「首尾一貫」「真善美」をリーダーが体現し続ける 五常・アンド・カンパニー 慎泰俊社長(第5話)

組織に根付く「行動規範」

ーー行動規範がHPにも明確に記載されていますね。どのようなものか、具体的にお教えください。

 

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経営理念:首尾一貫と真善美

 

首尾一貫:信じること、話すこと、為すことを一致させる

1–1 人情やその場しのぎのためにGuiding Principlesを曲げない
1–2 全関係者にいつもGuiding Principlesを語り、熱烈な支持者を増やしつづける
1–3 信頼と評判は首尾一貫した行動で築く ー メディア掲載や受賞、団体所属は副産物でしかない

 

真:正しく思考し行動する

2–1 課題設定→目的と前提条件定義→思考枠組み構築→情報収集→論理思考の繰り返し→実行
2–2 自身の先入観や感情を排し、事実と論理とGuiding Principlesのみを頼りに何度も考える
2–3 隠し事や虚飾をせず真実を語り、意思決定過程を公開し、本物になることを目指し続ける

 

善:顧客、友人、家族に顔向けできない仕事はしない

3–1 顧客搾取ではなく誰よりも顧客に貢献することでお金を儲ける
3–2 全グループ会社従業員と対等な仲間として働く
3–3 仕事によって個人の生活や家族を犠牲にしない

 

美:最高品質・最高速度・シンプルさを追求しつづける

4–1 世界最高水準のプロセスと成果物を作ることに妥協しない
4–2 今すぐやる − 精神的な負荷の高いことも先延ばしにしない
4–3 全ての必要情報を揃え、それを最小インク・バイト・時間で表現する

 

価値観 (Value):

– 自己満足せず、世界最高の方法を学び導入し続ける – 批判や反対ではなく、できる方法や代替案を考えてやり抜く
– 小手先の策略は用いず、正々堂々と王道を行く
– 間違えたら素直に謝る
– 恩は忘れず、どこかで必ず返す
– 仕事を楽しみ笑いとユーモアを忘れない
– ユニークな人、忘れがたい人、他人と違う人を歓迎する
– 迷ったときは、貧しい人や立場の弱い人の役に立つほうを選ぶ

 

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行動規範は書いてある通りなのですが、端的に言うと「真善美」「首尾一貫」であることを会社として大切にしています。

「真」「善」に関しては、論理や原理原則に基づいて「正しいこと」をすること。友達や同僚、家族に顔向けできないような仕事はしないということです。

「美」は最高品質・最高速度・シンプルさを追求しつづけることです。

「首尾一貫」については、信じていること・言っていること・やっていることを同じにすること。いつ死ぬか分からない人生において、自分が正しいと思っていることに向かって仕事ができることほど幸せなことはありません。

この大切にしていることを、経営者の私自身が1番の体現者となるよう日々仕事していますし、それが組織全体の姿勢に反映されていくと思っています。現在の自分が完璧だとは思っていませんが、毎日自分を振り返り、少しずつ理想に近づけていきたいと思っています。

 

「オープンさ」が納得感を醸成する

ーー組織作りについて聞かせてください。複数ヶ国にまたがる組織を運営する上で工夫されていることはありますか?

年末年始に各自に目標を立ててもらい、半年ごとにフィードバック、月1回の1on1あるいは2on1の面談を私とCXOで行なって進捗管理しています。人事評価においては「納得感」が大切なので、年末の人事評価では幹部全員が集まって議論し尽くして決めるようにしています。

ここで大切なのが「オープンさ」です。全ての社員・グループ会社が経営陣の意思決定プロセスを少なくとも見ることはできる状態を作ること。なにかを秘密にしだすと、結果的に伝言ゲームが始まり、社内政治が始まります。

具体的な例でいうと、私たちは「子会社/subsidiary」という言葉をなるべく使わないようにしています。言葉一つですが、本社側の人間は気づかずに自分たちが偉いと勘違いしてしまうことがあるからです。

私たちは、グループ会社も含めて全員が同じ目標に向けて頑張っている仲間・同僚です。もちろん役割分担はありますが、心の上では対等な同僚として接すること、オープンに接することをすごく大切にしています。

 

 

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DIMENSION 編集長

DIMENSION 編集長

「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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