#インタビュー
広告配信データ、Web・アプリ上での回遊データ、顧客情報などを集約し、LTVを可視化する独自プラットフォームを構築している、株式会社Macbee Planet。LTVマーケティングのリーディングカンパニーとしての地位を確立した同社は、今後「すべてのマーケティングを成果報酬に」を掲げ、更なる飛躍を目指している。同社代表取締役社長 千葉 知裕氏に経営者の素養、M&A成功の秘訣などについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの加藤 裕朗が聞いた。(全4話)
M&Aを円滑に進めるためには「明確なテーマを設定すること」が重要
ーーM&Aを円滑に進めるためのポイントについてお聞かせください。
まずM&Aの前提として、Macbee Planet(以下、マクビープラネット)の事業に対する誇りと、オーガニックな成長を確実に遂げることが極めて重要だと考えています。
そのため我々は「マクビープラネットの事業を拡大するためにどうすればよいか」という観点からM&Aを実施しています。
例えば、2021年に買収したAlpha社は、テクノロジーの力でマクビープラネットの事業をどのように変革し、スケールできるかという仮説に基づいて選定しました。
既存事業への自信があるからこそ、テクノロジーとの効果的な融合によって実績を積み上げてきました。
この既存事業とテクノロジーが融合した結果が2023年のネットマーケティング社のM&Aにつながっていると評価しています。
ネットマーケティング社は元々の祖業が我々と類似していますが、テクノロジーの活用方法に明確な違いがありました。
我々のテクノロジー活用の優位性を活かし、共にテクノロジーを活用することで事業拡大が可能だという考えのもとM&Aを実施し、結果として大きなシナジーを生み出すことができています。
さらに、2024年5月に買収したPRクラウドテック社は戦略PR領域の企業です。
我々のLTVマーケティングと戦略PRは、いずれも成果報酬を軸に事業展開を行っており、認知領域と獲得領域の融合によってシナジーを生み出し、マーケティングの最適化につながると考えました。
つまり、各M&Aにおいて明確なテーマを設定し、課題や将来のビジョンを明確にして推進することが、M&Aを円滑に進めるポイントだと考えています。
「共生」を核としたPMI
ーーPMIについてお伺いします。ネットマーケティング社とのグループ統合では、社員の平均年齢や業歴が異なり、企業文化の融合は難しかったのではないかと推察しています。PMIを進める上で、心掛けていることなどございましたらお聞かせください。
PMIにおいて重視しているのは、「統合を図るべき領域」と「各社の独自の文化を尊重すべき領域」を明確に区別することです。
具体例を挙げますと、当社は従来、大規模なエンジニアチームを抱えずに事業を展開してきました。そのため、エンジニア主体の企業を統合する際には、文化の違いから生じる課題に直面しました。
しかし、お互いに対話を重ね、協働の形を模索する過程で多くの気づきを得ることができました。
この経験から、我々の企業文化を一方的に押し付けるのではなく、相互理解と共生を重視することの重要性を学びました。
この教訓を活かし、以降のM&Aにおいても、「共生」を核としたPMIを実践しています。
「2027年4月期において売上高700億円、営業利益75億円」を目指す
ーー最後に、今後のチャレンジをお聞かせください。
当社は2024年9月に中期経営計画を発表いたしました。
具体的には、2027年4月期において売上高700億円、営業利益75億円という目標を掲げ、事業展開を進めてまいります。
この計画の中で、我々は複数の戦略的テーマを設定しております。
具体的には、マーケティングの次世代化、PRと顧客獲得の融合、そしてM&Aの加速を掲げています。
今後のチャレンジとしては、この中期経営計画で掲げた目標を確実に達成すること、そして周囲の期待を大きく上回る成長を実現することです。
また、我々がこれまで培ってきた成果報酬型のノウハウを効果的に活用することで、さらなる業績向上が可能だと考えております。
既存のノウハウを基盤としつつ、それを効果的にスケールし、進化させていくことが今後の重要な戦略となると考えております。
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加藤 裕朗
関西大学卒業後、山陰合同銀行に入行。本店営業部にて、中小企業向け法人営業を経験後、みずほ銀行中国アドバイザリー部(上海)へ出向し、約2年間中国投資アドバイザリー業務に従事。その後、姫路支店での上場・中堅企業向け法人営業を経て、2024年DIMENSIONに出向。新規投資先の発掘・投資先企業のバリューアップ業務を担当。趣味は、サッカー、相撲観戦、キャンプ、釣り。
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