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2000年の創業以来、大企業向けの新規事業創出・産業プロデュースを数多く手がけてきた株式会社ドリームインキュベータ(以下、DI)。今回は、DI在籍中にDIMENSIONファンドを立ち上げ、2021年にMBO・スピンアウトを経て独立した宮宗と、DI代表取締役社長の三宅孝之氏による特別対談を企画。前半では「事業を大きく育てる」ポイントやスタートアップとの向き合い方について、後半ではDIMENSIONキャピタリストの黄が、MBO・スピンアウトの舞台裏について話を聞いた。(全4話)

黄:はじめまして、DIMENSIONの黄です。ここからはDIからスピンアウトしたDIMENSIONについて、当事者であるお二人にお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。早速ですが宮宗さん、「スピンアウト」や「MBO」という言葉はなかなか聞き慣れないと思うのですが、まずそのコンセプトについて教えていただけますか。
宮宗:言葉の定義は人によっても違うと思うのですが、「MBO」というのはマネジメント・バイアウトの略で、基本的には大企業の中の一事業などが株式会社という箱を作り、子会社としてその事業ごと大企業から離れることを指します。
株式の持ち方にはいろいろな形があって、たとえば元の会社に50%持ってもらい、残り50%を新しく出ていくチームが持つという形もあれば、100%を切り出して新しいチームが事業を作るという形もあります。
私たちは、100%の株式を持って新しい事業を作る形態のときに「スピンアウト」、そうでない場合は「MBO」として言葉を使い分けています。
黄:三宅社長は、スピンアウトやMBOについてどうお考えですか。
三宅:大企業の中で新しい事業を始めるときは、完全に異分子として、いろいろな意思決定をしていかなければいけません。でも、既存事業をやっている人からすると「何をやっているんだ」という話になり、説明する方もされる方も不幸になりがちです。
だったら切り離して外に出した方が、お互いハッピーなんじゃないか。もちろん資本の持ち方など制約や条件はあると思いますが、それでWin-Winになる形があるなら、MBOは価値があるし、面白いと思います。
ただ、実際にやろうとするときに、良い事業であればあるほど大企業側が「惜しい」と思い始めてしまい、資本を余分に持って干渉し始めるなど、結局意味がなくなってしまうケースもあります。
その辺の設計はすごく大事で、チャンスはあるけれど、設計は難しいだろうと思っています。

黄:さまざまな設計が難しい中で、スピンアウトやMBOが行われる背景には何があるのでしょうか。
三宅:DIは、実は数回スピンアウトしています。
宮宗:何回かやっていますね。
三宅:最初は比較的小さな事業で、うまくいっていなかったところを担当者が「自分で買い取ってやります」と言って決まった形でした。
2つ目はもう少し大きい事業だったのですが、私たちの本業とはだいぶ領域が違うということで、離れる形になりました。
宮宗さんが手がけたのが、私たちにとってはこれまでで一番大きな案件です。
というのも今のDIMENSIONの事業――ベンチャーキャピタル事業は、実はDIの祖業なんです。これを手放すのかどうかは、社内でも大議論でした。
コンサルティング的な事業とベンチャーキャピタル的な事業は、相性があまり良くなく、私たちは上場もしているので、どちらも中途半端になってしまうなら1つに絞った方がいいのではないか、という経営判断もあり、DIMENSIONは当初、DIが株式を100%保有していましたが、2021年9月に宮宗さん側が全株式を取得し、DIから独立しました。
宮宗:最終的に、MBO・スピンアウトという形でやらせていただきました。いろいろな議論がありましたね。
三宅:そうでしたね。当時、DI自体も業績が苦しくて、コンサルティングもベンチャーキャピタルもどちらも今ひとつという状況でした。
私はコンサルティング側の代表で、ベンチャーキャピタル側は宮宗さんがリーダーをしていて、宮宗さんの方から「私が出ていった方がいいんじゃないか。」というオファーをいただいて。
宮宗さんにとっても厳しい決断だったと思うのですが、「申し訳ない、それでもいいですか」とオファーを引き受けた形になりました。

宮宗:結論に至るまでには結構長い時間軸がかかりましたね。
会社や関係性にもよると思うのですが、MBO・スピンアウトがうまくいくケースと難しくなってしまうケースがあると感じています。
前半の話でも出てきましたが、「自分が自分が」というやり方は良くないと思う一方で、MBO・スピンアウトではそうなりがちな例も多い気がしています。前職と話せなくなったり、相談できなくなったりする。
でも、いくら資本関係が変わっても、力を借りる場面は絶対にあります。
私自身は、もともといたチームに迷惑をかけるようなことはしたくないと思っていて、競合になるような事業をやらない、人材の採用も元のチームから引っ張らない、といった振る舞いがきちんとできるかどうかが、うまくいくかどうかの分かれ目だと思っています。
三宅:宮宗さんは、大企業のコンサルタントとしても十分やっていけたはずなんです。でも、誰かがやらなければいけない。
何人か役員がいた中で、DIの祖業を背負わせる大仕事において、私が信頼できると思ったのは宮宗さんしかいませんでした。「他の人にやらせないでくれ。宮宗さんがやってくれ」というくらい、信頼していましたね。
宮宗さんに任せることが決まった際は「申し訳ない、祖業を背負っていってください」という気持ちでした。
DIの祖業を「DIMENSION」という形で継いでくれて、私としては本当にありがたく、いい形でできたと思っています。
>第4話 10月27日公開予定
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