソフト、さらにはサーバーシステム、ウェブアプリケーション、管理ソフトウェアにいたるまで多岐にわたる技術スタッフが一気に目的に向かって走ることができたのは、採用のおかげだと思っています。
カルチャーを明文化したのはだいぶ後ですけども、カルチャーも創業メンバー3人の考え方をもとにカルチャーを合意形成して作ったことはすごく良かったと思っています。

ーー上場後に人事変更もされています。
そうですね、元々CTOを勤めていた下崎に代わり、森本がCTOを勤めています。
下崎は非常にたくさんのヒット商品を作ってきたエンジニアですが、本人の意向として大きな組織を束ねるのではなく、0から1を生み出し続けたいというものがありました。0から100億円くらいまでの規模は良くても、100から1000億にするフェーズに強いパッションを感じられないというイメージです。
だったらやりたい自分の人生を描くべきだということを話し合い、もう一回自身で独立してスタートアップを立ち上げ、我々もそこにご出資させてもらってます。
ステージごとに経営者はどんどん変わっていくことも大事だというふうに思っていて、トップマネジメント自身が変わってみんなを変えていくことも一つの選択肢ですし、逆に変わりたくないのであれば、自身が変わらなくても良い環境に身を置いていくということかなと思っています。
ーーステージごとに組織作りは意識されてきたのですね。
私と森本・下崎の共同創業者3人はそれぞれやりたいことが明確です。ビジョンに対して素直ともいえるでしょう。
一方で、組織人としてはポンコツで(笑)。どちらかというと組織や人に対しての関心は元来薄いタイプだったので、人が増えていくにつれてそこは変えていかなくてはなりませんでした。
私の中では「30人」というのを一つの目安にして組織マネジメントを考えています。というのも学校のクラスってだいたい30人ぐらいじゃないですか。算数を教えるのが上手い先生がいたとしても、全クラスに算数を教えてもらうのは大変ですよね。
俗に言う「30人の壁」「100人の壁」「300人の壁」があると思うのですが、私は難しく考えずに、むしろ小学校の運営など、大規模な人数で構成されている運営体を参考にやったらいいのではないかと考えています。
人間の認知って広いようで狭いので、認知が届いて全体が最適化するように組織を作っていく方が絶対に全体最適になっていくと思っています。

事業戦略遂行の手法自体がカルチャー
ーーCEO直下にカルチャー&コミュニケーション室を設置されています。珍しい組織形態にも思いますが、その経緯や思いをお聞かせいただけますか?
当社は現在700人規模になってきています。当然ながら、部門最適ばかりやっているとバランスが崩れてくる規模感です。
私たちのビジョンは「映像から未来をつくる」というもので、映像のデータによって人の意思決定を変えていくような、さらにはAIによって様々な業界が良くなっていくような未来を描いています。
これは、ビジョンであり、実は事業計画なんです。
「映像から未来をつくる」とは、「家から街までデータ化し、人の意思決定に役に立つ」という定義をしていて、そのROIの高い順番に、小売、建設、インフラ、製造という形で業界攻略していっています。
そもそもこのビジョンと事業戦略の根幹を考えるのは社長なり経営陣ですよね。事業戦略を遂行するために大事とする行動指針を、このPDCAに置いてるんです。

例えば理想を語ってから逆算して仕事する「夢を語りまきこみをやりきる」。
やるからには大胆に挑戦する「先義後利」。
才能の違う人たちが一体となる「異才一体」。
やって迷ったら机の上で議論せずに現場でまずは検証する「迷った時はやってみる」。
現場でやったはいいけどお客さんの想像を超えてないプロダクトでは一円ももらえない「想像を超えろ」。
良いプロダクトを出したとしても現場では線が切れたり雷が落ちたりとかいっぱい起きます。でも、それを自分のせいでは無いと言い出したらお客様が困りますよね。なのでそれを「超自分ごと化」する。
でも、全てを「自分ごと化」しまくっていたら超ブラック企業になりますよね(笑)。だったら餅は餅屋でやるべきだというので、我々も最近工事会社を設立するなど、専業の人をどんどん作って「三方よし」になる仕組み化をしています。
このPDCAをぐるぐる回していると、いつの間にか「映像から未来をつくる」という我々の事業計画でありビジョンに近づいていく、というカルチャーの構成になっているんです。
事業戦略遂行の手法自体がカルチャーになっているので、行くべきゴールと実践するための考え方を社長直下のチームで作って、浸透を図っています。
カルチャー浸透のためには、例えば1年に数回全社集会を企画したり、「Safie Future Resolution Summit(レゾサミ)」といってお客様にお越しいただく招待制のカンファレンスを企画したり。文化を作るような行動になるようなイベントや発信を社長直下部隊としてするようにしています。
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Shiori KAJI
After graduating from the University of the Arts London, she joined Recruit Lifestyle as a new graduate, where she was responsible for magazine editing and content planning. In 2020, she joined Tokyo Calendar, where she specialized in social media marketing. In 2026, she joined DIMENSION, where she is responsible for external relations and public relations.
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