先達に学ぶ ー第9回 ユニクロ、JINSのビジョンの効能ー

「起業ノウハウ」について

皆様、こんにちは。

国内ベンチャー投資ファンド・DIMENSION(ディメンション)の代表取締役社長の宮宗(みやそう)と申します。私共の起業家向けメディアDIMENSION NOTE(ディメンション ノート)に目を通して頂き、ありがとうございます。

私自身2002年からスタートアップへの出資・支援を行うようになり、累計12社の上場/MBOに携わってきました。またこれまで様々な起業家や経営者と仕事をしてきましたが、経営はある事を行えば必ず成果が出るという単純なものではありません。一方、自分よりステージが上で上手く経営推進・事業拡大されている企業や起業家・経営者の方から「学び」、その内容の「具現化」を継続していれば、成果出しの確度は高められると、多くの起業家を見てきた専門家として確信しています。

2021年4月から、私共DIMENSIONメンバーが定期配信を始めた「起業ノウハウ」では、

  •  起業
  •  増資・融資
  • 組織作り
  • 経営推進・事業拡大
  • 上場

を中心に、取り上げていきます。

 

今回は、ビジョンの効能について。

20代で戦略コンサルティングと投資の仕事を始めて、しばらくの間はビジョンが大切と言われてもピンとこなかったのですが、当時から20年経った今では、事業戦略以上にビジョンが大事だと考えるようになりました。

そう考えるように至った印象的な2社、ユニクロ(=ファーストリテイリング社)柳井正・代表取締役会長兼社長とJINS(=ジンズホールディングス社)田中仁・代表取締役CEOのエピソードをご紹介します。

 

ユニクロ柳井社長のグローバルNo1ブランドへの想い

今ほどスタートアップ業界が整備されていなかった2000年前半、「起業家・経営者」について理解を深めるため、彼らが集まるイベントや表彰式に数多く足を運んでいました。

当時、私は20代だったのですが、運がよいことに上場された起業家や事業を大きく伸ばしている経営者など、多くの方々と対面で直接言葉を交わすことができました。そうした方々の中で強烈なお一人だったのが、ユニクロの柳井さん。

90年代後半にフリースを大ヒットさせ、売上も3,000億円を突破。国内No1アパレル企業の地位を確立し、既に大経営者・起業家として名をとどろかせていたのですが、表彰の場で熱量をもって以下のような話をされていました。

  • “全然、満足していない。まだまだ、できていないことだらけ”
  • “世界にはGAPなど、我々より多くの人々に商品を届けているアパレルメーカーがある”
  • “日本にとどまらず、世界に知れ渡るグローバルNo1ブランドを築きたい”

 

当時から20年近くたって、ユニクロは本当に世界No1アパレル・ブランドにふさわしい地位につきました。これも柳井さんが周りか持てはやされても、ブレることがなく「グローバルNo1ブランドを築く」という明確なビジョンを持ち続け、研鑽・変革・顧客価値の追求を続けられたことが大きいと感じています。

ちなみに、当時表彰会場でただの若手の一人でしかなかった私にも、柳井さんは目を見ながら1:1で向き合ってくださり、

  • “君、何をやっているの?”
  • “面白い、意義あることに取り組んでいるね!”
  • “仕事に注力し続けていれば、色々なことができるようになる。応援しています!”

 

と、強く勢いある語調で話していただいたのを、はっきり覚えています。

20代で、世界No1企業を創る方の意識・姿勢・意欲に触れることができたことは、今の私の財産になっています。

 

JINS田中社長の「独自のビジョン」

2021年6月にUpした起業ノウハウ「-第3回 上場後の継続成長-」でも、JINS田中社長の快進撃をご紹介しました。
国内No1メガネブランドを築いたJINS社のビジョンは以下。メガネの粋を越えたものに感じる方も多いのではないかと思います。

 

Magnify Life
いつもと世界が違って見える。
JINSは、そんなきっかけを人々に提供したいと願う。
人々の生き方そのものを豊かに広げ、これまでにない体験へと導きたい。
だからこそ、私たちはメガネのその先について考え抜き、
「あたらしい、あたりまえ」を創り、まだ見ぬ世界を拓いていく。
―to Magnify Life

※出所:ジンズホールディングスHP

 

2009年、上記にビジョンを再定義した後、「JINS PC(現JINS SCREEN)」をいち早く市場に投入。国内No1の地位を確立し、中国でも173店舗を展開されています。(2021年12月時点)

また店舗に足を運ばれた方は、デザイン性の高さにも気づかれると思います。JINS社のコアバリューの一つはHonest。店舗には必ず木材・木目調の什器があるのですが、Honestを表すものとして設置していると田中社長から直接伺いました。

こうした田中社長のご自身の経験からねじり出された言葉・こだわりが、差別性や追及を生み、結果、従来のメガネ屋さんには無い空間・商品・サービスの提供と事業成長に直結しているように強く感じています。

 

起業ノウハウ「先達に学ぶ」第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回第8回もご参考にしてみてください。

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