起業家であることの唯一の意味 マイネット 上原 仁社長(第6話)

意志・理念を決める権利を得ることが起業家になる意味

――ベンチャー企業は弱い存在だけれども、上原さんは新しい常識を作ることができれば強いとおっしゃっていましたね。

そうですね(第4話リンク)。私たちのようなベンチャー企業は意志ベースで集まっている。強いもなにも、弱いんです。ただ、弱いけれど、強靭なんですね。

繰り返しになりますが、起業はいいことがほとんどないのですよ(第1話リンク)。失敗の確度が高いし、大変だし。リスクとリターンの関係で見ても、正直、割に合っていないと思います。だから、「大きい事やりたい」から起業するのはやめておいたほうがいい。

でも、やる。起業家はやるんですよ。起業家たる唯一の意味は、その理念を決める権利を持っていることです。

みんな仕事をするときには、何らかの論理構造を持っているのですが、それは誰かの借り物であったりとか、すでに大きくできあがっている理念のうちの一部であったりします。起業の意味は、その理念を最初に決める権利を得ること、それのみなのですよ。そしてその理念でどこまで影響を及ぼせるか、世界の価値観を変えられるかという挑戦をする権利を得ることです。

 

成長し続けることがベンチャーに課せられた使命

――今回のインタビューを通して、上原さんの「熱量」が強く伝わってきました。そんな上原さんですから、ベンチャーナビの読者のような若手起業家や起業家予備軍の方にアドバイスをすることも多いのではないでしょうか?

まず「起業家」という生き物が大好きなんですよね。自分が小学生の頃に憧れた存在で、年下であろうと年上であろうと、なんであろうと起業家が好きで好きでたまらないわけです。

なので、起業という意志を持っている人には、若い子でも、おじさんに対してでもまずは興味を持つし、彼らがどうすれば本当にハッピーな状態になれるかを考える。結果的に、アドバイスすることは多くなりますね。

 

――具体的にどう「好き」なんでしょうか?

一緒にいるとワクワクします。起業家と接していること自体にワクワクできる。「0」が「1」になる無限の可能性に触れていること自体が好きですね。

自分自身は、そんな起業家のうちの1人でしかない。何万、何十万という起業家たる人々が世の中を「無」から「有」にしていくし、社会全体の「揺らぎを作る」わけですね。その熱源になっている人が好き。起業家が好き。ワクワクします。

 

――起業家の使命はどのようなものだとお考えですか?

ベンチャー、スタートアップは利益成長してこそ意味がある。逆に言うと「成長しないならやめておけ」なんです。

マイネットで昔やっていた事業も利益は出ていましたが、これ以上利益成長出来ないということで事業を変更しました。ベンチャーは成長し続けることが使命だと思います。

 

――最後にこれを読んでいる起業家、起業家予備軍の皆様にメッセージをお願いします。

言いたいことは「勝たないと意味ない」です。

本当にやると決めた「意志」はなにか。

その「意志」を実現するために、それは本当に重要か。

もし重要だとするなら「やるからには勝たなきゃ意味ない」と伝えたい。

成長し続けることでしか、ベンチャーは存在することができない。けれども、「新常識」を創る事業を生み出し続けられれば、ベンチャーでも勝つことはできる。

今回のインタビューでそう皆さんが感じてくれたら嬉しいです。

 

 

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DIMENSION 編集長

DIMENSION 編集長

「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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