
#M&A
「Change People, Change Business, Change Japan.」というミッションを掲げ、デジタル人材の育成支援や業務プロセスの革新及びデジタル化などを担うNEW-IT トランスフォーメーション事業とDXによる地方創生の推進をミッションとするパブリテック事業の2つの事業を柱とする株式会社チェンジホールディングス。同社代表取締役兼執行役員社長 福留大士氏に起業家や経営者に必要な素養や、今後の事業展開についてDIMENSIONビジネスプロデューサーの巻口 賢司が聞いた。(全4話)
ーー起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとしたら、何でしょうか。考えに至った背景も含めてお聞かせください。
私が考える重要な要素を3つ挙げるとしたら、まず「考え抜く」、次に「決め切る」、そして決めたことを徹底して「やり抜く」。
端的に言い換えると、「思考」「決断」「行動」です。
福留大士/1976年生まれ
1998年にアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。2003年に株式会社チェンジ(現・チェンジホールディングス)を共同創業。DX支援やパブリテック領域を軸に事業を拡大し、SBIホールディングスとの資本業務提携や地方創生領域でのM&Aを推進。2015年より代表取締役兼執行役員社長に就任し、2016年に東証マザーズ(現・グロース市場)、2018年には東証一部上場(現・プライム市場)を果たした。
実際にビジネスに向き合ってきた中で、この3つが欠けていた時にうまくいかない、という経験を何度もしてきました。
十分に「考え抜く」ことをせず、中途半端な思考のまま始めてしまった事業は、その後も「決め切る」「やり切る」ことができずに、中途半端な結果に終わることが多いです。
ーーこれら3つの素養が大切だというお考えは、何か原体験があったのか、それとも、創業後のご経験を通して意識された考え方なのでしょうか?
これらはすべて起業してからですね。起業家となって23年間、数少ない成功体験と、大量の失敗体験の中で得た気づきです。
実際に経営をしていく中で、何が成否を分けるのかを自分なりに振り返り、うまくいった時とうまくいかなかった時の違いを比較してみると、やはりこの3つの要素が決定的に重要だということが見えてきました。
「起業家」がどういう仕事で、何を大切にすべきなのか、徐々に分かってきた印象ですね。
ーー「考え抜く」「決め切る」「やり抜く」。人によっては基準やレベル感が違うようにも感じます。福留さんはどのように意識されていたのでしょうか?
おっしゃる通り、自分ひとりの主観による判断は難しいです。だからこそ、私は他者の視点を取り入れ、客観的な意見をもらうことを大切にしています。
社内外の仲間とディスカッションしたり、他の人の意見を積極的に聞いたりすることで、自分では見えない盲点に気づけるよう意識しています。また、自分ひとりで「やり抜く」のではなく、他者の力を借りて行動量を増やすというアプローチも重要です。
ただ、「考え抜いたか」に関しては、最終的には主観での判断になる部分もあります。自分の中で「中途半端な思考で終わらせたな」と思ったものは、やはり中途半端な結果に終わるケースが多いので、とにかく自分が納得するまで考え抜くようにしています。
「決め切る」に関しても、折衷案をとって落とし所をみつけるような中途半端な意思決定は、私の経験ではうまくいかないケースが多いです。
このように、「中途半端な思考・決断・行動」を断ち切り、全てを徹底することが重要だと考えています。
ーー福留さんは、新卒でコンサルティングファームに入社された後、独立の道を選ばれました。そもそも起業を志したきっかけや、その背景について教えてください。
前職では、自分が考えているサービスやプロダクトがあっても、一社員としてまずは会社に提案し、組織の意思決定を経ないと物事を動かせないというプロセスにもどかしさを感じていました。
そこで、自分が本当に実現したいことをスピーディーに形にするには、自らが意思決定者になる必要があると強く感じ、入社5年目のときに起業を決断しました。
自分が人生を通じて何を成し遂げるのか、人生における「使命」のようなものを意識しだしたのもこの頃です。この「使命」という文字は、「命を使う」と書いて「使命」と読みます。
自分の命=時間を何に使うのかを真剣に考えた結果、「社会を変える」ようなインパクトのある仕事をしていきたいと思うようになり、私たちは創業の初日から「Change Japan」というミッションを掲げて、事業をスタートさせました。
自らの使命を真剣に考え、起業を決めた2003年、世の中は激変期だと感じていました。明治維新のような激変の時代で、自分は何を残せるか、時代の転換点に何を成し遂げられるか。
「Change Japan」につながるようにあらゆる事業を立ち上げ、自分の使命を全うするという思いで起業し、日々取り組んでいます。
ーー「Change Japan」というミッションを掲げて起業し、実現に挑んでいる中で、影響を受けた出来事や人物などはいらっしゃいますか?
強く影響を受けたのは、松下幸之助さんです。
起業直後、私は多くの偉人や経営者の書籍を読み漁りました。その偉人や経営者が残した言葉やエピソードをひたすら読んでいる中で、特に印象に残り、私が一番影響を受けたのが、松下幸之助さんの言葉や行動でした。
なぜ松下幸之助さんだったかというと、私の地元である鹿児島県日置市には、かつて「松下電器」の工場がありました。
松下幸之助さんは、地方が衰退してどんどん都市に人口が奪われていく未来をいち早く予見していたんです。だからこそ、地方に若者が働ける場所を作ろうと1960年代に日置市に工場を建設しました。
高度経済成長期で、日本が経済的に絶好調だった頃に、未来に起こる都市化を予想し、まさに“社会を変える”ことを実行していたわけです。
松下電器の工場が大活躍していた全盛期には、地域経済を大きく支え、ものすごく豊かな土地になっていたのですが、やはり60年代後半に作った工場の寿命は30年ぐらいです。2000年過ぎたあたりに工場が撤退したことで雇用も失われ、地元は一気に元気を失っていきました。
地元でのこの大きな変化を目の当たりにして、起業家の存在は社会に与える影響力が非常に大きいことを実感しました。
自分の事業を通じて、地元や日本、そして社会全体を変えていけるような存在でありたい。松下幸之助さんから影響を受けたその思いは、今でも変わっていません。
>次のページ 8/5公開 第2話「“変われる組織”だけが生き残る──株式会社チェンジホールディングス 福留 大士社長」
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巻口 賢司
早稲田大学政治経済学部卒業後、日本マイクロソフトに法人営業として入社。国内の大手企業におけるデジタル化の促進に携わる。その後、ウォルト・ディズニー・カンパニーにて、スタジオ部門での映画の配給・マーケティングからコーポレート戦略部での新規事業開発など、幅広い業務に従事。2023年、DIMENSIONにビジネスプロデューサーとして参画。日台ハーフ・日英バイリンガルというバックグラウンドを活かし、グローバルな目線でのスタートアップ支援を志す。
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