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コミュニティサービス作りは「まるで子育て」 メドピア 石見陽社長(第4話)

コミュニティの世界観を決める、初期のキャラクター付け

——あらゆるITビジネスで「コミュニティ作り」がキーワードになっています。コミュニティサービスを成功させるポイントはどのようなことだとお考えでしょうか?

コミュニティ作りは子育てみたいなものです。「三つ子の魂百まで」と言われますが、コミュニティも初期のキャラクター付けが極めて重要だと思っています。

どんなコミュニティも最初は一人から始まりますよね。そういう時、どうしても人数が欲しくて自分の友達を入れたくなったりするものです。しかし、それでは内輪のコミュニティになってしまいます。

MedPeerの初期、私はあえて友達をたくさん入れたりはしませんでした。そして、コミュニティが目指している世界観をサービス内の掲示板などに丁寧に記載し、コミュニティの運営方針と違うような書き込みがあったときには事細かに私の実名でコメントを出していました。逆に、「これこそ、このコミュニティでやりたいことだ!」というようなポジティブな書き込みには、私自ら積極的に参加していました。 

このコミュニティ初期のキャラクター付けがまさに「子育て」たる所以で、決して一足飛びに出来るものではありません。日々の地道な関与で方向付けていくしかないのです。 

一方で、ある程度コミュニティが大きくなってくると、今度は関与しすぎると、プラットフォームとしての自由度が損なわれてしまいます。これも「子育て」に似ているかもしれません。そのため、いまも関与度合いの強弱をしっかり見極めるようにしています。

——オンラインのみでなく、オフラインでのコミュニティも意識されていらっしゃいますか?

オフラインもやはり大事です。医師は30万人しかいないので、やろうと思えば全員にだって会えるかもしれません。年間3万人会えば10年で全員に会える。実際、私は毎年かなりの数の医師たちと会ってきました。5人のうち1人くらい会っていれば、噂は自然と広まっていくものです。

おかげさまで、直近2年くらいでようやく、上場やテレビ出演も相まってMedPeerを知る医師が増えてきている印象です。コミュニティ作りには一足飛びの秘訣は存在せず、時間がかかるという覚悟を持っておいたほうがいいと思います。

 

人の命に関わるビジネスにおいて重要な「振る舞い」

——医療業界ならではの衝突や困難もあったのではないかと思います。

いまのところ、ステークホルダーと衝突したことはありません。医師会とは非常に良好な関係を築いていますし、厚生労働省からも特に問題となるような指摘はいただいていません。

しかし、会員数が10万人を超えてくると、日本内科学会でも会員数は約10万人であり、医師団体の中ではそれなりの規模のコミュニティとなります。なので、厚生労働省を始め、関係する団体などにも、こちらから積極的に取り組みや想いをお伝えするようにしています。

 

——法規制が問題になることはなかったのでしょうか?

法規制ではありませんが、我々のクライアントである製薬企業には、どうしても規制業界ゆえの護送船団のような風潮があります。仮に一社が不祥事を起こすと、業界全社で対応を考えるという風になります。いわゆる、法規制ではありませんが、命を扱う業界ならではの、慎重な対応が常に求められていると感じます。

そういった経験を経て、人の命に関わる業界でビジネスをする以上、適切な「振る舞い」が重要なのだと感じています。

 

 

>第5話「ベンチャーが理念を定義すべきタイミングと決め方」に続く

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著者 下平 将人

著者 下平 将人

弁護士として一般民事や企業法務を経験したのち、LINE株式会社の社内弁護士やチャットボット領域の新規事業開発担当を経て、DI、DIMENSIONに参画。人材紹介サービス「CAREEPOOL」のPM。投資先複数社の社外取締役。日本組織内弁護士協会理事。一橋大学法学部、慶応義塾大学法科大学院卒業、グロービス経営大学院卒業。 クリエーターをサポートするArts&Lawに所属しクリエーター向けに無料法律相談を実施。 アニメ業界のペインについて業界を横断して考える「Animation&law」を主催。

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