■「起業ノウハウ」について

皆様、こんにちは。

国内ベンチャー投資ファンド・DIMENSION （ディメンション）の代表取締役社長の宮宗（みやそう） と申します。私共の起業家向けメディアDIMENSION NOTE（ディメンション ノート）に目を通して頂き、ありがとうございます。

私自身2002年からスタートアップへの出資・支援を行うようになり、累計13社の上場／Exitに携わってきました。またこれまで様々な起業家や経営者と仕事をしてきましたが、経営はある事を行えば必ず成果が出るという単純なものではありません。一方、自分よりステージが上で上手く経営推進・事業拡大されている企業や起業家・経営者の方から「学び」、その内容の「具現化」を継続していれば、成果出しの確度は高められると、多くの起業家を見てきた専門家として確信しています。

2021年4月から、私共DIMENSIONメンバーが定期配信を始めた「起業ノウハウ」では、
・起業
・増資・融資
・組織作り
・経営推進・事業拡大
・上場
を中心に、取り上げていきます。

これまで幸運にも仕事を通じて、業界No1や一定以上の売上・利益規模に成長させた起業家の創業期にも多く触れることができました。
振り返ると、そうした起業家には共通項があると感じています。

今回は、仕事を通じて認識するようになった「事業を伸ばす起業家の共通項」をお伝えしたいと思います。

 

■サービスローンチ3年半で2,500社が有償導入するLegalForce

私共のDIMENSION１号ファンドの出資先にAI契約審査プラットフォーム「LegalForce」を提供するLegalOn Technologies社があります。

当該社は、2017年4月に設立。2019年4月に「LegalForce」の正式版を提供開始し、2022年9月時点で2,500社を超える企業・法律事務所が有償契約にて利用しています。

出典：「LegalOn Technologies社プレスリリース」

 

直近、2022年6月には、SoftBank Vision Fund 2をリード投資家として、Sequoia China、Goldman Sachsなどから、市況が悪い中でも137億円の資金調達を行うなど、創業6年目でAI契約審査サービスのトップ企業に成長しました。

出典：「LegalOn Technologies社プレスリリース」

 

私自身は、2018年に31歳のLegalOn Technologies社 代表取締役 角田望さん、30歳の取締役 小笠原匡隆さんの共同創業者にお会いし、上記プロダクトが完成する前に前職で出資。その後2021年にはDIMENSION 1号ファンドでも出資をしています。

いわゆる創業期に角田さん・小笠原さん達に出資をする意思決定をしたのですが、その判断に至った要因の１つは、「事業を伸ばす起業家の共通項」を角田さん・小笠原さんに見出したからです。

 

■群を抜いた前職での仕事ぶりと人間関係　≒　起業後の到達点

角田さん・小笠原さんは、大手法律事務所の森・濱田松本法律事務所の出身。
その法律事務所を定常的に活用されていたオーナー家の方から

•  “2名の若手弁護士が森・濱田松本法律事務所を退所し、起業した”
•  “二人とも好青年。しかも優秀”
• “紹介するので、1回話を聞いて欲しい”

とのお話を頂いたのが、二人とのやり取りのキッカケになりました。

仕事で接している相手には、その人の良い点や難しい面もすぐに伝わります。輝かしい経歴をもち成果を上げている方でも、周囲を焼き畑にしている方は自然と悪評が立ち、特に前職の社内の関係者にヒアリングするとすぐにそれがわかります。残念ですが、悪評が立っている方が大きな事業を創るのは難しい。

角田さん・小笠原さんは、そうした悪評がなく、前職を離れたあとでも前職の関係者から応援されていたのが印象的でした。そのことが私共から創業期の彼らへの出資判断に大きくプラスに働きました。

私がこれまで接してきた方で、業界No1や一定以上の売上・利益規模に成長させた起業家で前職がある方は全員、起業前に仕事で接している社内関係者から支持を得ながら群を抜いた仕事をし、しっかりとした人間関係も構築している方々でした。

前職での仕事ぶりと人間関係。
「礼節」を起点に、周囲からの「尊敬」にまで発展させた方が、大きな事業を創ると考えています。

 

これからも、こうした「事業を伸ばす起業家の共通項」をもつ次世代の起業家が、創業期から勇気を持って前進できるようリード投資家としてリスクマネーを提供し、組織構築や経営推進支援を行うことで、世の中にとって意義のある事業の創出に貢献したいと考えています。

起業ノウハウ「先達に学ぶ」第1回、第2回、第3回、第4回、第5回、第6回、第7回、第8回、第9回、
第10回、第11回もご参考にしてみてください。