#インタビュー
SNSを起点にブランディング、マーケティング、プロモーションの戦略設計、企画立案~実行までを一気通貫で行うほか、自社で運営する「きょうのわたし、愛しいわたし」をコンセプトにZ世代の女性へ、最新の「かわいい」トレンドを発信するメディア『Sucle』のSNS総フォロワーは100万人を超える、株式会社FinT。現在の事業拠点は日本とベトナム、2024年度中にASEAN地域で2カ国進出予定。同社代表取締役 大槻 祐依氏に起業家の素養、組織づくりなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの古家 広大が聞いた。(全4話)
日本を前向きにしたい。
ーー御社は4月に、「日本企業をASEANで勝たせ、日本を前向きにするグローバル企業を目指す」というリリースを出しました。その背景にある想いと、どのようなプロセスを経てこのような方針を決めたのか教えていただけますか。
私は現在、日本を前向きにしたいと強く感じています。
シンガポールでの留学経験や、グローバルにチャレンジしていく中で、日本のプレゼンスが低下していることを強く感じています。
かつては日本企業や日本商品が海外で多く見られ、多くの人々が日本に期待を寄せていました。
しかし、今ではその期待値が徐々に低下しており、日本の若者たちもそれを感じています。
また、私たちは大きな力を持っているのに、その力を全力で発揮できている人が少ないとも感じています。
私たちはそう感じている人々の代表として、日本の良さを国内外で広め、世界に挑戦する企業と共に日本を盛り上げていくことを目指しています。
デジタルやSNSの部分で課題がある企業と伴走しながら、世界に挑戦できる企業を増やしていくことで、日本を盛り上げていきます。
昨年、私たちはベトナムに進出し、現在も新しい国への挑戦を試行錯誤しながら進めています。
グローバルでも若くてパワフルなメンバーを採用し、優秀な方々と共にチームを組んで進めていることにワクワクしています。
ーーSNSマーケティングの企業は、ある種自分たちだけではなく、顧客である他の企業を勝たせる会社、という立ち位置かと思います。グローバル展開ではどのように伴走して、その企業を勝たせるのか、何か特定の仮説や方針はありますか。
海外でも既に多くの人々がSNSを活用しており、特に若い人口が多い地域では当たり前にSNSを使用しデジタル化やEC化率も高まっています。
かつて日本の企業が得意としてきた販路拡大を、私たちがデジタルマーケティングでサポートできると考えています。
InstagramやTikTokのアルゴリズム、人々が何を求め、どのようなものが注目されるかというプランニングはグローバルで変わらず、日本で培ってきたものが活かせます。
なのでメンバーのトレンド把握力といったこれまでの弊社のノウハウを活かしながら、ローカルで強いチームを作っていき戦っていくのが私たちの方針です。
進出して1年経ったベトナムでは、TikTokを運営するByteDanceベトナムからの転職者など、9割以上がベトナム現地採用メンバーで、既に力強いチームができています。
ASEANからのグローバル展開
ーーグローバルに展開するにあたって、なぜASEAN(東南アジア)から始めたのでしょうか。
東南アジアは一人当たりGDPも上昇し、人口も増加し続けています。このような力を持つ地域として、ASEANが注目されています。
インフラを整えていくというフェーズではなく、消費が多く生まれる時期が来たという意味でASEANが成長し続ける可能性が高いと考えています。
ベトナムは、平均年齢約30歳で若者の熱気を感じることができることやグローバル化が進んでいて英語が話せたり成長意欲の高い優秀な若者が多いことも理由の一つです。
ベトナムはASEANの中では特に成長が著しい国であるため、最初の展開拠点として選びました。
若い人たちの力を活かすという点において、ASEANと私たちの組織に共通点を多く感じています。
ーーこれからは、御社のメンバーも派遣し、現地組織を拡大していく方針ですか。
おっしゃる通りです。
私自身、日本から世界に出ていく人を増やしたいと考えています。それは旅行のような形でも良いですが、働くために海外へ飛び出す機会があっても良いと考えています。
ローカルのメンバーを大切にしながら、会社として日本の人々を海外に送り出し、海外の人にも日本に来ていただきたく、そんなきっかけを創っていきたいですね。
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古家 広大
早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。
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