#起業家の素養
「世界のトップ企業を創る。」というビジョンと共に、不動産業界にテクノロジーを取り入れ、イノベーションをもたらしてきた株式会社GA technologies。2018年の上場当時以来2度目の対談となる今回は、同社 代表取締役 社長執行役員 CEO 樋口 龍氏に、起業家に必要な素養や事業拡大とM&Aのポイント、今後の展望について、DIMENSIONビジネスプロデューサーの古家 広大が聞いた。(全4話)
ーー御社は2018年に上場されました。上場前を振り返った時に、「もっとこうしておけばよかった」と感じられる点はありますか。
久夛良木氏参画の話にも通じますが、もっと早い段階で「目指すステージを経験したプロフェッショナル」の力を活用すべきだったと感じます。
事業、組織、ファイナンス、どの分野においても、「落とし穴の場所を知っている」人が社内にいることは非常に重要です。
経営には失敗がつきものですが、落とし穴の場所が分かっていれば未然に回避することが可能になります。
経営者は必ずどこかの領域に強みを持っていますが、全てにおいて完璧な人はいません。必ず分からない領域が存在します。
分からない領域があることを認め、その道のプロをどれだけ早く巻き込めるか。それが、遠回りをせずに目標に到達するための一番の近道だと今は感じています。

ーーたしかに経験の差は大きく、そのノウハウを持つ人がいるかどうかは挑戦において重要ですね。一方、上場前後から会社のステージを引き上げるために多くの企業が新たに取り組むのがM&Aです。御社もこれまで積極的にM&Aを行われてきましたが、M&AやPMIを成功させるために意識されているポイントはございますか。
私はまず会社が「M&Aに慣れる」ことを目的に、スピードを重視しました。
例えば、30年間M&Aの経験がない会社が急に他社の異文化を受け入れようとしても、既存社員からの拒否反応は避けられません。
上場から約3ヶ月で2社のM&Aを決定したのは、上場企業としては異例の速さだと考えています。
M&Aを始める際、私は以下の3点を重視しました。
1点目は、スモールスタートで経験を積むことです。
何事も、最初は失敗がつきものです。だからこそ、最初から会社にとって致命傷となるような大きなM&Aは避け、小さな規模で早く実行に移し、PDCAサイクルを回して経験値を積むことが重要だと考えました。
2点目は、最初からいきなり飛地には行かず、理解できる領域から始めることです。
当たり前のことですが、初めてのM&Aで、対象の領域についても分からないことが多いと、成功の確率が大きく下がってしまいます。
そして3点目は、買収先の「成功していること」は安易に変えないことです。
既に上手くいっている買収先の組織がある場合、特に経営者や人事制度は容易に変更せず、変更する場合は丁寧にコミュニケーションをとるようにする。
こうしてM&Aを実施してきましたが、成功パターンが全てのケースに当てはまるわけではありません。
これまでの経験を元にした一定の仕組み化は重要ですが、それだけに頼りすぎると、個別の状況に対応できず、歪みが生じます。
会社は生き物です。全てが同じようにはいかないという前提を理解した上で、仕組み化と柔軟な対応のバランスを取る。このバランス感覚こそが、PMIを成功させる鍵だと考えています。

ーーGA technologiesが挑む今後のチャレンジと、その思いに至ったプロセスを改めてお聞かせください。
当社の事業ドメインは「不動産テック」であり、二つの柱となるサービスを展開しています。
一つは、不動産による資産形成を身近なものにする『RENOSY』。もう一つは、不動産取引を大幅に効率化し、不動産会社にとっての不可欠なインフラを目指す『ITANDI』です。
まずは、これら二つの柱の事業を通じて当社が日本の不動産業界に欠かせない存在となることを目指しています。
現在、日本は「貯蓄から投資へ」という大きな転換期にあり、社会保険料の増大を背景に、政府が税制優遇を拡充しNISAやiDeCoが広く普及してきています。
本来、「投資」という枠組みの中で、不動産も一般的な選択肢であるべきです。しかし、これまで日本には安心して任せられる不動産投資サービスが不足していました。
そこで当社が目指すのは、「NISA、iDeCo、そしてRENOSY」と並んで称される世界です。不動産投資がより一般的になることに加え、検索を「ググる」、フードデリバリーを「ウーバーする」と呼ぶように、我々のサービス名である「RENOSY」が不動産投資の代名詞となることを目指しています。
不動産投資をNISAとiDeCoに並ぶ「第3の選択肢」として確立することは、日本の将来への大きな貢献になると確信しています。
また、当社の目標は国内にとどまりません。「世界を前進させる」というパーパスのもと、2024年にはアメリカ進出を果たしました。
なぜこのタイミングなのか。世界の主要なグローバル企業の多くは、創業から約20年で世界的なサービスを確立しています。
そこで、創業20年までに世界で戦うための基盤を築くべく、創業10年目を迎えたこのタイミングこそ、アメリカ進出に踏み切る勝負どころだと判断しました。
不動産領域は、いまだに紙やFAXが主流のレガシーな状況です。これをテクノロジーで効率化し、かつてiPhoneが世界を大きく前進させたように、私たちが不動産業界に変革をもたらしたいと考えています。
この変革を、国内に留まらずグローバルな舞台で成し遂げること。これが、私たちが挑戦し続ける理由です。

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古家 広大
早稲田大学卒業後、三井住友信託銀行に入行。 広島にて個人向けFP業務を行った後、大阪にて法人RMを経験。非上場からプライム市場の企業まで担当し、融資や不動産など信託銀行の幅広いソリューション営業に従事。また、ESGやSDGsをはじめ、CGC改訂への対応支援も行い、グローバルで勝ち続ける企業への成長を非財務領域も含めてサポート。 2022年DIMENSIONに参画。LP出資者からの資金調達と国内スタートアップへの出資・上場に向けた経営支援を担う。
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