#起業
国立医大生が1年間休学してフルタイムインターンをしてみて 第3回~VCインターンを終えて、私の今後~
はじめに
皆さま、こんにちは。
広島大学医学部医学科4年の宮﨑 雄大(みやざき ゆうだい)と申します。
私は国内ベンチャー投資ファンド・DIMENSION(ディメンション)にて大学を1年間休学し、フルタイムインターンとして働いております。
普段、こちらの「起業ノウハウ」ではDIMENSIONのビジネスプロデューサーより、起業に役立つ知識や、スタートアップが事業拡大する上で役立つノウハウをお届けしておりますが、今回は番外編として、国立医大生が独立系VCで働くことで得た学びや業務内容、そしてなぜ大学を休学してインターンをしているのかについて、全3回でお話しします。
私は医学生ですので元々ぼんやりと「医師になるのだろう」ということを、思っておりましたが、DIMENSIONでのインターンを通じて「絶対に医師になる」と確信すると同時に「ずっと医師を続けることはないのではないか」と考えるようになりました。
この3回の連載を通じて「VC(DIMENSION)で働いてみたい/インターンしてみたい」という方はもちろん「何をすればよいか迷っている」という大学生〜20代の方々へ(もちろん30代以降の方へも)、意思決定のヒントとなることを祈っております。
第1、2回では「医学部を1年間休学してVCにてインターンを始めた経緯」、「VCでインターンをして学んだこと」についてお話させていただきました。
大学の友人複数名から「読んでいるよ」と連絡をもらったことで、最終回ではありますが更に良質な記事を届けなければならないという思いになっております。(笑)
最終回の第3回では「VCインターンを終えて、私の今後」について記していきます。
そしてタイトルで「私の今後」と書いているにもかかわらず、私は将来何をしたいか、何をするつもりなのかは全く決まっておりません。
逆に言うと私の場合、何をしたいのか決まらないことに気づきました。
昨年休学するまでは、1年間思い切って休学しいろいろな経験をしていくなかで、やりたいことが流れ星のように降ってくるものだと思っていましたが、実際は全くそんなことはありませんでした。
結局は何をするかを「決め」、そこに「覚悟して臨めるか」ということだと強く実感しております。
医療の現場とビジネスを繋ぐ
私が課題感を大きく持っているのは「日本の医療・研究の現場へ資金が十分に回っていない」という点です。
DIMENSIONではLPの方々と、出資先スタートアップとの間での懇親会が年1~2回開催されます。そこで、サスメド社の上野 太郎社長 / 先生とお話する貴重な機会がありました。(サスメド社は不眠症治療アプリ、臨床試験支援サービスを開発・提供しており、DIMENSIONの出資先。21年12月東証マザーズへ上場)
上野さんは医師として多くの研究実績を持った上で起業・上場され、最先端の医療を広く世の中へ届けておられる、という意味で私が目標とさせていただいている先生です。
お話の中で、上野さんは「今後はより幅広く患者さん、そして社会へと最先端の医療を提供できる取り組みが重要になる」と仰っていました。
恐れ多くも私も全く同じ認識であるとともに、上記を担うことのできる人材が日本にまだまだ足りない、と考えております。
またそれだけではなく、VCが医療系スタートアップへ資金を投下する、という文脈においても実際にVCで業務する中で以下のような様々な困難が見えてきました。
・高度な技術を有する医療系スタートアップへ投資する上で、専門性の高い技術は理解に労力・時間を要する
・研究~承認~販売と顧客(患者さん)の元へ届けるまで、多くのステップを踏むので一般的なVCファンドの償還期限である10年(+2年)以内に技術の社会実装が間に合わない
・そもそも国内は、病院(顧客)数は限られ市場規模が小さい
・海外展開するとしても、各国で医療機器承認・保険収載、現地でのロビイング、医療現場の商習慣への適合など、規制業種故に売上が立つまでのハードルが高すぎる
医療系、とりわけ医療機器を開発している多くのスタートアップは資金繰りに苦労している声を多く聞きますし、実際に資金が続かず志半ば断念する、という選択をした企業も数多く存在しています。
しかし、実装化されてはいなくとも、確かな技術が日本には多くあります。
そしてその技術は日本が豊かになるだけでなく、多くの人の命を救うものであり、広く患者さんへ届けるべきものです。
私のやりたいことは決まっていないとは申し上げましたが、そのなかでも決めていることを1つ挙げるとすると、上記で述べたような医療系、とりわけ革新的な技術を開発している医療機関・企業へ資金が流れる仕組み構築に貢献する人材になることです。
これはコンサルや金融機関側の人間として事業をサポートする側からなのか、国の制度設計側からか、経営者として自身の事業を立ち上げていくのかはわかりません(決めておりません)が、とにかく「医療の現場の知識・関係値を持った人間」が大きく貢献できる領域だと考えております。
訓練・実行・貢献を続けていく
1年間フルタイムワークとして全く知らない環境へ飛び込むということは、今思えば我ながら相当にチャレンジングな経験だったと思います。
そのチャレンジングなことにも関わらず快く受け入れてくださり、そしてご指導下さった宮宗さんを始めDIMENSIONの皆さんには感謝しかありません。本当にありがとうございました。
来月からは再び広島にて復学します。
一旦はVCと離れたところで日々過ごすことになりますが、物事において大切なことはそう変わらないはずです。
この1年で今までの学生生活ではなかなか出会うことのない人や考え方、場に触れさせていただきました。
またこの多くの出会いの中で、DIMENSIONが掲げるミッション「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」ということがいかに尊いことであり、そしてそれを実現するには、多大な創意工夫・訓練が必要ということを実感しました。
そして人と人の間での「信頼」も必要不可欠です。「信頼」を得るには義理深く、愚直に努力し、結果を出し続けること以外には難しいでしょう。
ビジネスも医療も人と人の間での営みの中で行われるものです。そこに仕組みとしての差はあれども本質的な違いはゼロです。
私はこれから、訓練・実行・貢献を続けながら、人々の生活を豊かにするような事業・仕組みを創り上げていきたいと考えております。
そして今後の私の密かな目標の1つとして、「また」仕事を通じてDIMENSIONと関わらせていただき、お力添えすることです。
全3回という短い連載でしたが、ここまでお読みくださった皆様、ありがとうございました。
私と同じように進路を考えている医学生や、VC・スタートアップでのインターンに興味のある大学生の方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。
Facebook : Yudai Miyazaki
>第1話 「国立医大生がベンチャーキャピタルで1年間フルタイムインターンをして学んだこと 第1回~医学部を休んでVCへ~」
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