#ビジョン
「well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」をミッションに掲げ、クラウド人事労務ソフトSmartHRを提供している株式会社SmartHR。同社代表取締役CEO 芹澤 雅人氏に経営者の素養、組織づくりのこだわりなどについて聞いた。(全4話)
「ワクワク」が組織を一つにする
ーー社長に就任され、組織作りにおいて意識されていることをお聞かせください。
意識していることは人事のフローが”ひと続き”であること。まず採用から始まり、育成や評価や異動など、入社後に起こるイベントを回しつつ、退職するという一連の流れをいかにリンクさせるかです。
皆いつかは会社を去るわけですので、採用して終了ではなく、入口から出口までをひと続きに考えて組織設計できているかはすごく重要だと思っています。
また、組織づくりというのは、規模ごとに再設計が求められるものだと思います。
例えば百人の規模の会社で求められる人材と、七百人の規模で求められる人材って同じではないですよね。
昔作ったものがそのまま使えるわけではなく、「組織の設計も陳腐化する」という前提で、常にアップデートしていくことが大切だと考えています。
ーーエンジニアからVPoE、CTOと、エンジニアサイドのキャリアを歩まれてきました。組織作りにおいて何か独自の観点があるとお考えですか?
大前提としてプロダクトサイドでもビジネスサイドでも組織作りは大きくは変わりません。
ただ特性はあると思っていて、ものを作る人たちにとっては「ものを作ることにワクワクできるかどうか」「楽しくこの会社でものづくりができているかどうか」ってすごく大切です。
これは私自身がエンジニアとして働いていたときの原体験でもあるのですが、「これが社会の何の役に立つか分からないけど、とりあえずミッションとして与えられたから作る」っていうシーンを経験したことがあるんです。
そういうときってワクワクしないですし、クリエイティビティを発揮できない。
「なぜこれを作りたいのか」の目的の伝え方が工夫され、腹落ち感があって、ワクワクしながら自分事としてオーナーシップを持って開発に取り組める。その状態を作り出せるかどうかをすごく意識しています。
経営者の思いが百あったら百をそのまま伝えられるか。いかにロスなく組織全体に伝えるか、というところは経営者の重要な役割の一つだと思っています。
「暗黙知と形式知」でカルチャーをデザインする
ーーカルチャーに関するこだわりを教えてください。
組織で活動していると「これはAなのかBなのか」という分岐点が必ず来ると思います。そこで「うちの会社だとAを選ぶよね」という意思決定の軸になるのがカルチャーだと思います。
カルチャーデザインの肝は「暗黙知と形式知」両方で共有すること。そしてそれは至るところにあります。
例えば役員の話し方、服装、オフィスのファシリティやレイアウトといった表層的に現れてくることもあれば、バリューとして明文化されてくものもあり、それらが全部組み合わさって所属してる社員一人一人の一挙手一投足となり、カルチャーになっていく。
この大きな流れを理解できるかどうかが重要だと思います。
ーー経営者として具体的に意識されていることはありますか?
特別な何かはしていませんが、発信は多い方だと思います。
プロセスを共有するという文化があって「こういう風に考えて私はこういう答えにたどり着きました」と、一人一人がすごくオープンにしているんですね。
それが相互に影響し合っているし、もちろん役員陣もやります。過程の部分も共有することでみんなに腹落ちしてもらうことを大切にしていて、それがお互いにアップデートし合うことにも繋がっていると思います。
もう一つは社会に対する発信。社員がSNSやブログなど個人で発信していることが多い会社です。
そうした発信を見た上で入社していただくことが幸いにして多く、入社前からSmartHRという会社の雰囲気をなんとなく理解・共感している方が多くいます。
私一人ではなく、いろんなことが組み合わさって、SmartHRらしいカルチャーをみんなで作っている感覚を持っています。
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DIMENSION 編集長
「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。
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