社員と真摯に向き合うからこそ「数字で語る」組織文化が必要 M&A総合研究所 佐上峻作CEO(第3話)

「DX・AIを駆使したテクノロジーによりM&A業界を変革する」をビジョンに掲げ、急成長を遂げるM&A総合研究所。創業3年9ヶ月で東証グロース市場への上場も果たし注目を集めている。同社代表取締役CEO佐上峻作氏が語る起業家の素養、事業成長のポイントとは?(全4話)

全ての事柄を「数値化」する

ーー「数値的目標」を持つことの大切さもおっしゃいました。

そうですね、私の経営スタイルは「何事も数字」です。

当社の取締役営業本部長である矢吹はキーエンス出身で、社内にもキーエンス出身者は多くいます。同社が持つ数字的プロセスや仕組みを取り入れながら、自社の事業やドメインに合わせてカスタマイズしています。

アポイント、商談、契約というフローの転換率といったKPIを個人単位でダッシュボード上で見られるようにしていて、その数字をベースに週次でミーティングをしながらKPIを変動させてマネジメントしています。

ですから、当社には「数字」で語る文化が根付いています。

 

ーー数値化の意義は理解していても、組織全体で徹底することは難しいです。何か組織に浸透させる上でのポイントはありますか?

無理をしない。感情論をゼロにして、不平等感をなくすということです。

例えば「売上を上げろ」とだけ理不尽に言われても「頑張っているのに…」となりますよね。そうではなく、売上が上がらない原因を因数分解して、「他人に比べて契約率がこれだけ低いから、その分アポをこれだけ増やさないといけない」という会話をすれば納得してもらえます。

逆にリターンに関しても、例えばストックオプションの時価が会社の業績、ひいては時価総額成長とともにどう変わるか、全て計算して提示しています。実際に現在の時価総額で言うと、合計で100億円以上のストックオプションを付与しています。

会社とメンバーはWinWinの関係で、会社にとって真っ当に頑張るメンバーが報われないと事業成長は継続しません。数字をベースに、無理をせず、従業員と真っ当に向き合うことこそが数値化の本質なのだと思います。

 

採用時は数字をベースに事実を包み隠さず伝える

ーー採用についてお聞かせください。どのようなことを意識されていますか?

これも大前提は、とにかく優秀な人が採用できるまでたくさん会い続けることです。

例えば上場準備の際にCFOを採用するとき、70人くらいの会計士にお会いしています。その中で最も優秀だと思った人を採用し、その後管理部門を構築していきました。

 

ーー優秀な人を「口説く」際に意識されていることはありますか?

明確なメリットを提示することです。

弊社であればDX・AI技術によって全く無駄なくお客様に向き合い、課題解決をすることができる。不要な雑務は極限まで減らして、自分のバリューを最大限発揮できる。これを訴求していますし、実際に組織としても営業マンがお客様と向き合う活動に集中できる環境づくりを徹底しています。

あとは「自分が幸せでないとお客様の幸せを考えられない」とも思っているので、従業員が一番幸せに過ごせる環境作りも意識しています。

従業員の幸せを要素分解すると「お金がある程度稼げる」「仕事にやりがいがある・職場が楽しい」「プライベートが充実している」の大きく3つ。この3つが均等に高レベルであることが大切で、「お金は稼げるけど残業多すぎてプライベートが壊れる」は幸せではありません。

 

あとは退職理由も大きく2つ。「お金を稼げない」と「言っていた話と違う」です。

ですから、とにかく採用時に「事実を包み隠さず伝える」ことを徹底しています。採用時も入社のメリットを数字で事実のみ述べます。例えば信託型のストックオプションを約5%用意していること、なぜ信託型を選んでいるか、どれくらい成果を出せばどれくらいリターンが期待できるか、といったことを論拠をもとに説明する形です。

給与も不公平感は全くありません。M&A業界は営業成績が全てです。弊社の場合は上司の既得権益などもなく、長くいる人が有力な顧客を囲っていたり、上司へのインセンティブ配分があったりということは一切ありません。

誰かが損をする不公平感のある仕組みを絶対作らないこと。会社と従業員が必ずWinwinの関係で、リターンを透明性のあるロジックで用意する代わりに、バリューを出してもらうこと。

こういった姿勢が、結果的にフラットな組織につながると思っています。

 

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DIMENSION 編集長

DIMENSION 編集長

「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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