先達に学ぶ ー第11回 ICCからの学びー

「起業ノウハウ」について

皆様、こんにちは。

国内ベンチャー投資ファンド・DIMENSION(ディメンション)代表取締役社長の宮宗(みやそう)と申します。私共の起業家向けメディアDIMENSION NOTE(ディメンション ノート)に目を通して頂き、ありがとうございます。

私自身2002年からスタートアップへの出資・支援を行うようになり、累計13社の上場/Exitに携わってきました。またこれまで様々な起業家や経営者と仕事をしてきましたが、経営はある事を行えば必ず成果が出るという単純なものではありません。一方、自分よりステージが上で上手く経営推進・事業拡大されている企業や起業家・経営者の方から「学び」、その内容の「具現化」を継続していれば、成果出しの確度は高められると、多くの起業家を見てきた専門家として確信しています。

2021年4月から、私共DIMENSIONメンバーが定期配信を始めた「起業ノウハウ」では、

  • 起業
  • 増資・融資
  • 組織作り
  • 経営推進・事業拡大
  • 上場

を中心に、取り上げていきます。

 

今回は「ICCからの学び」

ICCは、Industry Co Creationの略で、「ともに学び、ともに産業を創る。」をスローガンに起業家・経営者・プロフェッショナルが毎回300名以上登壇し、参加者同士が朝から晩までの真剣な議論を通じて学び合うエクストリーム・カンファレンスです。

2016年9月以降、年2回開催され、直近2022年9月5日~8日に開催された「ICCサミット KYOTO 2022」はリアルで1,100名の方が集まりました。

またシード/アーリーステージに特化したピッチ・コンテンスト「スタートアップ・カタパルト」も開催されます。スタートアップの登竜門として業界認知され、ここで知名度を得たスタートアップは資金調達や事業拡大などで活躍されています。

私自身、2018年からICCのセッションのモデレーターや、スタートアップ・カタパルトの審査員などを務めていますが、参加のたびに新たなインプットや普段やり取りできずにいる方々との出会いが得られる貴重な機会になっています。

 

今回は、ICCの特徴や、ICCを通じた学びをお伝えしたいと思います。

 

ICCは、旬な起業家・経営者・プロフェッショナルが一堂に集まる場

ICCの特徴は大きく4点あると認識しています。

 

1)1つ目の特徴は、経営に関する多様なテーマでセッションが開かれ、真剣に議論がなされている事です。

各テーマの経験を有する登壇者がオフレコでノウハウを共有してくれることもあれば、失敗談も赤裸々に語ってくれることもあります。私が普段、起業家・経営者に接していて感じるのは、経営推進時に同じ失敗をしているケースが多いこと。セッションを通じてそうした失敗談を先達から知ることで、同じミスの回避につながり各社の経営やスタートアップのレベルアップにつながる有益な機会になっていると感じています。

※参考
2022年9月に開催された「ICCサミット KYOTO 2022プログラム」。期間中、かなりの量のセッションが開催されているのが伝わるかと思います。

 

2)2つ目の特徴は、旬な起業家・経営者・プロフェッショナルが一堂に集まり、交流できる事です。

他のスタートアップ向けカンファレンスでも壇上での質疑セッションが設けられているのですが、準備不足で壇上に上がる方や以前からの仲間内の方、規律や礼節に欠く方なども登壇されて、それはどうなのだろうか・・・と思うことが一定あります。ICCは最新の経営ノウハウと参加者への貢献意識をもつ各領域の最先端の方々が登壇されていて、来場者含めスタートアップ向けカンファレンスとして一番質が高い場だと感じています。

またテーマが多様なのもICCの特徴だと感じています。中でも特徴的なのは、ホテルや旅館を貸し切って行う夜間のテーマ別ディスカッション企画「Co-Creation Night」。ホストが「ファイナンスとグロース戦略」、「ヘルスケア・医療 テクノロジーの今後」、「ブランディング」などのテーマを設定し、夜中まで部屋で語り合えます。ホストも各分野で活躍されている方々。テーマに即して参加者同士が深く交流でき、ICCならではの企画だなと感じています。

 

3)3つ目は、ピッチ・コンテンスト「カタパルト」。

私は「スタートアップ・カタパルト」の審査員を務めているのですが、1社あたり7分間のプレゼンテーションは真剣そのもの。リハーサルを通じてプレゼンを行う起業家へのフィードバックや7分でしっかり収める時間配分、相手の頭に残る内容をどう伝えるかの工夫など、各社の想いや強み・第三者への伝わり方がブラッシュアップされるため、エントリーしてプレゼンを行うだけでも真剣に事業に向き合う起業家にとってプラスになると感じています。

 

写真:2022年9月に開催されたスタートアップ・カタパルトの表彰式の様子

 

また直近のビジネス・トレンドに即したプレゼンも多いため、業界の傾向を図れる機会にもなっています。直近はESGに即したプレゼンも多かった印象です。

もちろん、ICCカタパルトの優勝企業は、多くが資金調達や有力者の採用に成功しており、スタートアップ業界のステージアップにもつながる機会にもなっています。

 

全ての起点は、ICC主催の小林 雅さんのリーダーシップ

4)最後4つ目の特徴は、主催の小林 雅さん。

普段、私は小林さんを「雅さん」と呼んでおり、本文でもそのまま「雅さん」と表記させていただきます。

私は常々、事業は「誰が」Topとして推進しているかで、同じプランでも到達点が大きく変わると考えています。

ICCが、他のカンファレンスには見られない有意義な機会と熱量を生んでいるのは、主催の雅さんが以下を持って推進しているからだと考えています。

 

  • 人生をかけて本気でよいカンファレンスの開催を心がけ、進化し続けている事
  • 「ともに学び、ともに産業を創る。」をスローガンに、それらを体現できる企画やテーマを参加者側の視点にたって常に立案し、登壇者を参集している事
  •  全セッションの評価を毎回定量的に行い、その評価結果を元に次回カンファレンスでのセッション・テーマ継続のGo / NoGoを判断している事
  •  登壇者・参加者に規律を求め、それに即さない行動や応対をした方は著名な方であっても厳しく排斥している事
  • そうした場を支える高い意識と規律を持った、若手の運営チームを組成できている事

 

上記、継続的な改善・新企画の立案・熱量・規律・組織づくりが、良い登壇者と参加者を惹きつけ、それがまた好循環を生む。ICCに参加して5年になりますが、リアルの場づくりの好例を、実際に参加しながら体験できていることに感謝しています。

 

人は、人に感化される

私共が2021年9月末にMBO・独立した際に、すぐに連絡をくれた一人が雅さんでした。11月頭に私共の新オフィスCIC Tokyoを訪問いただき、本文のはじめに記載した私共との戦略的パートナーシップ締結DIMENSION2号ファンドへのLP出資を快諾いただきました。

独立後、一瞬で物事が進む嬉しい出来事でした。

またこうした雅さんの心遣いと意思決定のスピード感・大胆さは、ICCと同じです。

私自身、雅さんやICCから「気づき」を得ているように、参加された多くの方がICCで「気づき」を得ているように感じています。

カンファレンスの更なる質向上に本気でとりくむ雅さんやICCに対し、私からも持ち合わせの経験やノウハウを提供することで、関わる方々にとって少しでもプラスになれればと考えています。

 

起業ノウハウ「先達に学ぶ」第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回第8回第9回第10回もご参考にしてみてください。

 

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