“伝道師”を生みだすマーケティング術とは『BATONZ(バトンズ)』神瀬悠一CEO(第2話)

「誰でも、何処でも、簡単に、自由に、M&Aが出来る社会を実現する」をビジョンに掲げ、M&A総合プラットフォーム『BATONZ(バトンズ)』を提供する株式会社バトンズ。同社代表取締役CEO 神瀬悠一氏に経営者の素養、スピンオフまでの道のりなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの古家広大が聞いた。(全4話)

『BATONZ(バトンズ)』誕生の軌跡

ーー現在バトンズの代表取締役というポジションですけれども、神瀬さんの過去の経験も踏まえ、何に期待をされて経営者として声をかけられたと思われますか。

私がジョインした2019年は、バトンズは本当に立ち上がったばかりで、まだビジネスモデルが出来上がっていない段階でした。

マーケティング、ビジネスモデルの構築、プロダクトマネジメントなど、リクルートの中である程度色々幅広く見てきたという経歴がありましたので、「マッチングビジネスとしてどういうビジネスにしていくのがいいか」というところを一番期待していただいたのが最初のきっかけだったかと思います。

業界的には営業色が強い会社が多いですが、一方でバトンズでは仕組みとかプロダクトとかビジネスモデルというところが多くの経営者様のM&Aにお役立ていただけるポイントになるというのが元々着想ではありました。

そういうプロダクトカンパニーになりたいというのがバトンズなので、私がもともとエンジニアをやっていたり、コンサルファームやリクルートを見たりといった、今までの経験に期待していただいたのが最初のきっかけだったかなと思います。

 

ーー母体である株式会社日本M&Aセンター(以下、日本M&Aセンター)は営業組織が中心になるビジネスモデルですごく順調に進んでいっているように感じます。その中でどのようにして、新しいマッチングプラットフォームとしてバトンズ事業が立ち上げられたのでしょうか。

バトンズはある種タイムマシン経営のような形で誕生しました。

日本M&Aセンターという会社は恐らく世間的に見ると、ハイエンドな営業マンが集まって仲介業でビジネスを成立させるという会社に見えると思うんですけれども、実は海外に対するアンテナが非常に高いんです。

例えばアメリカやイギリスの最先端のM&Aだったりファイナンスビジネスというのをよく見に行ったりだとか、日本でファンドを立ち上げたりPMIの領域にチャレンジしたり、M&Aプレイヤーとして必要な事業領域の拡大にはスピード感を持って着手する会社だったんですね。

そんな中、日本M&Aセンターが人の手による仲介で支援できなかったお客様を、海外ではどうやって支援して事業譲渡や経営資源の流動化が進んでいたのか、アメリカを視察した時にプラットフォームを見つけたんです。

当時、経営者間では「日本M&AセンターはM&Aというマーケットを全方位で支援していくんだ」という方向感を持っていたので、研究開発のように「日本でもアメリカで上手くいっているプラットホームをやってみようか」となったのが一番最初のタネだったと思います。

ただ、2014年の時点ではやはり営業が中心の会社だったのでプラットフォームを作ったことがある人はいないですし、インターネットを使ってM&Aをどうやってやるんだろうといったことも含めて、投資をしたり、きちんとビジネスモデルを作ったりというところまで着手出来ていない4年間でした。

その中でやはり本格的にバトンズを今後育てるためにはカーブアウトやスピンオフして、別の経営体としてガバナンスや採用する人材の層を変えていこうという意思決定がちょうど2018年頃にありました。

 

“伝道師”を生むマーケティング術

ーーマッチングビジネスモデルでは、マッチングをさせる数を集めることがなかなか難しいのではないかと思います。どのようにしてここまで認知度を上げ、利用者獲得をされてきたのでしょうか。

マッチングビジネスの中でも特にプラットフォームビジネスの中では集客が勝負になると考えているのですが、ポイントは3つあります。

1つ目がまずどうやってプラットフォームの存在を知っていただくかという認知の面で、2つ目が実際にどうやってユーザーを獲得するかという面。

その獲得にも、直接サイトに来ていただく、もしくは提携先やネットワークを経由してバトンズを紹介いただいくという大きく2つに分かれます。

この「認知」「ダイレクト集客」「ネットワーク構築」という3つがバトンズにとって重要で、他のビジネスでもおそらくその3つの視点は大事になっているかなと思います。

 

認知でいうと、我々は経営者の方にM&Aを届けるというビジネスなので、マス広告ができないであるとか、ターゲットがtoCの時と考え方が少し変わってくるんですよね。

一つ神風的だったのは、創業3年目ぐらいの時にテレビ東京の経済番組で特集のように弊社を取り上げてくださって、さらにその後、日本テレビのバラエティ番組に出ましたので、結構バトンズという会社を世の中の方に広く知っていただけました。これは最初のスタートダッシュとして大きかったです。

その後はYouTubeを使ったりタクシー広告をやったりもしているんですけれども、大きなきっかけで言うとその3年目の大きな露出は今のバトンズを形作るうえでは大きかったです。

もう一つは、獲得(集客力)の部分ですね。

ダイレクト集客はもちろんSEO対策などのネット上の集客も頑張ってはいるんですけど、バトンズが今の競争優位の高いポジションになったのはネットワークが強かったからだと思います。

例えばBtoCならダイレクトが大事で、BtoBなら営業のアウトバウンドが大事でというのが定石かと思いますが、M&Aって特に経営者に向けたものなので、誰にアプローチすべきなのかは重要なはずですよね。

「経営者の近くにいる方って誰だろう」となった時に、税理士さんや金融機関さんだと思いました。なので、そういう方々にまずバトンズに加盟いただくサービスを作らなければいけないという取り組みがスタートしたのです。

一方で、そういった方々にただ「紹介してください」というのは都合の良い話で、「少しだけレベニューシェアしましょう」と言うだけではやはりなかなか動いてくれません。

例えば、会計事務所の方がバトンズを使うと本業にも役立つとか、あるいは金融機関の方に我々がSaaSのようなM&Aの業務支援サービスを提供するとか。

そういったものを使っていただくことで、その方々に伝道師役を担っていただいてバトンズの認知度が上がりました。

ネットワーク経由のマーケティングが、バトンズが今No.1になった理由の一つ大きなところかなと思っています。

 

ーーある種仲間づくりのような印象をうけます。そうやって「どうやって仲間を作っていくのか」に愚直に向き合っていくことが大事になってくるのかもしれませんね。

我々のようなスタートアップには、GAFAにたくさん広告費を投資するという手段ももちろんあるのですが、それでは同質化にしかなりません。

なので我々ならではの集客チャネルや強固な認知施策を打てるかどうか、そしてそれが競合にはすぐに真似できないやり方でやる、というのはポイントだなと思います。

プラットホームビジネスだといかに早く面を取るかも重要なので、こういった参入障壁を生むことはかなり強い大きな武器になるとも言えるかもしれません。

 

 

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古家 広大

古家 広大

早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。

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