「映像から未来をつくる」セーフィーが見据える未来の絵姿とは セーフィー株式会社 佐渡島 隆平 社長(第4話)

「映像から未来をつくる」というビジョンを掲げ、家から街までをデータ化し、インフラとし、あらゆる⼈やモノの意思決定に役に⽴つプラットフォームを目指すセーフィー株式会社。クラウドカメラ市場のおいて圧倒的国内Topシェアを誇り、2021年に東証マザーズ(現:東証グロース)へIPOも果たした。同社代表取締役社長CEOである佐渡島 隆平氏に、事業戦略や組織づくり、将来展望などについてDIMENSIONビジネスプロデューサー黄がお伺いした。(全4話)

仲間づくりで「家から街までデータ化する」

ーークラウドカメラのニーズの高まりにより競争環境も激化してると認識しておりますが、その中でも御社が市場トップシェアを継続的に獲得し続けている要因は何だとお考えですか?

自分たちが作ったマーケットを自分たちで広げる、という形がスタートアップの基本みたいに言われると思うのですが、私たちは全くその形をとっていません。

創業者3人ともがプロダクト開発タイプで広げることが得意ではなかった、という背景もありますが、営業やマーケティング、サプライチェーンマネジメントなどは創業時から大手企業と組んでやろうと意識していました。

カルチャーにも「異才一体」とありますが、これは社内のみならず社内外が一体となってやっていける仕組みを作ると腹を括っている表れです。

ですので市場シェア獲得の要因、一言で言うなら「仲間づくりがうまくいっている」のだと思います。

通信やハードウェア、警備会社や金融、保険に至るまで、お客様が意思決定するときに重要な商流にあたる人たちと創業時から一緒にタッグを組んでいた。それはヒト・モノ・カネすべての面で、です。

(この記事のTop画像にもなっている)モニターが窓みたいになっているやつ、あれはソニーと合弁会社を作ってやっているプロダクトで、ソニーの持っている音声技術と我々の映像技術が一体となったコミュニケーションサービスです。

このように、他社が持っているシーズや技術と一体になってプロダクトを一緒に作り、売っていくことをたくさんやっています。我々自身がベンチャーキャピタルもやっているので、スタートアップに出資して仲間になって一緒に売っていくということもあります。

世の中に、家から街までサービスを広げるためには絶対に必要なのはパートナー、仲間づくりです。

要はカメラだけでMoat(参入障壁)を築くのではなく、お客様の価値となるソリューション全体を作っているチーム戦にできているからこそシェアがとれていると感じています。

 

ーープロダクトだけでなく、お客様に価値が届くまでの全てをチーム一体となって進めているところに強みがあるのですね。

例えばここに水があります。

この水、世界で一番美味しい水だと思って飲んでいるわけではないですよね。たまたまここにあったから飲んでいる。

同様にスマートフォンの中にあるから音楽を聴くし、写真も撮るけれど、わざわざ高性能カメラをバッグに常日頃入れて持ち歩いている人は少ないですよね。

つまり目の前にあるからお客様は選んでくれる。その上で、おいしかったり便利だから継続的に買ってもらえる。この事実から目を逸らしてはいけません。

言い換えると、プロダクトとしての性能が最高であることは当然の上で、お客様が必要な時に目の前に置ける流通、ビジネスモデルを作ることが大切で、それが我々の言葉でいうところの「三方よし」な仕組みだと思います。

「夢を語りまきこみやりきる」

ーー上場後も高い成長率を継続されています。

例えば建設現場向けカメラだけならTAMが限られますが、私たちの事業戦略、「映像から未来をつくる」は家から街まで、映像を含めてデータ化することで、あらゆる人の意思決定を変えていくという覚悟でいます。

実際、あらゆる現場に対応できるように、すでにカメラのラインナップが2〜300種類あります。

上場してから売上はだいたい3倍ぐらいになっていて、会社として年20〜30%成長にコミットメントできているのは、特定の領域だけじゃなくてあらゆる現場に既に実装されているからだと思います。

 

ーー今後の成長戦略があればお聞かせください。

カメラで映像をクラウド化していく、という意味では私たちはマーケットシェアを持っていて、一定の成長率があると思っています。

ただもっとお客様の現場に本当に役に立とうと思えば、多くのお客様は人手不足で困っていらっしゃるので、人手を少なくできるようなサービスを提供していきたいです。

現場に行かなくてもコミュニケーションが取れたり、自動的にAIエージェントがレポートを誰かに伝達したり。例えば最近警備会社をやっていますが、これもAIを活用してトラブルに即時対応できるようにしています。

各現場に見あうソリューションのラインナップ群をお客様にご提案して、結果的にお客様あたりの単価も上がるし、提供カメラ台数も増える。そこをしっかりとやり切っていくっていうことかなと思っています。

また、グローバル展開については、現在ベトナムとタイへの進出をスタートしています。

戦後時代に日本が伸びたのは、グローバルに広がっていく市場に対してグローバルのマーケットシェアをとって外貨を稼いだからです。

やっぱり日本のスタートアップも世界で勝てるサービスを作っていけるところまで持っていかないとそんなに大きくはならないと思うので、もっとスピードを上げてチャレンジしていきたいですね。

 

ーー今はBtoBビジネスにフォーカスされていますが、BtoCについてはどのようにお考えですか?

当然「家から街までを我々がデータ化する」というからには、家でのサービス展開もビジョンに入っています。今では無いけれど、どこかでは仕掛けたいですね。

最近でいうと「熊の出没」が問題になると、街中でクマを探すようなことがありますよね。そんな時に各家庭のクラウドカメラで探したら一瞬で居場所を割り出せるかもしれない。

要するにカメラの価値をもっと集合知にするとできることがたくさんあると思うんです。防犯、地域の安心安全、災害。クラウドやAIを組み合わせるからこそできる領域でプロダクトを出していきたいなと思っています。

ーー最後に、御社の今後のチャレンジ、そしてそれを乗り越えるためにどのような人材を求められているかご教示いただけますか?

我々の7つのカルチャーの中でも、やっぱり「夢を語りまきこみやりきる」部分。未来を予想して逆算し、リーダーシップを発揮して新たなプロダクト、業界にチャレンジしていきます。

「家から街までデータ化する」と言っているからには、まだまだ志半ば。BtoCもそうですし、製造業や公共事業、グローバルも。

そういった新しい事業、新しいチャレンジをどんどんスピーディーにやって、覚悟を持ってみんなを引き連れていけるような人たち、チームとしてまとまってフォロワーシップを発揮できる人たちに仲間になっていただきたいですね。

その上では、「共感」が大切です。

事業、チーム、もしくはプロダクトに共感していただける仲間と一緒に成長していこうと思っています。

 

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加地 詩織

University of the Arts Londonを卒業後、新卒でリクルートライフスタイルに入社し、雑誌編集・企画を担当。その後2020年に東京カレンダーに入社し、SNSマーケティングに携わる。2026年よりDIMENSIONに参画。社外リレーション業務、広報などを担当。

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