#マーケティング
中国を皮切りに世界市場での成長を支えるプラットフォームサービスを提供する株式会社NOVARCA。同社代表取締役社長CEO 濵野 智成氏に経営者の素養、越境ビジネスなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの古家広大が聞いた。(全4話)
ビジネスの原理原則「真摯さ」
ーー濵野さんにとって経営者に重要な素養を3つ挙げるとしたら何でしょうか。
1つ目は「真摯さ」です。誠実さと言い換えてもいいかもしれません。
2つ目は「頼る力」。自分だけで全てができると思わずに、仲間を頼れるかどうか。
3つ目は「結果を出す力」、エグゼキューション力が大事だと思います。
濵野 智成(はまの ともなり)/1985年生まれ
大学卒業後、デロイト・トーマツ・グループに入社。グループ最年少のシニアマネージャーとして東京支社長、事業開発本部長を歴任。2015年、株式会社ホットリンクに参画後、COOとしてグローバル事業、経営企画、事業開発、戦略人事、コーポレート部門を統括。新規事業として立ち上げた株式会社トレンドExpress(現:株式会社NOVARCA)をカーブアウト型で分社化し代表取締役社長に就任。現在に至る。
ーーそのようなお考えになった原体験はあるでしょうか。
もともと私自身が商売人の家系で育ち、親から商売とは「誠実さ」が大事だという教育を受けていたこともありますが、やはりビジネスで重要なのは信頼関係だとつくづく思います。
DIMENSIONさんから投資をいただいたことも、宮宗さん(DIMENSION社長)とこれまでの5年間で蓄積してきた信頼関係があってこそだと思います。
お客様や株主、社員との信頼関係があって初めてビジネスは上手くいく。「真摯さ」なくしてビジネスは成り立たないということを、原理原則として大事にしています。
「頼る力」に関しては、過去には自分でやったほうが最もパフォーマンスが出ると奢った考えを持っていた時もありました。しかし、やはり自分の出来る事は限られていますし、自分が頼りにしているパートナーがパフォーマンスを発揮してくれた時に、1+1が3にも5にも10にもなっていった体験がありました。
自分にしかできないことにやることを絞り、自分でなくても出来る事を任せていこうというスタンスこそが、事業も拡大し、組織も拡大していくために必要だと思っています。
FOCUS RESULT
ーー「結果を出す力」はなぜ重要なのでしょうか。
「この人について行きたい」と思われる人って、最終的に頼りになる人物だと思うんです。
例えば野球でも「この人だったら逆転満塁ホームラン打ってくれる」みたいなスター性がある人物がいますよね。
それはプレッシャーがどんなにあっても結果を出せるとか、結果が出るまでこだわり尽くすからなんだと思います。
最終責任者である経営者、リーダーというのは結果が出せるからこそ投資家もついてくるし社員もついてくる。なので、いざ最後のパスをもらった時に決められる人間であるかどうか、というのは大いに素養として必要だと思います。
弊社のコーポレートバリューの中に「FOCUS RESULT」というものがあります。結果にフォーカスしよう、という意味です。
どんなに優れた社内制度を整備したり、明るいカルチャーを育てようと思っても、結果が出なければ雰囲気は悪くなってしまうものです。
もちろんプロセスも大事ですが、常に結果にこだわっています。経営者がそれを率先して体現することが、結果的に良い会社を作っていくのだと思います。
また、この「FOCUS RESULT」というバリューには、自分自身に対しての結果だけではなく、ステークホルダーに対しても成果を示し続けるという意味も含まれています。
お客様の結果を出すことにこだわる、これはコーポレートカルチャーとしてすごく大事にしている部分ですね。
ーーステークホルダーを含む全体として結果を出し続けることによって、チーム全体が相乗効果を生む、そんなイメージでしょうか。
弊社の場合、大企業が多いですが、株主や投資家、クライアントも「勝ち馬に乗りたい」と思うと思います。
「勝ち馬に乗れば自分も一緒に輝ける」という雰囲気や、コーポレートカルチャーを作ることは非常に重要だと考えています。特に勝つ、あるいは勝てることに対しては、強くこだわりを持っています。
先日、シリーズAから投資していただいてるDNX Venturesの倉林さんから、大変嬉しい言葉をいただきました。「2017年のシリーズAの時に立てた事業計画と2022年末の事業実績がほぼぴったり一致している」と。
シリーズAでは、事業計画を盛ることも少なくないと思いますが、弊社の場合、事業モデルの中身は変わったものの、目指していた事業計画とほぼ一致する状態にまで到達しています。
こういったトラックレコードがあるからこそ、信頼していただける。また、過去の年月や継続年数があることで、応援され続けるのだと思います。
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古家 広大
早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。
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