「100人の壁」に立ち向かう、カルチャーファーストな組織づくり  リチカ 松尾幸治Co-CEO(第3話)

「Switch to The RICH. クリエイティブで、世界を豊かに。」をミッションに掲げ、動画マーケティングをサポートする『リチカ クラウドスタジオ』を提供する株式会社リチカ。2021年にはDIMENSIONを含め約8億円の資金調達も実施し、躍進を続けている。同社代表取締役社長 兼 Co-CEO松尾幸治氏に起業家の素養、組織づくりなどについて聞いた。(全4話)

5つのVALUESに沿って採用・評価する

ーー正社員が100人を超えたとのことですが、採用に関して意識されている点をお聞かせください。

採用に関しては「カルチャーフィット」していない人は絶対に採用しないと決めています。スキルがどれだけあってもカルチャーがフィットしていないと、お互い中長期で見た時に不幸になってしまうからです。

どのようにしてカルチャーフィットを測定するかというと、バリュー体験度が高いメンバーや経営陣が喋って”しっくり来るか”、という属人的な部分も多分にあります。

 

ーーカルチャーについて、なにか言語化されていますか?

弊社には5つVALUESがあり、それぞれの項目に5段階評価で平均スコアが何点かというのを入社タイミングや評価タイミングで計測しています。

そしてこの点数でグレードが決まるぐらい、「鉄の掟」にしています。

VALUESを見るための質問はいくつか用意していて、これを聞いたらこれがわかる、というのはある程度オペレーションを組んで実施しています。

 

ーーなぜそこまでカルチャーを重視されるのでしょうか?

私が前職で1000人の経営哲学を聞いたとお話しましたが、それはもう10年程前のことなので、それこそ今も残ってる会社と残ってない会社があるんです。そして直感的に良いカルチャーを持ってるなと思った会社は、やっぱり伸びてるんですよね。

なので残っている会社、伸びている会社が大事にしていたもののエッセンスにまとめて、会社を立ち上げて2年目のときに自分なりに言語化しました。それが今のVALUESの基盤にもなっています。

組織が成長するのに合わせて徐々に言葉はブラッシュアップしていますが、カルチャーを大切にする姿勢は一貫しています。

 

100人の壁の乗り越え方

ーーなにか貴社ならではの取り組みがあればお聞かせください。

他社さんもやられていますが、Notionに各メンバーの「自分史ページ」を作っています。

例えば自分はこういう考えだよとか、苦手なコミュニケーションはこれだとか、幼少期からの変遷も含め一覧で見れるようにしていて、Slackのプロフィールにも絶対それが貼ってあります。

これをベースにオンボーディング時点でのコミュニケーションも実施しています。

 

ーーいわゆる「100人の壁」を感じたことはありますか。

凄くあります。

一部の幹部メンバーで組織を見られていたタイミングから、いよいよ組織化しないと回らない。いわゆるミドルマネジメント層の必要性を痛感しています。適切に組織図を作り、適切に役割やKPIを考えないと、本当に組織が動かなくなってくるのです。

当社も本格的に組織化し始めたのがこの半年で、課題を感じつつも今まさに取り組んでいる最中です。

 

ーーマネージャーの育成・抜擢はどの会社も悩む難しい問題です。

この問題解決に関しては、色々な流派があると思っていて、結局はどの流派に乗るか、そしてやり切るか、が大事だと思っています。特にスタートアップは色々な人が集まって共通言語が生まれにくいので、この流派だと経営者が決めるのは大事だと思っています。

具体的には、私たちは長村禎庸さんが提唱するEVeM(イーブン)というフレームワークを参考にしています。色々な本を読んだりする中で、長村さんから聞いたお話がベンチャーとしてすごく理に適っている考え方で、実際に自分でやってみても良かったからです。

いまは研修・実践・レポーティングもEVeMのフレームワークに沿って、マネジメント候補たちの教育を実施しています。

組織づくりはどの流派、手法が良い悪いではなく、むしろトップが決断し、全員でやりきることこそが重要だと思っています。

 

 

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DIMENSION 編集長

DIMENSION 編集長

「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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