学生起業から4年。25歳起業家が語る起業家に必要な3つの素養とは Progate 加藤將倫CEO(第1話)

「初心者から、創れる人を生み出す」を理念に、初心者向けのオンラインプログラミング学習サービスを展開する株式会社Progate。日本のみならずインド・米国にも展開を広げ、ユーザー数は60万人を突破した。同社CEOの加藤將倫氏に、起業家の素養や急成長サービスの作り方について聞いた。(全4話)

自分が好きなことで勝負。絶対に「諦めない」

――起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとすると何でしょうか?

1つ目は「諦めないこと」、2つ目は「人のせいにしないこと」、3つ目は「素直さ」です。

ありきたりな答えになってしまいますが、私はこの3つの素養が大切だと思っています。

 

加藤 將倫(かとう まさのり)/1993年愛知生まれ。小学校と中学校をオーストラリアのパースで過ごし、東京大学工学部在学中の2014年7月に「初心者から、創れる人を生み出す」ことを理念に、オンラインプログラミング学習サービスのProgateを設立。創業4年でユーザー数は60万人を突破。代表取締役CEOとして、同社を牽引。2018年3月に『Forbes 30 Under 30 ASIA 2018』、2018年8月に『Forbes 30 Under 30 JAPAN 2018』に選出。

 

――「諦めないこと」が大切だと思われた理由をお聞かせください。

私たちは創業事業である「Progate」でそのまま4年間続けてこれたので比較的スタートが上手くいっていますが、周りの起業家やProgateで学んで起業した方々を見ていると、事業が立ち上がるまで長い期間苦しむ人の方が圧倒的に多いです。

その中で成功している人に共通しているのは「諦めないこと」。

例えばコスメの口コミアプリ「LIPS」で急成長中のAppBrew社(2018年10月に10億円の資金調達を発表)は、昔一緒のオフィスで働いていたので仲が良いのですが、彼らは現在の「LIPS」にたどり着くまでに何度もプロダクトを作っては壊してを繰り返しています。苦しい時期に諦めなかったからこそ、今の成功にたどり着いたのかなと思います。

そんな周囲の起業家たちが私にとっても良い教訓になっています。私たちも特に海外事業は試行錯誤の日々ですが、諦めずに続けていけば見えてくるものがあるはずだと信じています。

 

――加藤さんは「諦めない」力をどのように養われたのでしょうか?

起業してから身についた部分が大きいと思います。元々はぎりぎりまで踏ん張って頑張ろうというタイプではなかったのですが、諦めにくい環境に自分の身を置いたことで奮起するしかありませんでした。

私たちは創業当初から社員が4人いました。自分1人の会社ではないため、メンバーへの責任が生じます。とにかくやるしかないという状況からスタートしました。そうやって諦めずに様々な苦難を乗り越えていくうちに「諦めずにやれば意外となんとかなる」と前向きに考えられるようになりました。

あと大切なことは「好きなことをやること」です。

私は根本的に「プログラミング」と「教えること」が好きです。「プログラミング」で人生が変わったと心から思っていますし、一家全員教師という教員家系で育ったので「教えること」にも元から関心がありました。

事業が調子の良い時は成長していること自体が楽しかったりしますが、苦しい局面や成長が頭打ちになったときこそ「好きかどうか」が問われます。

なので「好き」だと思えることで勝負することが、「諦めない」ための近道だと思います。

 

会社で起こる全てのことは起業家の責任

――2つ目の「人のせいにしないこと」はいかがでしょうか?

特に学生起業家は社会経験の少なさから何度も困難にぶつかります。何かトラブルが起きた時に、自分では抱えきれず、人のせいにしたくなることも多いかもしれません。私自身、自分だけでは処理しきれないことがたくさんありました。

良くも悪くも「仲良し」メンバーで創業しているので、メンバー同士の意見が対立した時などは本当に苦しく、人としての関係性自体が悪化してしまいがちです。

そんな時に人のせいにしてしまうことは簡単なのですが、それでは会社は一切前進しません。起業家自身が変わるチャンスだと捉えて、同じ問題が起こらない仕組みを作るしかないんです。

起業という選択をしたからには、会社に起こる全ての責任は起業家にあります。そう考えることで、マイナスな出来事もプラスに捉えることができるようになりました。

人の悪口を聞くのって誰も楽しくありませんよね。特に会社のトップが人の悪口を言って、良いことは何一つありません。

学生時代は特に意識していなかったことでしたが、起業してから色々な困難を乗り越えていく中で強く意識できるようになりました。

 

――3つ目の「素直さ」についてお聞かせください。

起業家はプライドが高い人が多いので、失敗した時になかなか認めたがらない傾向があります。本当は方針転換すべきだと感じているのに、意固地になってしまうことがあるのです。

ですが失敗した時こそ素直に謝ることができたり、方針転換できることが重要です。その姿勢次第で周囲がついてきてくれるかが変わるように思います。

私自身、昔から負けず嫌いでしたが、失敗した時に自分を諌めてくれる尊敬する仲間がいたおかげで、「素直さ」を持って事業に向き合ってこれたように思います。

まとめると、自分の好きな事業で勝負して決して「諦めないこと」。そして困難に直面した時は、「人のせいにしない」で前向きに捉え、周囲の声や本質に「素直に向き合うこと」。

これが起業家にとって重要な素養だと思います。

 

■読者のみなさまへのメッセージ

 

 

 

>第2話「尊敬する仲間達と「初心者から、創れる人を生み出す」」に続く

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DIMENSION 編集長

DIMENSION 編集長

「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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